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おすすめ映画|『心と体と』(2017/イルディコー・エニェディ監督)ハンガリー映画

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心と体と の作品情報

  • 制作年 2017年、ハンガリー 、上映時間116分
  • 監督及び脚本 オイルディコー・エニェディ1955年、ハンガリー・ブダペスト生まれ。大学で経済学を学んだ後、ブダペスト演劇映画学校(現・大学)で映画制作を学ぶ。1977年から1985年まで芸術家集団 “Indigo”に所属。その後、1989年以前の東欧で唯一の独立系映画スタジオ“バラージュ・ベーラ・スタジオ”で働く。数々の実験的な短編映画を手がけた後、1989年から長編映画を撮り始めた。
  • デビュー作『私の20世紀』がカンヌ国際映画祭でカメラドール(最優秀新人賞)を受賞、ニューヨークタイムズの年間映画ベスト10に選出されるなど高い評価を受けた。『Magic Hunter』(95)と『タマーシュ&ユリ・ふたりの20世紀』(97)はヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出された。『Simon, the Magician』(99)はロカルノ映画祭で審査員特別賞を獲得し、ハンガリー映画週間では監督賞、撮影賞、男優賞の3冠受を受賞。2017年ベルリン国際映画祭の金熊賞作品本編『心と体と』は『Simon, the Magician』から18年ぶりに発表された長編映画である。
  • 主演 アレクアンドア・ボルベーイ(マーリア役)11986年9月4日、スロヴァキア・ニトラ生まれ。ハンガリーのカトナ・ヨージェフ劇団や映画で活躍する女優。スロヴァキアのブラチスラヴァ演劇アカデミー卒業後、ハンガリーのブダペストで演技の勉強を開始。2012年にブダペスト演劇映画大学を卒業後、カトナ・ヨージェフ劇団に入団。なお、本編『心と体を』の演技で2017年ヨーロッパ映画賞最優秀女優賞を受賞した。 ゲーザ・コルチュー二(エンドレ)
  • 本編は2017年・第67回ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞をはじめ4部門に輝いた。        

心と体と のあらまし

 長編デビュー作「私の20世紀」でカンヌ国際映画祭カメラドール(最優秀新人監督賞)を受賞したハンガリーの鬼才イルディコー・エニェディが18年ぶりに長編映画のメガホンをとり、「鹿の夢」によって結びつけられた孤独な男女の恋を描いたラブストーリー。

 舞台はブダペスト郊外の食肉処理場。代理職員として働くマーリアは、コミュニケーションが苦手で職場に全くなじめないでいた。片手が不自由な上司中年男のエンドレは彼女を気に掛けるが、うまく噛み合わない。そんなある日、牛用の交尾薬が盗まれる事件が発生し、犯人を割り出すため、全従業員が精神分析医のカウンセリングを受ける事態となる。すると、マーリアとエンドレが同じ夢を共有していたことが明らかになる。

 二人は夢の中で“鹿”として出会い、交流していたのだ。奇妙な一致に驚くマーリアとエンドレは、夢の話をきっかけに急接近していく。マーリアは戸惑いながらもエンドレに強く惹かれていくが、彼からのアプローチにうまく応えられず不器用な二人はすれ違ってしまう。夢の中ではありのままでいられるのに、現実世界の恋は一筋縄には進まないでいるが、、、

鹿になった男女が夢の中で毎日逢っているという不思議な体験だが、同じヨーロッパ映画でもこちらの異次元の夢はもっと大変 スウェーデン映画「ボーダー 二つの世界」を見にいった

心と体と の見どころ

 舞台が食肉処理という殺伐とした工場で始まる恋物語! 若くて美しいが一切の恋愛には無関心に見える堅物の女性と片腕が不自由な中年男が、お互いに鹿となり同じ夢の中で遭遇するという摩訶不思議な共有体験を通じて急接近していくストーリー展開を愉しむ。

 現実離れしていて、どう見てもむちゃくちゃなストーリーではあるが、こんなこともあるかもしれないと儚い夢を追うのも心の浄化の意味では許されるのだろう。しかも夢を見るのは中年男ばかりか、若い女性側も全く同じ夢を体験しているのが常識的には少々解せないところではあるが、、、

 一方で、映像は美しく(特に何度も表現される野生の雌雄つがいの鹿の森の中での行動シーンは幻想的な暗示を感じさせる)、またその他シーンの中の細かい描写は砥ぎ澄まされ、繊細な表現が溢れる映画となっている。マリアも非常識的な行動ばかりが多いにも関わらず、とても自然体な演技が光り、観客を徐々に魅了していくのだが、、、

 東欧の映画はテンポがゆっくりで、米国系、邦画を見慣れているとあたかも時間が止まっているか様な感じを受ける。また、同じような事を何度も繰り返す律義さのような映画作りが感じることができ非常に興味深い。民族性の違いなのだろうか、東欧の人々が実際生活するリズムもこの映画と同じようなペースなのか興味を持ったところである。

 男性側からは、しばし現実を離れ、時にはこんな夢の共有体験もあったらいいなぁと「妄想」したい時はおすすめ度★★★★★ 5点満点…

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