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映画『君と歩く世界』(2012/ジャック・オーディアール監督)感想➢絶望の深淵からの再生、それは「友情」「愛情」と共に南フランスの「陽光」!

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『君と歩く世界』のあらすじと概要

zzzlllpppによるPixabayからの画像

舞台は南フランスアンティ―ブ。事故で両脚を失い絶望した女性が、ひとりの男性との出会いを経て再び人生に希望を見出していく姿を描いた人間ドラマ。主演マリオン・コティヤールが難役に挑んだ同作は、ゴールデングローブ賞2部門ノミネートのほか、カンヌ国際映画際、英国アカデミー賞ほか世界各国の映画賞で絶賛された。

主演は07年に「エディット・ピアフ 愛の讃歌」で、フランス人女優としては49年ぶりのアカデミー主演女優賞受賞という快挙を達成したオスカー女優マリオン・コティヤール。監督はカンヌ国際映画際、セザール賞の常連で、名実ともにフランスを代表する名監督、「真夜中のピアニスト」「預言者」のジャック・オーディアール。

南仏アンティーブの観光名所マリンランドでシャチの調教師として働く女性ステファニー(マリオン・コティヤール)は、事故で両脚を失う大怪我を負い、失意のどん底に沈む。そんなある時、5歳の息子をひとりで育てているシングルファーザーのアリ(マティアス・スーナールツ)と出会い、不器用だが真っ直ぐなアリの優しさに触れたステファニーは、いつしか自分自身を取り戻し、再び生きる喜びを持つようになる心の変遷を描く。

『君と歩く世界』のスタッフとキャストについて

misslaetiによるPixabayからの画像

ジャック・オーディアール監督・脚本:1952年生まれ、パリ出身。初長編監督作「天使が隣で眠る夜」(94)でセザール賞の新人監督賞を受賞、続く「つつましき詐欺師」(96・日本劇場未公開)でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞している。犯罪に生きる男たちの姿をとらえたフィルム・ノワールで知られる映画監督ですが、残念ながら他作品をわたしはまで観賞していません。

マリオン・コティヤール(ステファニー):「身体の一部を失った患者へ徹底してリサーチした」というコティヤール、“足を消す”というCG効果とも相まって、壮絶な現実感を観客は実感させられます。感情の起伏、絶望から新たな希望への心の動きなどの演技は素晴らしい。

本作品出演について、「私が役を決める際に重要なのは、“今までにやったことがない”ということ。彼女はとても稀な境遇に陥る女性ですし、謎めいた部分にとても惹かれたから、ぜひ演じてみたいと思いました」と映画COM.インタビューで語っています。なお、しばらくハリウッド映画に出演しており、久しぶりに本国フランスに戻り、撮った作品だそうです。なんとなく生き生きした感じが際立っている様な印象があります。

出演映画投稿記事:

映画感想|『エディット・ピアフ 愛の讃歌』(2007/オリビエ・ダアン監督)マリオン・コティヤール主演

映画感想|『プロヴァンスの贈り物』(2006/リドリ―・スコット監督)ラッセル・クロウ、マリオン・コティヤール出演

映画感想|『ミッドナイト・イン・パリ』(2011/ウッディ・アレン監督)

マティアス・スーナールツ(アリ):1977年生まれ、ベルギー・アントワープ出身。父ジュリアン・スーナールツが出演する舞台「星の王子さま」で子役として活動を始め、「Daens(原題)」(92)でスクリーンデビュー。本作品では、警備員として働く格闘家役。粗野ながらも、優しさにあふれ、息子をひとりで育てなければならないプレッシャーにも苛まれる役どころを熱演している。

『君と歩く世界』のネタバレ感想

Jane & Tony AckerleyによるPixabayからの画像

25才のシングルファーザーのアリの第一印象は随分図々しい若者だなというものでした。また、大怪我をする前と後で、ステファニーと接する態度を余り変えていないところが鈍感なのか、達観しているのか我々凡人には真似のできないところです。海岸のカフェではステファニーを一人ぼっちにして、ひとりで勝手に海に泳ぎに行ってしまいます。また、ダンスホールではまたも彼女をひとり残して、他の若い女性と一緒に店を出て行ってしまいます。通常の神経でこんな事ができるのかなぁと心配になります。

しかしながら、そんなことはステファニーに取っては全く問題にはならない様でした。普通の女性とまったく同じ様に接してくれること、『同情』『哀れみ』などとは一切無縁な接し方をしてくれる男性がいることで、ステファニーの閉ざされた心は徐々に開放されていく様子がわかります。

やはり両脚を失うという絶望の深淵に突き落とされながらも、再生出来たのは「友情」「愛情」と共にやはり南フランスの環境「陽光」の力も大きい様な気がしました。

また、荒くれアリがボクシングとはもはや言えないような賭け試合で小遣いを稼いでいますが、こんなシーンからも彼女は「生きる喜び」を得る事が出来るのかどうかは最後に少し疑問に思いました。

 

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