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映画『マ・レイニーのブラックボトム』(2020/ジョージ・C・ウルフ監督)感想‣ビオラ・デイビスとチャドウィック・ボーズマン共演

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『マ・レイニーのブラックボトム』のあらすじと概要

『マ・レイニーのブラックボトム』Netflix

1920年代のシカゴを舞台に、「ブルースの母」と称される実在の草分け的な歌手マ・レイニーと彼女を取り巻く人々を描いた映画。

「フェンス」の原作者としても知られる劇作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を、「サヨナラの代わりに」のジョージ・C・ウルフ監督のメガホンで映画化した。

1927年。シカゴの録音スタジオで、人気歌手マ・レイニー(ビオラ・デイビス)のレコーディングが始まろうとしていた。4人組バックバンドのひとりである若いトランペット奏者レヴィー(チャドウィック・ボーズマン)は野心に燃え、他のメンバーたちと揉め事を起こしていきます。

やがて予定から一時間も遅れて到着したマ・レイニーは白人のプロデューサーやバックバンドとすったもんだを繰り返しながら、緊迫した雰囲気に包まれたスタジオの中でレコーディングを行っていきます。映画はそのたった数時間の人間模様を描いています。過去、そして今も日常的に続いている人種差別の影がちらつき、やがて思いもよらない悲劇が起こってしまいます。

マ・レイニー役に「フェンス」のオスカー女優ビオラ・デイビス。「ブラックパンサー」のチャドウィック・ボーズマンがレヴィーを演じ、本作は彼の遺作となった。

第93回アカデミー賞では、ボーズマンが主演男優賞、デイビズが主演女優賞の候補に挙がるなど計5部門でノミネート。そのうち、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門を受賞した。

批評家の全般的な見解は「ヴィオラ・デイヴィスとチャドウィック・ボーズマンのエネルギッシュな名演のお陰で、『マ・レイニーのブラックボトム』はブルース界の伝説のみならず、黒人文化全体に対して心からの敬意を払った作品に仕上がっている。」と絶賛されています。

『マ・レイニーのブラックボトム』のスタッフとキャストについて

Tess WendorfによるPixabayからの画像 

ジョージ・C・ウルフ監督:1954年米ケンタッキー州出身。リチャード・ギア主演のラブストーリー「最後の初恋」(08)で長編映画監督デビュー。社会的弱者に温かい眼差しを注ぎ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に冒された女性をヒラリー・スワンクが演じた「サヨナラの代わりに」(14)などがある。

オーガスト・ウィルソン(原作者):米演劇界を代表する劇作家のひとり。米ピッツバーグで貧困層の黒人が密集するヒル地区で生まれ育つ。20代から詩作を始め、1960年代頃から演劇界にシフトし、84年に「Ma Rainey’s Black Bottom」でブロードウェイ進出を果たす。

ビオラ・デイビス(マ・レイニー):1965年米米サウスカロライナ州生まれ、ロードアイランド州育ちのアフリカ系アメリカ人。映画では、「大いなる相続」(96)以降、スティーブン・ソダーバーグ監督の「トラフィック」(00)や、デンゼル・ワシントンの監督デビュー作「きみの帰る場所 アントワン・フィッシャー」(02)に出演。「ダウト あるカトリック学校で」(08)でアカデミー助演女優賞、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(11)で同主演女優賞にノミネート。

1920年代に活躍したマ・レイニーに扮するメイクにはまず度肝を抜かれるが、風采身のこなし及び横柄な態度はブルースの女帝そのものの演技には唖然とさせられた。

トラフィック スティーブン・ソダーバーグ 監督映画 レビュー

チャドウィック・ボーズマン(レヴィ―):1976年米サウスカロライナ州出身。20年8月、大腸がんのため43歳の若さで死去している。

複雑な心境を抱えるレヴィ―役を熱演していた。当時相当痩身ではあるが、病魔に侵されつつある状況をまった演技からは覗う事は出来ない程の演技に茫然。

「42 世界を変えた男」(13)、“ソウルの帝王”ジェームス・ブラウンを熱演した「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」(14)などの伝記映画で注目される。そして、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」(16)に、マーベル・シネマティック・ユニバース初の黒人ヒーローのブラックパンサー役として登場。単独映画「ブラックパンサー」(18)が歴史的大ヒットを記録し、アメコミヒーロー映画としては異例のアカデミー作品賞ノミネートを果たすなど、世界的な注目を集めていた。

なお、本年度アカデミー賞主演男優賞に本命視されていたが、『ファーザー』のアンソニー・ホプキンスが獲得している。

『マ・レイニーのブラックボトム』のネタバレ感想

Free-PhotosによるPixabayからの画像

大半がスタジオ内での語りの部分に費やされていくので演劇を観ている気分となります。ビオラ・デイビスの大迫力の歌唱シーン、メイクに圧倒(いやぁドン引き!)させられました。ブルースの歌詞は良く分かりませんでしたが、ブルースを歌う意味がほんの少しだけ理解出来た様な気がします。

負けず劣らずチャドウィック・ボーズマン演じるトランぺッター・レヴィ―の生き方も悲しい過去を抱えながら、少し突っ張り過ぎという気もしなくはありません。しかし、自分が抱える現状に対する”怒り”の心情は痛いほど伝わってくる気がしました。

黒人差別問題が全般のテーマにあり、歌や音楽も含め会話の内容の中にひとつひとつに大変凝縮された”形”になっています。日本人には理解し難いところもありますが、過去現在の根の深い理不尽な黒人差別問題の一端を少し垣間見ることができるのではないでしょうか!

 

 

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