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おすすめ映画|『グリーンブック』(2018/ピーター・ファレリー監督)

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グリーンブック の作品情報

  • 製作 アメリカ、2018年
  • 監督:ピーター・ファレリー(1956年米国ペンシルベニア州出身、コロンビア大学卒。弟のボビー・ファレリーと共に コメディ映画の監督をする。初作品は『ジム・キャリーはMr.ダマー』(94)その後、「メリーに首ったけ」(98)や「愛しのローズマリー」(01)などのラブコメを大ヒットさせ続けている。前作『ジム・キャリーはMr.ダマー』の続編『帰ってきた、Mr.ダマー バカMAZ!』ではお下劣、おバカ映画の健在振りをしめした。一転、本作品『グリーン・ブック』(18)は単独でヒューマン映画のメガホンを取った。
  • ヴィゴ・モーテンセン (トニー・”リップ”・バレロンガ役)1958年ニューヨークマンハッタン出身、父は農業十児のデンマーク人、母はノルウェイ大使館勤務のアメリカ人。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のアラゴルン役で世界的名声を得る。『イースタン・プロミス』(08)と『はじまりへの旅』(16)でアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
  • マハーシャラ・アリ (ドクター・ドナルド・シャーリー役)1974年カリフォルニア州オーランド出身、映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』全米映画俳優組合賞受賞、『ムーンライト』(17)でアカデミー助演男優賞受賞、リンダ・ローデリーニ(ドロレス・バレロンガ)
  • 本作品受賞歴: 91回アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を三部門で受賞した。76回ゴールデングローブ賞他

グリーンブック のあらすじ

スを1962年、ニューヨークのナイトクラブで用心棒だったイタリア系移民のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は腕っぷしが強く、張ったりが大得意、ガサツで無教養ながら、周囲や家族にはとても愛されている。仕事場だったナイトクラブが2か月間の改装工事の為、この間仕事がなかった。

トニーはやがて、孤高の天才ピアニストでケネディ大統領に招かれホワイトハウスで演奏したこともあるドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)のコンサートツアーの運転手兼用心棒として腕っぷしと張ったりを買われて雇われることになる。(トニーは当初、南部行きは危険な事と認識していた為、辞退したのだが給料を上げてもらい、クリスマスまでには家族のもとに帰る事を条件に引き受ける事にした。)

まだまだ当時黒人差別が色濃く残る時代で、黒人に取っては危険の多い南部(ディープサウス)をコンサートツアー先として選んでいた。

ツアー旅行の初日、ドクターはトニーに黒人用旅行ガイドブック「グリーンブック」を手渡す。この本には黒人が宿泊出来るホテル、モーテルやBAR・レストランが記されている。

ドクターを演奏の為招待する南部の富裕層の多くはドクターを表面的にはとても好意的な態度で応対するが、心の中では蔑視している。トニーは黒人に対する対応に怒りを感じる様になっていく。ドクターとトニーの関係は益々深まっていくことになる。

黒人に対する偏見、人種差別を取り上がげた映画は数多いが最近の映画では、

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ネイティブアメリカンの問題では、 

ウインド・リバー ワイオミング保留区を舞台にしたサスペンス映画レビュー

などがある。

グリーンブック の見どころ

 喧嘩っ早くてどこか危なっかしいトニーと性格も育ちも全く違い冷静沈着なドンとは名コンビだと思う。トニーのイタリア系アメリカ人としての開けっ広げな性格と、ドンの類まれな音楽の才能と誠実な態度に日夜接することで、トニーは黒人に対する偏見そのものがあっという間に雲散霧消しまうところが面白い。

 二人の間の小さな軋轢は色々の部分で残るものの大した問題にならない。底流の心の琴線部分でかなり早い段階から、二人はがっちり組み合う事が出来たので、8週間もの長くて、辛い旅を無事(!)終えることが出来たのだと思う。

 ディープサウスではこれでもかこれでもかという試練が次から次へと待ち構えていた。ドンは楽な北部での巡業旅行をせず、敢えて南部に巡業に出る理由は劇中語られるが、「才能だけでは十分ではない」「音楽には勇気も必要」という事らしい。南部に旅立つことはそれなりの決意をして出発したことがうかがえる。試練の中に身を投じる巡礼者の物語と見れば、もう少し気楽に映画を楽しめたかもしれない。それにしても黒人に対する扱いはかなり冷酷で理不尽な事ばかりで目を覆いたくなることが多々あった…1962年でもこのような人種差別が色濃く残っていた事を改めて知り、この問題が根深いものであることの認識を新たにした。

 一方、「メリーに首ったけ」や「愛しのローズマリー」などのラブ・コメディーが得意なピーター・ファレリー監督としては少し毛色の変わった真面目な内容の話をテーマとして取り上げている事に少し驚いたが、ここまで本格的なシリアスな映画を撮る事が出来ることに正直驚かされた。

 アカデミー賞作品賞初め3部門受賞しており文句の付けようがない映画と言えよう。おすすめ度 ★★★★★100点 満点!

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