『ドラゴン・タトゥーの女』のあらすじと概要
スティーグ・ラーソンの全世界で驚異的な累計6500万部を誇る3部作のベストセラー小説の第1作を映画化したスウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(2009)を、「セブン」「ソーシャル・ネットワーク」のデビッド・フィンチャー監督がハリウッドリメイクしたミステリーサスペンス。
アカデミー賞では、ヒロインに抜てきしたルーニー・マーラの主演女優賞をはじめ5部門でノミネートされた。
(あらすじ)
記者ミカエル・ブルムクヴィストは大物実業家ヴェンネルストレムの武器密売をスクープし、名誉毀損で訴えられ裁判で敗訴し全財産を失ってしまいます。失意のミカエルに、別の大物実業家から突然調査の依頼を受けます。それは一族の謎を解明して欲しいとの依頼で、見返りに裁判判決を逆転させるような証拠を渡すという。謎とは、40年も前に行方不明になった16歳の少女のことであり、一族の誰かに殺されたという。
依頼を引き受けたミカエルは、猟奇連続殺人も絡む一族の秘密を暴いていくことになります。ミカエルは、彼に興味を持ったドラゴンの刺青をしたフリーの天才女ハッカーで、背中にドラゴンのタトゥのあるリスベットとともに捜査を進め、すべての謎に迫っていきます。
『ドラゴン・タトゥーの女』のスタッフとキャストについて
デヴィット・フィンチャー監督:92年に「エイリアン3」で劇場映画デビューし、「セブン」(95)、「ファイト・クラブ」(97)で一躍人気のフィルムメーカーに。「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(08)でアカデミー監督賞に初ノミネート。その後も「ソーシャル・ネットワーク」(10)など名作を数多く発表し続けています。
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ダニエル・クレイグ(ミカエル役):007シリーズで21作目から25作目までボンドを演じた。近年の主な出演作に本作品「ドラゴン・タトゥーの女」(11)、「ローガン・ラッキー」(17)、「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」(19)などがあります。
なお、今年に公開を予定されているシリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で、自身にとって最後となるジェームズ・ボンド役は1年以上の上映延期となってます。
ルーニー・マーラ:リスペット役には、当初スカーレット・ヨハンソンやナタリー・ポートマンら名だたる女優が名乗りを上げたが、数百人のオーディションで前作『ソーシャル・ネットワーク』でも起用したマーラに託されたという。『ソーシャル・ネットワーク』の女子大生役からは想像すらできない本作映画のリスペットは壮絶な過去の経験を持つ、天才ハッカーの雑誌の調査員役をモノの見事にこなし、その強烈な存在感を表現しています。
更に、スパイク・ジョーンズ監督の「her 世界でひとつの彼女」(ともに13)で活躍しています。
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『ドラゴン・タトゥーの女』のネタバレ感想
スウェーデンの大富豪一族に関連する40年前の少女の失踪事件の調査依頼を受けたミカエルは助手のリスペットと共に真相解明するうちに、一族の一員から命を狙われる事になります。事件は何件もの猟奇的な殺人も絡んでくる恐ろしい不気味な事件との関連が徐々に暴かれていきます。
一方、ハッカーとしての能力がある調査員リスペットは精神障害、薬物障害で精神病院に入院した事もある壮絶な過去があり、いで立ち・無口な性格から周囲からも余り友好的な目で見られていない所があります。
また、彼女の黒いライダースーツ身を包み、オートバイを乗り回すシーンは迫力満点。華奢なからだ付きのリスペットですが、かなり激しいカーチェイスシーンは迫力満点で見応え十分。このシーンは実際何度も撮り直したそうです。監督自身インタビューで「納得行くまで何回撮り直したか数えていない」と語っている程執着したシーンだったようです。
原作は世界的なベストセラーで6500万冊も売り上げており、映画は既にスウェーデン映画版でわずか4年前に発表されたもののハリウッド・リメイク版となっています。ファンからはかなり期待が大きい分製作する側へのプレッシャーも相当大きかったと想像されます。本作品、期待以上の見応えのある映画に仕上げる監督の力量に驚かされました。
最後に
「シンドラーのリスト」(1997)でアカデミー賞脚本賞を受賞し、「マネーボール」などでも知られるスティーブン・ザイリアンが脚本を担当しています。フィンチャー監督も彼の脚本(中でも、主人公のジャーナリスト・ミカエルとヒロインのリスベットの2人の役柄、2人がお互いを高め合う関係性で、それぞれが変わっていくところに魅力を感じました)に惚れこんだことが、監督を引き受ける大きな要因と映画.COMのインタビューで語っています。
感想|『マネーボール』(2011/ベネット・ミラー監督)ブラッド・ピット主演。弱小球団を常勝球団に育てあげた実在の人物ビリー・ビーンの半生を描く。
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