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おすすめ映画|『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(2020/フランソワ・オゾン監督)カトリック教会の神父による子供たちへの性的虐待事件!

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「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」のあらすじと概要

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「8人の女たち」「2重螺旋の恋人」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督がフランスで実際に起こった神父による児童への性的虐待事件を描き、第69回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞した作品。オゾン監督は、これまでの特徴的なスタイリッシュな映像表現や、ウィットに富んだストーリーテリングを今作ではすべて封印しています。スキャンダラスな表現ではなく、被害者の心情に寄り添いながら、繰り返されてはならない権力者による罪を真摯に告発し、見る人々に、鑑賞後に深く考えさせられる内容になっています。

妻と子どもたちとともにリヨンに暮らすアレクサンドルは、幼少期にプレナ神父から性的虐待を受けた過去を抱えていた。アレクサンドルは、プレナ神父が現在も子どもたちに聖書を教えていることを知り憤り、家族を守るために過去の出来事の告発を決意します。

彼と同様に神父の被害に遭い、傷を抱えてきた男たちには、最初は関りを拒んでいたフランソワ、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルらが徐々に輪に加わってくる中、教会側はプレナの罪を認めながらも、責任を巧みにかわそうとします。信仰と告発の狭間で葛藤するアレクサンドルたちが、20年という長い間の沈黙を破り教会という権力に対して堂々と戦いを挑んでいきます。

教会側の責任をめぐって2020年7月現在もなお係争中だといいます。更に、ひとりの勇気ある告発をきっかけに、80人以上の被害者が名乗りをあげたというからその罪は決して許されるものではありません。

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「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」のスタッフとキャストについて

Ben KerckxによるPixabayからの画像

 

フランソワ・オゾン監督/脚本

2002年のミュージカル『8人の女たち』(では、カトリーヌ・ドヌーヴをはじめとする出演した8人の女優達に対して2002年のベルリン国際映画祭銀熊賞が贈られた。2007年には初の英語作品『エンジェル』で高い評価を得た。

ゲイであることを公表しており、作品の多くで同性愛を扱っています。

出演 

メルビル・プポー(アレクサンドラ役):社会的には立派な地位もあり、家族も子供5人を抱える父親として申し分のない生活をしているが、幼児期受けた性的虐待の経験の印象が残り苦悩する。

ドゥニ・メノーシェ(フランソワ役):幼少期に受けた虐待経験があり、それを両親に訴えたが、解決しなかった過去の経緯がある。また、実兄との間にも何らかのわだかまりが存在して未だに拭い去れない。

スワン・アルロー(エマニュエル役):両親は離婚しており、自分自身は定職に付かず、家族も母親の面倒を見乍ら、恋人らしき女性と同棲している。幼児期の虐待を受けた経験が未だに尾を引いている感じがする。

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「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」のネタバレ感想

macaccroによるPixabayからの画像

カトリックの聖職者による幼児に対する性的虐待に対する告発をテーマとした実話の映画化というから、社会に与える衝撃は想像を絶する大きさだったのではないでしょうか?また、教会側もプレナ神父もあっさりと罪を認めているにもかかわらず、神父を辞めさせることも無く、従来通り子供に聖書を教える教育者の立場としての地位を保持続けている事はどうしてなのか本当に理解に苦しみます。やはり、神聖な教会という頂点を極めている権力は神聖不可侵ということなのでしょうか?!

映画雑誌のオゾン監督のインタビュー記事の中でも指摘されていましたが、現在ヨーロッパでは5人に1人というかなりの高率で幼児の性的虐待問題が発生している事実には唖然としました。しかもその80%が家庭内部で発生しているというから尚更驚きです。本作品の様に実際告発される問題はもしかすると氷山の一角に過ぎないのかも知れません。

発生した問題を告発しない人を勇気の無い人と決めつける事も出来ません、ましてや家族を告発することは精神的にもかなりの困難が伴うでしょう。最大の問題は被害を受けた人々が勇気を出して、告発しようとすると、教会の落ち度を公に指摘することで、さまざまな軋轢が生じ、現在の自分自身の生活が脅かされるリスクなどを伴う事が大きな障碍になっているのではないでしょうか…複雑な問題を内包していると思いました。

最近はハリウッドの#Me Too運動などで、パワハラ被害者などの勇気ある積極的な告発行動が話題となり、犯罪被害者が泣き寝入りしない風潮に変化してきています。映画化されるなどし全世界での認知度もアップしつつある事は確かです。

なお、本作品の構成ですが、主に3人の被害者アレクサンドラ、フランソワ、エマニュエルらの独立したストーリーがリレー式に上手く連結しており、現実の彼らひとり一人の生活に密着した実生活を丁寧に描写しています。人それぞれに過去の性的虐待の影響が現在どのように出ているのか、非常にきめ細かく表現されているところが特徴的でした。

これも、オゾン監督のインタビュー記事知り得た情報ですが、出演者3名は実際の被害者に撮影以前には会ったり、面談したりしていないそうです。映画化される人物を作り込みする際、実際の本人に会い話を聞くなどはしていない事に少々驚きましたが、それはオゾン監督流の考えがあってのことだとは思います。

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最後に

Bruno DavalによるPixabayからの画像

私は、正直に言うと、フランソワ・オゾン監督作品はまだ「スイミング・プール」しか見ていません。本作品のレビュー・感想等を読んでいると、やはり、「従来のオゾン監督らしくない作品、でも良かった」と評されている事が非常に多くなっていました。確かにスイミングプールでは『スタイリッシュ』『一種独特な雰囲気のあるクールな映像美』という印象が残っています。なによりもサスペンス映画の名手としての片鱗は跡形も無く消されています。しかしながら、今回は大きな社会問題となっている実話を真正面から取り上げる事により、オゾン監督の新境地を切り開こうとしているのでしょうか? 今後どちらの方向に向かうのか少し楽しみになりました。それ以前に評価の高いオゾン監督の他作品も見てみたいと思いました。

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