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おすすめ映画『アモーレス・ペロス』(2000/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)感想‣同じ交通事故の現場に居合わせた境遇の異なる男女3人の愛の苦悩を、オムニバス風に描出

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『アモーレス・ペロス』のあらすじ概要

Jan HaererによるPixabayからの画像

メキシコの鬼才アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの長編監督デビュー作。

メキシコシティーを舞台に、ひとつの交通事故を軸に交錯する3人の男女の愛の悲劇を3部構成で描く。ダウンタウンで暮らす青年オクタビオは、家族と一緒に住む家の中で、兄ラミロの妻スサナを愛し、悩み続けています。ラミロは真面目にスーパーで働いていますが、遊ぶ金欲しさに強盗を重ね、スサナにつらく当たっています。オクタビオはスサナを救い出すため、愛犬を闘犬に仕立て、ぼろ儲けした賞金を貯めて彼女と駆け落ちしようと準備をしています。

一方、誰もが顔を知る売れっ子、スペインからやって来た人気モデルのバレリアは妻子のある雑誌編集長ダニエルと不倫しています。ダニエルは妻との別居を決意し、2人はバレリアの愛犬とともに新しく購入したマンションで幸せな同棲生活を始めたばかりですが、バレリアは交通事故に遭い脚に重傷を負ってしまいます。また、愛犬もリビングの床の穴に落ちてしまい、姿が見えなくなってしまいます。

元大学教授の殺し屋エル・チーボは、廃墟のような家でたくさんの犬に囲まれて暮らしながら、リヤカーを引きながらごみ収集の仕事をしている。彼は殺しの標的を尾行する一方で、かつて捨てた自分の娘マルの後を追い、家に忍び込む。それぞれ三者三様、決して満たされない愛に悩まされながらドロ臭く、ずる賢く生きる道を選ぶ姿をリアルに描出している。

オクタビオ役のガエル・ガルシア・ベルナルは本作が初の長編映画にして”傑作”との呼び声も…

カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリや、東京国際映画祭のグランプリを受賞するなど、国際的に高い評価を得ている。

2000年製作/153分/メキシコ
原題:Amores Perros

『アモーレス・ペロス』のスタッフとキャストについて

Eugenio OcañaによるPixabayからの画像

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督:1963年、メキシコ・シティで生まれ。中流階級の家庭で育つ。その後、イベロアメリカーナ大学へ進学。ここで後に脚本家としてイニャリトゥの作品に参加するギジェルモ・アリアガと知り合う。

2019年、第72回カンヌ国際映画祭審査委員長に就任している。

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エミリオ・エチェバリア

ガエル・ガルシア・ベルナル: 1978年、メキシコ/グアダラハラ生まれ。本作品が映画デビュー作となる。続いて、「天国の口、終りの楽園。」(01で、共演のディエゴ・ルナとともにベネチア国際映画祭の新人俳優賞を受賞し、世界的に脚光を浴びる。その後も、「モーターサイクル・ダイアリーズ」(03)や、「バッド・エデュケーション」(04)、「バベル」(06)などの話題作に出演し、メキシコを代表するスター俳優に。

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『アモーレス・ペロス』のネタバレ感想

Jan HaererによるPixabayからの画像

全く脈絡のない3つのストーリーが独立して展開します。交通事故と犬を通じ、ひょっとした因縁により3つの人生が結びつきます。それぞれの人生の節目となるような大きな事件でした。映画作りの妙味を教えてくれた様な気がします。擦れ違う人にも、人それぞれ別々の濃密な人生があるという事、当たり前のことながら改めて気付かされました。

メキシコシティーの生活は驚きの連続。大金を掛ける闘犬では片方の犬が死ぬまで戦わせていましたが、これにはさすがにびっくり仰天しました。昼間はスーパーのレジで真面目に働いている青年も「アルバイト」感覚で、商店に押し入り強盗して小遣い稼ぎをしています。これは日常茶飯事の出来事なんでしょうか…

命を救ってやった黒犬は飼い主が元から飼っていた他の飼い犬をすべて噛み殺してしまうという粗暴な犬でした。こんな恩知らずな犬が実際にいるのでしょうか? 見るもの聞くもの驚きの連続でした。これが「メキシコ」の超リアルな現実のありのままの姿に近いかどうか良く分かりません。

但し、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の類まれな人間描写力の凄まじさは十分伝わってくる作品でした。

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