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映画『サンドラの週末』(感想)マリオン・コティヤールの圧巻の演技が見もののサスペンス!?

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『サンドラの週末』のあらすじと概要

David MarkによるPixabayからの画像

最高賞パルムドールを受賞した「ロゼッタ」「ある子供」など、カンヌ国際映画祭の常連として知られるベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が、オスカー女優のマリオン・コティヤールを主演に迎え女性の弱さ、強さ、繊細さを見事に描いた作品。

体調不良で休職していたサンドラ(マリオン・コティヤールが熱演)は、ようやく復職の目途が立つ。そんな矢先のある金曜日、会社が職員へのボーナス支給のために1人解雇しなくてはならず、サンドラを解雇すると通告してくる。しかしながら、同僚のとりなしで、16人の同僚のうち過半数が自らのボーナスを諦めること。ボーナスをとるか、サンドラをとるか、月曜日の再投票で最終決定されることになり、そこで、サンドラは家族に支えられながら、週末の二日間、同僚たち16名の説得に奔走することになります。

「想いを声に出さなければ誰にも届かない」シチュエーションの中、自分の存在価値を何度も疑いながらも自身を見つけ出す女性を主人公に据えた映画となっています。初めは泣いてばかりの気弱な女性として描かれていますが、職場の友人たちと触れ合う間に彼女なりの心の整理が付き、最後に何となく踏ん切りがついて行き、力強さを身に付けていく様子が丹念に描かれている映画となっています。

2014年製作/95分/ベルギー・フランス・イタリア合作
原題:Deux jours, une nuit

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家族を想うとき 映画 ケン・ローチ監督作品 英労働者階級,現実社会の衝撃的な真実を描写 レビュー

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『サンドラの週末』のスタッフとキャストについて

NakNakNakによるPixabayからの画像

リュック・ダルデンヌ、ジャン=ピエール・ダルデンヌ兄弟監督:ベルギーのリエージュ近郊出身。労働者階級の生活を実地に経験しつつ、1974年から社会問題をテーマに据えたドキュメンタリー作品を制作。尚、出身地リエージュは工業地帯であり、労働闘争のメッカ。

マリオン・コティヤール(サンドラ):1975年生まれ、フランス・パリ出身。リュック・ベッソン製作「TAXi」(98)で注目を浴び、ティム・バートン監督作「ビッグ・フィッシュ」(03)でアメリカに進出。伝記映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(07)でアカデミー主演女優賞など数多くの賞を受賞した。

本作品では、飲食店で働く夫のマニュとふたりの小さな子どもとともに暮らし、ソーラーパネル工場で働いているが、体調不調で療養後、解雇されると告げられるが、、、

映画感想|『エディット・ピアフ 愛の讃歌』(2007/オリビエ・ダアン監督)マリオン・コティヤール主演

映画感想|『プロヴァンスの贈り物』(2006/リドリ―・スコット監督)ラッセル・クロウ、マリオン・コティヤール出演

映画|『ビッグ・フィッシュ』(2003/ティム・バートン監督)ユアン・マクレガー主演大人向けファンタジー映画

ファブリツィオ・ロンジョーネ(マニュ・サンドラの夫):ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の作品には欠かせぬ演技者らしい。サンドラの良き理解者、心優しい夫。サンドラが諦めかけるたびにやさしくたしなめ、根気強く勇気を与え続ける。

『サンドラの週末』のネタバレ感想

2427999によるPixabayからの画像

(ネタバレ有り)サンドラが何度も自信を失いながらも最後の最後に”勝ち”を獲得するシーンに大変気が晴れました。

ヨーロッパを初め全世界のどこの国にも存在する労働問題、今回は一人の女性を巡る解雇問題でした。職場の同僚にボーナスを諦め彼女の解雇を取りやめる方を選ぶか、彼女の解雇に賛成し、予定通りのボーナスの支給を受けるかの投票を迫るものです。そもそもこんな決定を職場の同僚の投票(無記名とはいえ)で決めさせて良いのかという単純な疑問が湧きますが、ひとまずそれはおいて置き、彼女は週末の2日間で職場の同僚16名の家々を回って、月曜日の投票では彼女が職場に残れるよう(ボーナス支給は諦めて)お願いして回ります。

サンドラの病気療養休暇中16名の社員で会社の業務は支障が無かったので、彼女無しでも問題無い、彼女は会社に存在する必要が無いとも言えるという点が、彼女の引け目の一つとなっています。

しかしながら、サンドラの努力で8名の賛同者を獲得することが出来ます。残りの8名はどうしてもボーナスが必要であるなどの家庭の事情があり、彼女の残留よりもお金に固執します。彼女は彼女への投票を断ると同僚に言われても、執拗に食い下がって、失業してしまったらどんなに大変かを説明して、どうしても会社に残りたいという訴え掛けをする事は一切ありません。同僚の意思が確認できたら潔く引き下がっています。

二日間、遮二無二行動するばかりではなく、サンドラは日の明るい内から不貞腐れて寝てしまったり、優しく見守り支援する夫に八つ当たりしたり、大量の薬を飲んで救急車で病院に運ばれるなど、自分の弱い面を包み隠さずさらけ出しているところが、本作品の非常に興味深い所です。

そんな弱い人間であるにも関わらず、ひとりひとり増える賛同者の意思の表明が、彼女を徐々に勇気づけていくことが分かります。勿論、100%の人が味方になる必要はないのかもしれませんが、最終的には目標の「過半数」には及ばなかったものの、16名中8名の賛同を得たことが彼女に大きな自信を持たせたことは確かだと思います。

ラストでどんでん返しとも言える彼女の最後の強烈な「宣言」はかなりカッコ良いと思いました。

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