>

おすすめ本|『移動革命 MaaS,CASEはいかに巨大市場を生み出すか』 三菱総研編著(NHK出版新書)

スポンサーリンク
おすすめ本の紹介
(Joenomias) Menno de JongによるPixabayからの画像
スポンサーリンク

なぜ、「移動革命」を読んだのか?


유봉, yubong 정,JenogによるPixabayからの画像

以前はEVを生産するプロジェクトに少し関わりのある部門で働いていました。この業界も少し離れてしまうと、MaaS、CASEなどという単語が急に表に出てきて戸惑う事になります。現在はEVのみならず、自動運転、カーシェアリングなど、また、モビリティーの概念も自動車に留まらず、バス・鉄道、IT業界を巻き込んだ井、ヒトの移動、貨物の輸送等までを包括したシステムに及び巨大マーケットになろうとしています。

たまたま、立ち寄った本屋に三菱総合研究所編の本書「移動革命」で現在の状況を総括した本があったので早速読んでみました。

今後大きく変容するであろう点につき本書内でその概要を説明されている部分で興味を引かれた部分を何点か取り上げてみたいと思います。

なお、MaaS(Software as a Srevice)とは”「サービスとして提供される移動」を指し、具体的には、目的地までの移動についてマイカーだけに頼るのではなく、複数の交通機関から各個人に最適な経路や手段を組み合わせ、一括して提供するようなサービス”ということだそうです。

また。CASEとは”「Conenected」「Aoutonomous」「Shared」「Electric」の頭文字の組み合わせです”。

Cはコネクテッドカーになっていくという事で、通信機を搭載し、常に外部と情報通信をする事が可能となります。Aは自動運転です。これはコネクテッドカーである事が大前提となります。自動運転をより安全にするためには大量の情報をより精確により早く処理する必要がある為、より能力の高い「量子コンピューター」などの技術の応用が期待されているそうです。S=シェアリング、E=電動化。

最近の他新刊書に関わる投稿はこちら:

データリテラシー フェイクニュース時代を生き抜く M・ファクラ―著 

内戦と和平 現代戦争をどう終わらせるか 東大作著  

知の旅は終わらない 僕が3万冊の本を読み100冊を書いて… 立花隆著 

オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側 後藤逸郎著 レビュー 

「移動革命」を読んだ概要・感想

Goran HorvatによるPixabayからの画像

2018年の燃料別新車販売台数によると、HVや電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCEV)などの電動車の販売台数は115万台で、3年連続過去最高を更新。登録乗用車の販売台数に占める電動車比率は39.9%となった。

正直電動車の販売比率の数値がこんなに高い事は予想もしていませんでした。4割です。これは充電設備の充実、電動車両に対する政府の補助金制度、公共交通機関での路線バスなどへの普及率が大幅に進みつつあると説明されています。更に、電動車の普及に重要なのはワイヤレス給電システムの普及実用化が上げられています。認識を新たにしました!

MaaSのの国土交通省の定義は「出発地から目的地まで、利用者にとっての最適経路を提示するとともに、複数の交通手段やその他サービスを含め、一括して提供するサービス」と規定しています。これは大都市型、大都市近郊型、地方都市型それぞれのケースに分けて検討されています。

スマホのアプリでもこのサービスは一部実用化され始めているので、その便利さについて自分自身で実感しています。但し、この狙いは、近い将来は、自宅から駅などの交通手段の解決や外出の目的別(通勤、通院、買い物、レジャー)に提案内容を変更出来ることや、さらに極め細かいサービスの提供を含めているので、今後の期待も大きい分野です。

MaaSがもたらす移動革命の次の段階は、モビリティ―とその他の産業との連携サービスの高度化が不可欠なものとなる。例えば、旅行産業・業界では、観光地の宿泊予約と同時にアクセス方法をレコメンドする、経路途中にある観光施設がクーポンを提供する、といった事が普通になる。また、小売業界では、個人の好みにあった商品を移動販売車が提案、販売するほか、小売店までの無料送迎サービスを提供することなどが考えられる。

こういったサービスもあれば非常に便利で、正に革命的なサービスだと思いました。5,10年先が大変楽しみですが、AIなど”第三者”に自分のすべての趣向、好みを把握されてしまい、自由が無くなってしまうところは目をつぶらざるを得ないのか、少し心配ではあります。

一方、地方では人口の減少に伴い、公共交通機関のサービス縮小や撤退が進む状況において、移動弱者の足の確保の問題が深刻になり、生活の不安が示されている。それに対して、高齢化率3割達している、長野県伊那市における地方創生の具体的な取り組みを例示している。自動運転技術、AIを利用した宅配便などの地域内物流事業の効率化を図っている…

大都市の交通過密化などの問題も深刻だが、地方の人口減少、少子高齢化に伴う交通手段の確保も死活問題だと思います。MaaSサービスの効率的な運用で打開が図られればいいのですが、、、

世間の一般的な意見はどんなものがある

STIV abcによるPixabayからの画像

今年5月5日出版されたばかりの書籍の為、書評は多くありませんでした。以下がありましたので、引用させて頂きます。少し辛口の評価です。

MaaS、CASEによって市場がどのように変化するのかわかりやすく解説されているが、特に新規性は少なかった。MRIの記事でMaaSやCASEについて書いたものがたくさんあるのでそちらで勉強できると思った。一部、サイトと本の文章が完全に一致していて残念だった…

最後に

Tobias RehbeinによるPixabayからの画像

2020年1月ソニーが試作EV「VISIONーS」を発表した。ソニーによれば、「モビリティーにおける安心・安全から、快適さやエンタテインメントなども追及する取り組み」という。これは少し前、家電量販展のTVショッピングでEVを販売したということも驚きだったが、ソニーが車を作るという動きは、カーメーカーにとっては驚天動地の出来ではないだろうか? 自動車は運転する楽しみという部分が徐々に薄れ、単なる移動の手段に化してしまうような気がする。

これからのモビリティーの激変状況からは当分目が離せそうもありません。

自動車の全盛期にはこんな時代もありました。

フォードvsフェラーリ 映画 絶対王者フェラーリに挑んだ男たちの実話 レビュー

コメント

タイトルとURLをコピーしました