『ドローン・オブ・ウォー』の概要とあらすじ
「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督とイーサン・ホークが再びタッグを組み、無人戦闘機ドローンにより、戦地に行かずして空爆を行う現代の戦争の実態と、PTSD（心的外傷後ストレス障害）に苦しめられるドローン操縦士の異常な日常をリアルに描きます。
アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐（イーサン・ホーく）の赴任地は、美しい妻とふたりの子どもと暮らす住宅街のマイホームから車を走らせ、歓楽街を抜けた場所にあるラスベガスの基地に設置された快適なエアコンの効いたコンテナの中でした。そこで無人機ドローンを遠隔操作し、1万キロ以上離れた異国の敵をクリック1つで空爆をするという。ゲームのような現実味のまったくない戦場と家族の待つ家との往復、それがイーガンの日常であり、異常ともいえる現代の異様な戦争の姿。
2014年製作／104分／アメリカ
原題または英題：Good Kill
ドローンが活躍する以前の戦争映画感想➢
感想｜『フューリー』（２０１４／デビッド・エアー監督）ブラッド・ピットが戦車長としてナチスドイツ相手に戦いを挑む、超迫力戦争ドラマ
おすすめ映画感想『ダンケルク』（２０１７／クリストファー・ノーラン監督）‣迫力満点！史上最大の救出作戦を壮大なスケールでリアルに激写！
おすすめ映画｜『１９１７命をかけた伝令』（２０１９／サム・メンデス監督 ）
『ドローン・オブ・ウォー』のスタッフとキャストについて
アンドリュー・ニコル監督・脚本
代表的な監督作品感想
➢映画『ガタカ』（１９９７／アンドリュー・ニコル監督）感想‣遺伝子操作により管理された近未来を描く！
イーサン・ホーク（トミー・イーガン少佐）：かつてF-16戦闘機のパイロットとして実戦に参加、多くの死線をくぐり抜けてきた。現在のまったく現実感の欠落した戦闘行為には違和感しかなく、”コンテナ”と家族の住む家庭との往復するだけの毎日に一切の希望を持てていない。
➢出演作品 おすすめ映画｜『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(２０１６／アシュリング・ウォルシュ監督）素朴派画家Ｍ・ルイスの慎ましい半生をサリー・ホーキンス主演で描出
ブルース・グリーンウッド（ジョンズ大佐、イーガンの上司）：イーガンに理解を示す上司。
➢おすすめ映画『ミークス・カットオフ』（２０１０／ケリー・ライカート監督）感想‣希望の旅から疑心暗鬼の旅へ、バケツ一杯の金よりも”水”が欲しい
ゾーイ・クラビッツ（スアレス）：イーガン少佐の新たに編入された部下、良識をもっており、非人道的な命令に対して反抗的な考え方を持っている。
➢ものすごい映画『THE BATMAN ザ・バットマン』（２０２２／マット・リーブス監督）感想‣ロバート・パティンソン演じる新バットマン！
『ドローン・オブ・ウォー』のネタバレ感想
TVニュース映像でも極日常的に放映されている映像なので驚きもしなかったが、現在の戦争の実態の裏側を本作でまざまざと見せられると”異常な世界”としか言いようが無い。『このような現実があってはならないはず』と誰もが思うのではないでしょうか！
あたかもテレビゲームに興じたように”目標物”をいとも簡単に破壊し（殺害し）、その日の任務を完了した後、車を運転して自宅に戻ると美しい妻と可愛い子供が待ち構えているというありふれた日常に戻ります。決して戦場に乗り込み、身を危険に晒して敵をやっつける戦争の方がいいと言っている訳ではありません。敵から1万㌔以上も離れた場所、3000㍍上空のドローンから常時監視しながら、敵に攻撃を仕掛ける…昨日はウクライナ・ロシア間の戦争でもドローンが頻繁に使用されている状況の最新ニュースが放映されていました。妨害電波を発信して正確な位置情報取得が困難なように防戦していると…
映画の中では新規加入の新兵に対して上官が訓辞を垂れているシーンで、「諸君の中にはゲームセンターでゲームの腕を見込まれ、スカウトされた…」という耳を疑うセリフがありませいた。ゲーム好守が優秀な”狙撃手”候補になるなんて本当に馬鹿げた話で、しかもこれが現実であるという事に憤りを感じざるを得ません。
本作を観れば戦争のむなしさと、戦争は絶対に起こしてはいけないこと感じるはずです。
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