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動画配信中 新作映画感想【父さんのバイオリン】(2022/アンダチ・ハズネダロール監督)希少なトルコ映画、素晴らしい感動作!

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【父さんのバイオリン】のあらすじと概要

Netflix動画配信で視聴。たった一人の家族である父親を病気で亡くした8才の少女は、養護施設に引き取られるはずでした。しかし、死期を間近にした父親は、以前から長い間疎遠だった名バイオリニストの叔父(弟)メフメトのもとへ会いに出掛け、一人娘の存在を知らせていました。

父の死後、まったく孤立無援で身寄りの無い姪っ子を引き取ることを当初はメフメトは嫌がっていましたが、人情味のある妻の助言を聞き入れ、家に渋々引き取り育てる事になりました。やがて、孤独感を抱えた叔父と純真な心を持つ姪っ子の2人は互いの悲しみと音楽への愛を分かち合い、次第に離れていた心にきずなが芽生え始めることになります。それはバイオリニスト自身をも大きく成長させることにもなっていきました。

見慣れたアメリカやヨーロッパ映画とはまったく雰囲気の異なるトルコ映画です。また、随所で演奏されるバイオリン音楽も曲名等など全く知らないのですが、聞覚えのある名曲もありました。各シーンの雰囲気に見事にマッチした曲の数々、とても気持ちの良い音楽が奏でられていました。

原題:My Father’s Violin

”叔父さん”と少女の”ほのぼの”した同居生活をテーマに描いた感動作は大変多いですが、代表的な三作品➢

おすすめ映画|『レオン』(1994/リュック・ベッソン監督)孤独な殺し屋と麻薬密売組織に家族を殺された少女との交流と壮絶な復讐劇

おすすめ映画|『アマンダと僕』(2017/仏 ミカエル・アース監督)

おすすめ映画|『gifted ギフテッド』(2017/マーク・ウェブ監督)天才子役が数学の天才児役を演じる

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【父さんのバイオリン】のスタッフとキャストについて

アンダチ・ハズネダロール監督

エンジン・アルタン・ドゥズィヤタン(叔父メフメト、著名なバイオリニスト)

ベルチム・ビルギン(メフメトの妻スナ、夫婦の仲違いで家でしてしまう)

ギュリザル・ニサ・ウライ(少女オズレム、無邪気でとても明るい聡明な子供)

セリム・エルドアン(父 アリ・アザ、病死する)

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【父さんのバイオリン】のネタバレ感想

血の繋がりはあるとは言え、ずっと疎遠だった姪っ子ををいきなり引き取って育てるという事は簡単には出来る事ではないかも知れません。しかしながら、オズレムは非常に素直で純情な可愛らしい女の児でした。叔父メフメトは経済的にまったく問題はなかったのですが、(結婚はしていたものの、音楽中心の孤独な生活を長い間送っていた為)新たな「家族」を迎え入れる自信が全く無かったのかも知れません。

暫くオズレムと暮らしながらも、二人の夫婦生活に愛想をつかした妻スナは突如家出をしてしまいます。

そうこうするうちに、やはりメフメトはオズレムを一度養護施設に送り返す決断をします。しかし最終的にオズレムの純真な寝顔を見ると情が湧き、再び自宅に連れ帰ってしまいます。少し位自分の時間を犠牲にしてもオズレムの為に時間を作ろうという気になってきました。一方、本業である音楽の現場では、仲間からは「音楽に感情が感じられない」など評されることもありました。

オズレムと一緒に暮らす事でメフメトの生活も一変していきます。且つてオズレムの父親の仲間だった街の演奏家たちに交じって街中で一緒に楽しく演奏する機会などもありました。(多分街中で演奏してお金を集める事は違法なのだろうと思われます)また、オズレムの感情のこもったバイオリンの演奏に、技巧はともかく、叔父が思わず感動し感極まる場面もありました。

バイオリニストの叔父が少女オズレムの存在に触発され、より人間的に大きく成長していく様子が実に見事に描かれていました。

似たようなテーマの映画は欧米系の映画でも名作が多いのですが、トルコ映画で撮るとこうなるのかと思うところがあるのかと言われれば、正直言ってトルコ映画ならではの展開/感情の移り変わりというものは薄く、普遍的な内容と言っていいのかも知れません。少女オズレムは幼くして両親を亡くし、非常に不幸ではありますが、明るく逞しい子供で悲壮感が全く感じさせないところが実にいいと思いました。また、視聴者の目はオズレムに集中しがちですが、本作品が描こうとしたのはバイオリニストの心の成長の方に重点が置かれていることに後々気付く事になります。

見慣れないボスボラス海峡を背景にした丘の上からの映像、イスタンブールの古い町並みの住宅街の景観など”異国情緒”たっぷりで見ていて楽しい場面もふんだんに盛り込まれており美しい映像で楽しませてくれました。見逃せない一作かと思います。

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