剣道を30年ぶりに再会した理由
私は5年程前に中国湖南省長沙にある合弁会社への出向を切っ掛けに、剣道の稽古を再開することになりました。30年数年前の大学卒業以来久しぶりに防具を着け、竹刀を握ることになりました。
出向会社の社長（日本人）は剣道をやっていたことから、剣道仲間を増やしたい、グループ会社の対抗戦に中国から代表選手を日本に送り込みたいという希望があったようです。
中国駐在が決まった私に、昔剣道をやっていたという事を誰かから聞いたらしく電話で一言「防具を持って来てね。中国でも剣道出来るよ！」と連絡を頂きました。
私はすぐに中学の同級生が営む剣道防具店を訪れ、防具、稽古着等を新調して引っ越し荷物に梱包して送りました。言わば有無を言わせず社長命令で剣道再開となったわけです。（それまでは剣道を再開するつもりはまったくなかったのですが、これも何かの縁と直ぐ気持ちを入れ替えましたが…）
現在の稽古状況／苦労している点、その解決法
長沙での剣道は４段の中国人道場主をトップに、常に１０数名の若い剣士が稽古に参加していました。登録しているメンバーは５０名を超えていたと思います。日本人は社長ともう一人エンジニア（当時５段、現６段）で愛知県から出向している方と合計３名でした。
中国人はほとんどが初心者ですが、道場主は北京の学校で剣道を稽古したらしく、４段を最近日本(埼玉県）で取得してきたと言っていました。それなりにしっかりした剣道をやっていました。
また、当時、２０１０年当初中国では日本の剣道アニメが大流行しており、日本の剣道が若者の間でブームとなっており、剣道を新たに習いたい、さらに日本の文化に触れてみたいという若者が毎週道場へ見学に来ていました。しかも若い女性の入門者が結構多い。（これは大変意外でした）毎週道場に見学に訪れる若者の姿を見掛けました。
日本帰国後は自宅近くの町道場（中学校の体育館 上記写真の場所）て毎週土曜日１９：００から一時間の稽古をなんとか継続しています
毎週土曜日のみ一時間程度の稽古ですが、初めた当時は地稽古では目一杯打ち込んで行ってしまったので、2，3名の方と稽古をするだけで息が上がってしまい、一時間も稽古を継続することは相当な試練でした。又、翌日は今まで使ってこなかった筋肉の筋肉痛がひどく体中がガタガタになりました。本当に稽古を毎週継続できるのだろうかと思いました。
それでも、地元で稽古を再開してから2年以上漸く経過したことから、体も剣道に大分慣れてきたところです。
現在自宅から稽古場（中学校体育館）まで5キロの道のりを防具を担いで自転車で通っています。来年は是非自動車を購入して、運転して通いたいと計画しています。国道沿いの歩道は急坂も多く、夜道・雨の日はかなり危険です。
稽古も始めた当初は上の人に向かい闇雲に隙あらば打ち込んで行こうという意気込みばかりで焦っていました。「あなたのは剣道ではない」とまで指摘されたこともありました。「打ち込む前に相手の様子を探る事が一番、『対話』をした後、準備してから打ち込むように」と指導して頂き、考えて剣道をするようになりました。
大半が私よりもはるかに年の若い高段者（５段、６段）の指導を受けています。どこを打ち込んでも全く当たらず、手に力が入り過ぎているのが自分でも良く分かります。気持ちだけは焦っており、体が付いて行かないジレンマとの日々闘いです。
学生時代の頃やっていた剣道の「頭」から、現在の体に応じた剣道の「頭」への「切り替え」が重要な様な気がします。幸い今のところ、体力的には面の打突では、いまのところアキレス腱のケガを気にせず 一応遠間から、思い切った飛び込み面を繰り出すことができます。これは昔の稽古の賜物かもしれません…
後は「攻め」と「タメ」の習得にどれだけの鍛錬を積むかだと考えています。「若い頃の俊敏性だけが剣道ではない」と考えています。又、宮本武蔵の『五輪の書』に１千回の稽古を「鍛」、１万回の稽古を「錬」というという言葉があった様に記憶していますが、鍛錬を重ねて行きたいと思います。
今後の新たな目標
大学時代に３段で終わっている段位を一段でも上げて行きたいのが今の夢です。とりあえず１，２年以内に４段取得が目標です。それには最低でも週一回の稽古に休まず参加して年間最低５０回の稽古をすること（多分無理だと思う…）
それに加えて、最近便利になったユーチューブなどで剣道動画サイトなどの映像を見ながら勉強できるのが楽しみです。「百秀武道具店ウガ店長ユーチューブ」などの解説が結構気に入っており、繰り返し拝聴させてもらっています。かなり勉強になっています。
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