「君の名前で僕を読んで」のあらすじ・概要
80年代の北イタリアが舞台。そこで両親と長いヴァカンスを過ごす少年エリオ(ティモシー・シャラメ)が出会ったのは、年上の米国人青年オリヴァー(アーミー・ハマー)だ。17歳と24歳の青年が織りなす、豊かな田園風景の広がる田舎町で、ひと夏の情熱的な恋の行方を、描くラブストーリー。アンドレ・アシマンの同名小説を原作に「日の名残り」「眺めのいい部屋」の名匠ジェームズ・アイボリーが脚本を執筆。83年、夏。家族に連れられて北イタリアの避暑地にやって来た17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会い、家族と一緒に、同じ民家で寝起きし6週間の夏季休暇を過ごすことになった。一緒に川で泳いだり、自転車で街を散策したり、本を読んだり、音楽を聴いたりして心が開放感につつまれ、過ごすうちに、エリオは一緒に生活しているオリヴァーに徐々に特別な思いを抱くようになっていく。ふたりはやがて恋に落ちるが、夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいて来るのだが……。
「君の名前で僕を読んで」のスタッフとキャストについて
ジェームズ・アイボリーが脚本。第90回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされ、アイボリーが脚色賞を受賞した。
ルカ・グァダニーノ監督: 本作品では第75回ゴールデングローブ賞で作品賞(ドラマ)を含む3部門、インディペンデント・スピリット・アワードで作品賞、監督賞にノミネートされるなど非常に高い評価を得る。
ティモシー・シャラメ(エリオ役):本作品での演技が絶賛され、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ)をはじめ、インディペンデント・スピリット・アワードや全米俳優組合賞などにノミネートされている。他出演映画は「インターステラー」「レディ・バード」など。
最近の出演映画(「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」)の投稿記事はこちら:レビュー「ストーリー・オブ・マイライフ」(2019)/時代を超え、四姉妹の心の葛藤が生き生きと描かれる感動作!
アーミー・ハマー(オリヴァ―役):本作品では主人公カップル役で共演し、ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされた。その他の出演作に、「ALONE アローン」「ノクターナル・アニマルズ」(ともに16)、「ジャコメッティ 最後の肖像」(17)、「ビリーブ 未来への大逆転」(18「コードネーム U.N.C.L.E.」「ソーシャル・ネットワーク」など。
「ビリーブ 未来への大逆転」のレビュー投稿記事はこちら:
マイケル・スタールバーグ(エリオの父親、バールマン教授役):本編では若者を優しく見守る父親役を好演している。コーエン兄弟の映画「シリアスマン」(09)でゴールデングローブ賞最優秀男優賞にノミネートされ、以降マーティン・スコセッシ監督作「ヒューゴの不思議な発明」(11)、スティーブン・スピルバーグ監督作「リンカーン」(12)、ウッディ・アレン監督作「ブルージャスミン」(13)、ドゥニ・ビルヌーブ監督作「メッセージ」(16)など名匠たちの映画に出演。17年には、アカデミー作品賞受賞作「シェイプ・オブ・ウォーター」のほか、同賞の候補になった本作品「君の名前で僕を呼んで」と「ペンタゴン・ペーパーズ 最重要機密文書」の3作品に出演し、名作には無くてはならない、名バイプレイヤーとしての存在感を強めている。
「君の名前で僕を読んで」のネタバレ感想
こういった主題の映画についてのコメントは非常に難しい。北イタリアの田舎町での6週間の避暑に訪れての17才と24才の男同士の運命的な巡り合いの“ラブ”ロマンスの感想を求められても、正直言ってかなり困ります。ラストシーンで、エリオの父親からのコメントが何とも、エリオの悲しみを覆い包み、労う温かい言葉だったのが非常に印象的だった。
映画の御膳立ては何もかもが素晴らしい。住み心地良さそうな避暑地の邸宅、周囲を囲む鬱蒼とした木々、果樹園、池には雪解け水でも流れ込んでいるのか、透明でどこまでも冷たい、朝食をオープンテラスで食べるシーンが何度もあるが、鳥の声に迎えられてのモーニングという天国に行ったような設定です。
父親である教授は、多分自分の教え子の中でも最優秀な弟子のひとりを避暑地に招いたのかも知れません。アメリカ人の学生を一家の避暑地に同宿させます。その街には地元の女性ともかなりオープンなつながりを持てる場はあり、エリオもオリヴァ―もガールフレンドをそれぞれ見つけていますが、本命はやはりお互いを意識し始めていた様です。
ふたりの関係の発展の描写がごく自然であり、その関係も純粋さを保ち続けるので、爽やかな感じは続きます。 しかしながら、6週間という期間限定のイタリア訪問だったこともあり、オリヴァ―は予定通り帰国せざるを得ません。その後、しばらくして、オリヴァ―からの電話があり、2年越しに付き合っていた彼女と結婚する予定であることを打ち明けられます。悲しみに、打ち砕かれたエリオですが、この感情の高まりの経験を糧にまた新たな第一歩を進んでいくのだと思います。
若いシャラメが体全体で躍動感目一杯に表現する喜びとか、悲喜こもごもの表情などは天性の演技力を感じる事、非常に新鮮味を感じることの出来る、非常に良い映画だったと思います。
最後に
最近超人気のティモシー・シャラメの人気の原点をこの映画で見る事が出来ます。やんちゃな好青年の雰囲気そのままですが、万人から愛されるキャラクターなのかも知れません。特に女性から…
また、わたしが期待したいのはボブ・ディランの若き日を描く伝記映画への出演をオファーされているとうニュースです。監督は「フォードVSフェラーリ」のジェームス・マンゴールドと言われています。何とか実現し公開されるの楽しみにしています。
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