『テルマ&ルイーズ』のあらすじと概要
アーカンソー州の小さな町で暮す、親友同士の平凡な専業主婦のテルマとウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)は羽を伸ばす為に週末のドライブ旅行に出発する。しかしその途中、夕食のために立ち寄ったバーで酔ったテルマ(ジーナ・デイビス)が、その店の店員に襲われるという事件が起きる。あわやレイプというところで、助けに入ったルイーズが男を拳銃で撃ち殺してしまう。この瞬間から、二人にとって思い出作りとなるはずだった終末旅行は一転して逃避行と化してしまった。ふたりの女性たちは逃避行を続けながらも、人生を謳歌していく。一方、州警察の刑事ハル達がふたりを追うが……。犯罪者となった女ふたりの冒険と友情を描くロードムービー。
しばしば「90年代の女性版」アメリカン・ニュー・シネマと評されており、また、ブラッド・ピットの出世作としても知られる。
『テルマ&ルイーズ』のスタッフとキャストについて
リドリ―・スコット監督:
1979年の監督作『エイリアン』の世界的大ヒット以降は、活動の拠点を米国に移す。
フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を映画化した『ブレードランナー』(1982)では、映像化は困難とされていた原作を卓越した手腕で描き、数多くのファンを獲得する。
監督作品投稿記事:
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スーザン・サランドン(ルイーズ):1980年に映画『アトランティック・シティ』で初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされると、順調にキャリアを積み重ね数多くの映画賞を受賞。1995年、『デッドマン・ウォーキング』でアカデミー主演女優賞を受賞し、俳優としての地位を不動のものとした。
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ジーナ・デイビス(テルマ):下着メーカーのカタログで彼女を見たシドニー・ポラック監督に抜擢され、1982年、『トッツィー』で映画デビュー。自分を家政婦同然に扱う夫のダリルから逃れるために週末の逃避行を計画したが、それがとんでもない結末を迎えてします。
ハーベイ・カイテル(義理人情に厚い刑事ハル):オフ・ブロードウェイでの経験を積む一方で、ニューヨーク大学の学生であったマーティン・スコセッシと知り合い、1967年、スコセッシの長編映画デビュー作品『ドアをノックするのは誰?』で映画デビューを果たしている。映画『タクシードライバー』で売春宿のポン引き役を演じて話題となった。
出演映画投稿記事:
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ブラッド・ピット(JD: ヒッチハイカー):彼は当時下積み生活を続けており、経済的に貧しかったがこの映画で注目され次々仕事が入った為、生活費の心配がなくなったという。彼の当時の出演料は推定わずか6000ドルと言われています。
本作品中では爽やかな大学生を装った好青年役で登場しますが、実は”強盗”というとんでもない役どころでした。テルマの人生を大きく狂わせる切っ掛けを作ってしまった人物でもあります。
『テルマ&ルイーズ』のネタバレ感想
(ネタバレあり)退屈な日常に別れを告げ、オープンカー1966年型フォード・サンダーバードに乗り、週末旅行に出発するシーンが実に印象的でした。この映画のもう一人の主役は間違いなくカッコ良い、淡いブルーのサンダーバードだと思います。逃避行するには目立ち過ぎの所はありますが、、、
事件の背景には男尊女卑的な因習の名残りが色濃くあった事が覗えます。あわやレイプされかかったテルマを救いますが、ひょっとした男の軽はずみな言葉により誤って射殺してしまいます。その場で、正直に正当防衛として自首できない原因がある事は、ストーリーの中で徐々に分かってきます。
この突発事件の解決策として彼女たちは、今までの日常生活を捨て、メキシコまで逃げる道を選ぶことになります。その途中で、盗まれた金を取り返す為、強盗をしたり、スピード違反取り締まりの警察官をトランクに押し込めして更に逃走を続けます。結果的に自らを「凶悪犯」にしたて、どんどん窮地に追い込んでしまうのですが、、、
とうとう、多くのパトカーに包囲され、逃げ場を失い自暴自棄で谷底目指して突進するという悲惨な結末が訪れます。
男運が悪いと言われればそれまでですが、自分らの命と引き換えにするまで、罪の深い犯罪を行った訳ではないので、映画を見終わって、やはりスカッとするどころか、最後までもやもやとした印象が残るとても哀しい作品です。理不尽な男性中心社会の犠牲者の立場を考えさせられる映画の一つとなっています。
やるせないストーリー展開とは別に、二人がテキサス州を避け、メキシコを目指したルートの自然の美しさに目を見張りました。映画の終盤で主役の2人が旅をするシーンの撮影はユタ州・デッドホース・ポイント州立公園で敢行されたそうです。アリゾナ州のグランドキャニオンにも似た素晴らしい景観は圧巻!
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