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楽山大佛・峨眉山観光 中国四川の思い出

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旅の随筆
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楽山大佛 全容は映し切れません
「大佛禅院」の立派な食堂 けんちん汁を振る舞われる、
「大佛禅院」寺内の噴水・何となくユーモラスな「釈迦立像」
黄金の四面十方普賢金像
金頂(華厳寺)標高3099㍍

何度見ても楽山大仏の巨大さに驚きます。下の川まで下り、船に乗り少し岸から離れて、見上げれば全体像を把握することが出来ます。しかしながら、山の上からは、いつもその頭しか見られないという巨大さには唖然とさせられます。

高さは71㍍です。これは奈良東大寺の大仏の5倍の高さです。誰がこれほど大きな大仏を彫ろうと考えたのか、本当に驚きます。

楽山大仏は岷江、大渡河、青衣江の合流地点にあり、洪水などの被害を抑えることを祈願する目的で、90年もの年月を掛けて、凌雲寺の近くにあった崖に仏像が彫られたものです。803年に完成した磨崖仏で、既に1,200年以上もこの地に佇んでいるその古さにも驚きます。

他の仏像に比較して、顔の表情は荘厳さというよりはユーモラス感を漂わせています。なによりも一人の僧が90年もの心血を注いだ労作であり、一見の価値はあります。

なお、当地を訪れる際は、楽山名物“跷脚牛肉” (qiáojiǎo niúròu)という庶民料理は見逃せません。牛肉のあらゆる内臓の部位を煮たもので、あっさりしたスープに浸し、四川特有の唐辛子、山椒、ナッツ、塩などのスパイシーなタレに付けて食べるこの地域の伝統料理だそうです。

一般のバスツアーでは普通の料理ばかりで(しかし、予想以上にいつもたいへん美味しい)、余り名物料理を提供する事はありませんが、今回は特別な趣向で、ツアーの昼食に珍しく「跷脚牛肉」が大皿で提供されました。

楽山観光の後に、その日の宿泊施設にほど近い「大佛禅院」(世界最大の寺院と名打ってました)に立ち寄りました。この寺の食堂で 「けんちん汁」をご馳走になりました。味も見掛けも、日本のけんちん汁にそっくりで、薄い塩味のスープの中に野菜、イモ、ごぼうの滋味溢れる料理でした。お代わり自由でした。寺では「何汁」として提供されているのかは、うっかり聞き逃しましてしまいました。

2杯目もゆっくりご馳走になり、帰ろうと食堂の出口に向かい、ふと後ろを振り返ると、後方の席に、食堂に入る時にまだ一人もいなかった、禿頭の若い僧侶が、数十名いつの間にか現れ、整然と腰かけ、わたし達と同じ「けんちん汁」を黙々と食べているではありませんか。

すっかり観光客饗応用のけんちん汁とばかり思っていましたが、修行僧も同じものを、同じ食堂で食べていることに少々驚きました。もしかすると彼らの夕飯は「けんちん汁」だけなのかもしれません。

日本で食べている「けんちん汁」のルーツは四川省、この辺りのお寺であるのではないかと考えました。

後に、けんちん汁の由来を調べて見ましたが、鎌倉建長寺の修行僧が作ったので「建長汁」がなまって「けんちん汁」になったとか、普茶料理(中国から伝わった禅寺の精進料理)の巻繊(ケンチャン)が日本化して、漢字で「巻繊汁」となったなどの説がある様です。

いずれにしろ、禅宗のお寺ではごく一般的な料理であることがわかりました。禅と「けんちん汁」の意外な結びつきがあったようです。

翌朝は御来光を拝む為、夜明け前の真っ暗なうちにホテルを出発し、峨眉山に向かいました。早起きした甲斐もあり、見事な日の出と雲海を眺める事が出来ました。

山は普賢菩薩の霊山であり、普賢菩薩の使いである白い象の像があちこちに置かれているのが印象的です。頂上に近づくと真っ先に目に入ってくるのが黄金に輝く眩い四面十方普賢金像です。その後ろには、これまた黄金に光り輝く金頂の建物です。標高3,000㍍を超える山の上にこれほど大規模な黄金の像と荘厳な建物を建設するところが、全く日本人には理解出来ません。

まるで、富士山の山頂に奈良東大寺仏殿が建てられているようなものです。

頂上には一時間以上は留まり、雲海を眺め、金ぴかの像や金頂にため息をつき、金頂堂内を参観して過ごしました。雲海に囲まれた山頂が島の様に浮かび、現世と違う異次元を彷徨う感じがしました。

頂上の金頂参拝に十分な時間を費やした後、下山は途中までロープウェイを利用し、途中からは徒歩で下山しました。山中の幾つもある寺報国寺、万年寺などを参観しながらゆっくりと下山してきます。

途中、天然の猿が多数棲息する生態猿棲息地区を通過しました。人気スポットらしく、ほとんどの観光ツアールートに組み込まれていました。谷川沿いの遊歩道をしばらく登って行き、見られたのは対岸の崖に生息する野生の猿2,3匹だけだったので多少がっかりしました。

ガイドからは峨眉山の野生の猿は大変凶暴で観光客の携帯電話や手持ちの食料を奪ったりするので注意したほうが良い散々脅されていました。

また、万一猿に持ち物を奪われた際、損害賠償求償の為「猿保険!」への加入を勧められました。

また、リュックは背中に背負うと猿に引っ張られるので、手前に持って腹に抱え込めとのアドバイスも受けました。しかしリュックを腹に抱え込んだ状態で石段を下ると、急な坂道では足許が全く見えなくなり、却って危険なのでこれは止めた方が無難です。

 

楽山・峨眉山の記事はこちら⇩

世界遺産 四川省 峨眉山と楽山大佛 現地観光バスツアー

 

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