『恋におちたシェイクスピア』のあらすじと概要
16世紀末のロンドン、ペストが蔓延し劇場の閉鎖が相次ぐロンドン。人気劇作家シェイクスピアは漸く長いスランプから抜け出そうとしていました。ある日、彼の新作のオーディションにトマスと名乗る若者がやって来ました。実はトマスは、裕福な商人の芝居好きな娘ヴァイオラが女人禁制の舞台に立つために男装した姿だったのです。逃げるように去ったトマスの後を必死に追って商人の屋敷に潜り込んだシェイクスピアは、そこでヴァイオラと出会い恋に落ちます…
しかし彼女には既に、親によって定められた貧乏貴族の婚約者がいました。燃え上がる恋心に創作意欲を刺激され、新作「ロミオとジュリエット」を書き上げていくシェイクスピアでしたが…
主演は「エリザベス」のジョセフ・ファインズ。本作品は第71回アカデミー賞で作品賞など7部門を受賞し、ヴァイオラ役のグウィネス・パルトロウが主演女優賞、エリザベス女王役のジュディ・デンチが助演女優賞に輝いています。
原題:Shakespeare in Love
『恋におちたシェイクスピア』のスタッフとキャストについて
ジョン・マッデン監督:イギリス/ハンプシャー州ポーツマス出身。新作『オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体』が今月18日公開が予定されています。
ジョセフ・ファインズ(ウィリアム・シェイクスピア):6人兄弟の末っ子、レイフ・ファインズは実兄。1996年に『魅せられて』で映画デビュー。1998年公開の『エリザベス』と本作品『恋におちたシェイクスピア』で国際的に知られるようになる。
グウィネス・パルトロウ(ヴァイオラ):映画「セブン」(95)では、共演したブラッド・ピットとの交際も含めて注目を浴びた。マーベル映画「アイアンマン」シリーズ(08~13)にも出演。
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ジュディ・デンチ〈エリザベス女王):「The Third Secret」(64)でスクリーンデビュー。「眺めのいい部屋」(86)や「ヘンリー五世」(89)など古典劇から現代劇までこなす実力派。
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コリン・ファース(ウェセックス卿、シャイクスピアの恋敵):イギリス/ハンプシャー州出身。95年のTVミニシリーズ「高慢と偏見」でブレイクし、英国アカデミー(BAFTA)賞のTV部門にノミネートされた。
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ベン・アフレック(ネッド・アレン):米カリフォルニア州生まれ、マサチューセッツ州ボストン育ち。
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『恋におちたシェイクスピア』のネタバレ感想
虚実入り混じった歴史ドラマとして非常に興味深く見る事が出来ました。思い出すのは1968年のオリビア・ハッセー主演映画『ロミオとジュリエット』です。音楽といい、ストーリー展開の悲劇性に涙し、随分感激して見たのを覚えています。本作品『恋に落ちたシェイクスピア』でシェイクスピアとヴァイオラが恋に落ちますが、その恋の行方とシェイクスピアが執筆し、初演を飾る『ロミオとジュリエット』の演劇が絡み合い同時進行して行きます。この脚本の妙、上手く考えられたストーリー展開の素晴らしさに本当に驚かされました。
また、ヴァイオラを演じる魅力的なグウィネス・パルトロウの演技も大変素晴らしく、アカデミー主演女優賞受賞というのも十分納得のいくものです。一瞬ミア・ワシコウスカじゃないのかと勘違いしました。更に兄レイフに少しも似ていないジョセフ・ファインズの熱演も光りました。彼は何となく歌手故プリンスによく似てるなぁと思いました。
当時の劇場のつくりは役者と観客の距離が異常に近く、最前列の席でかぶりつきで見入っている客の姿も何人も見えました。これは観客席の反応がそのまま舞台にも伝わって来るし、客席からは役者の一挙手一頭足手に取るように見え、臨場感がそのまま伝わって来るようでした。現在の音楽ライブステージの様な雰囲気だったのかもしれません。(蛇足乍ら以前観た北京での本場の『京劇』も舞台と観客席の近さに驚いたものです…役者が飛び上がって立てるホコリ=黄砂が客席まで漂う…)
「卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、もっとも優れた英文学の作家」とも言われているシェイクスピアですが、やはりそれなりの様々な人生経験が無ければ、あれほどの優れた戯曲の数々を描き上げる事は当然出来なかったであろうと思われます。
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