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甘粛省敦煌 月牙泉のほとりのうたた寝 旅の思い出

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旅の随筆
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敦煌付近の古い遺跡 西千仏洞?
敦煌の町の田園風景のあるか彼方に鳴沙山と思われる山容が出現する
鳴沙山を登る
月牙泉と集落
エメラルドグリーンの月牙泉
莫高窟 世界文化遺産に1987年に登録されている
当時はバリバリの現役で活躍していました
旅回りのサーカス団 ネットも命綱も見当たりません!
幼い姉妹

1980年代後半に私はウイグル自治区のウルムチ、カシュガル、トルファンは既に訪問していました。今回別の機会に甘粛省敦煌、嘉峪関を訪問しました。

 

敦煌については中学時代、井上靖の小説「敦煌」「蒼き狼」などを良く読んだ事があり、中国の地名のなかでは、北京、上海と同じく強く印象に残っていました。「敦煌」という地名の響きに強い憧れとロマンを感じていました。

 

この小説を読んだ方は多いと思われます。北宋の時代、科挙の最終面接試験の待ち時間に居眠りをして試験に落ちた主人公が、途方に暮れて彷徨よい歩くうちに偶然ある事から、西域に有った未知の国家「西夏」の文字を見掛け、自分の国家以外に別の文明国が有る事を知り、びっくり仰天します。それをきっかけに西域へと旅立つ物語です。そして、わたしも小説を読んでから15年目に漸く憧れの敦煌を訪問する機会を得て本当に感激しました。

 

北京から西安経由嘉峪関・敦煌の順で訪れました。西安駅へは北京からの夜行電車に乗り、西安駅に早朝降り立ちました。ホームでは洗面器に沸かしたお湯を溜めて顔を洗えるような、他駅では余り見かけないサービスの提供がありました。他の客も何人か利用していたので、1元位を払い、顔を洗う事にしました。洗面器の台には顔を拭く乾いたタオルもぶら下げられていましたが、雑巾のような色をした良く使い込まれている感じの手拭いでした。この「雑巾」で顔と手の水を拭い、さっぱりし改札口に向かおうとしました。

 

ところが、ホームには列車から降りた他の乗客は既に一人も見当たらなくなっていました。普段はかなり悠長に歩いている中国人乗客も以外と足早にホームからいなくなるので少々驚きました。

 

広い駅などで改札口が分からず途方に暮れ「洗面器」係のおじさんに「出口はどっちだ?」と聞いても、わたしの「出口」という北京語の発音が全く通ぜず、たいへん苦労しました。そのうち、なんとか「出口はあっちだ」と教えられ漸く駅の改札口から出る事が出来ました。わたしの西安の第一印象は洗面器のお湯のサービス、汚い手拭いと通じない「出口」です。

 

西安を一通り見て回ってしまうと、次の目的地敦煌まではまだかなりの距離がありました。列車で多分20時間以上掛かったと思います。

 

わたしが訪問した80年代の敦煌の町は、既に人も多く住んでおり、予想以上に大きな町だったという印象がありました。莫高窟行のミニバスが運行されていたので乗り込み、砂漠の道を進みました。

 

中国三大石窟のひとつ莫高窟は黄色っぽい、非常に木目細かい砂に覆われた砂漠の中に忽然と現れてきました。砂漠の中の岩山をくり抜いて掘られたたくさんある洞窟一つ一つの内部に仏像が彫られ、極彩色に彩色され生き生きと描かれていました。乾燥した砂に埋もれていた事から腐食されることなく保存状態が良ったと聞きました。日本の飛鳥、天平美術との共通性がはっきり見て取れる仏教画の傑作にしばし見惚れました。砂漠の大画廊といわれています。

 

近くに鳴沙山という小高い丘があり、その麓に月牙泉という池があります。この砂漠の中の泉はとても小さく、水の成分のせいで美しいコバルトブルーでとても奇麗な色をしてました。

 

砂漠の中の泉は、不思議な事に未だかつて泉は枯れたことが無いと言われています。生えていた数本の小さな樹木の木陰に、気持ちの良い風が吹いていたので、旅の疲れがでたのか、不覚にも旅行カバンを

枕にうとうととほんの短い時間居眠りをしてしまいました。

 

中国で見る夢らしく「邯鄲の夢」の様な一生の栄華盛衰を経験する夢でも見られたら良かったのですが、残念ながらありきたりの短い、ただの居眠りで何の夢も見ることはありませんでした。

 

古来この泉の木陰で一体何人の人がうたた寝をしてきたのだろうかと想像しました。それ程、気持ちの良い場所なので、多くの方に是非尋ねて欲しい所だと思います。きっといい夢が見られるかもしれません…

 

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