>

封鎖的な30年代のアメリカ南部の田舎町で、因習に逆らい大胆に生きる女性像が描かれる映画『フライド・グリーン・トマト』【感想】

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
mollyroseleeによるPixabayからの画像
スポンサーリンク

『フライド・グリーン・トマト』のあらすじ・概要

封鎖的な因習の残る20~50年代のアラバマ州、フライド・グリーン・トマトを名物料理に賑わうカフェ「ホイッスル・ストップ・カフェ」を経営する2人の女性の出来事を、現代のジョージア州の老人ホームで、老女が中年女性に40年も前の昔話を語って聞かせるという形で描く人間ドラマが展開されます。

ジョージア州に住むエヴリンは、中年の危機と人生の虚しさに襲われ、毎日を味気なく過ごす40代の主婦エヴリンは、夫と2人暮らしの退屈した日々を送っていました。ある日ボランティアで通った施設で80才を過ぎてもなお快活でポジティヴに生きる老女ニニーと出会います。エヴリンの夫は仕事と野球のことしか頭になく、日常生活に寂しさを感じていた彼女は、興味を持ったニニーの話を聞く為、何度も施設に通い詰め、彼女の話の女性イジ―に魅かれて行きます。やがて、徐々に自分の人生の生きる意味を取り戻していくことになります。

「フライド・グリーン・トマト」というのはカフェの名物料理のことで、緑のトマトをスライスし、衣をつけてフライパンで揚げたもの。

1991年製作/アメリカ

原題:Fried Green Tomatoes

『フライド・グリーン・トマト』の監督とキャストについて

ジョン・アブネット監督:米ニューヨーク・ブルックリン出身。本作『フライド・グリーン・トマト』で長編映画監督デビューを果たしています。『ブラック・スワン』(2010年) では 製作総指揮を担当。

キャッシ―・ベイツ(エヴリン・カウチ):1948年生まれ、テネシー州メンフィス出身。1990年公開の『ミザリー』でアカデミー主演女優賞を受賞しています/本作品では更年期を迎えた中年女性役を好演、偶然養護施設で知り合った老女二二―の話を聞く内に、人生へポジティブな考えを持つ様になって行く。

仕事一筋だった男が定年退職後、真剣に”第二の人生”に向き合う。映画『アバウト・シュミット』ジャック・ニコルソン主演。他人事とは思えません!

おすすめ映画|名作『タイタニック』(1997/ジェームズ・キャメロン監督・脚本)

ジェシカ・タンディ(ニニー・スレッドグッド):イギリス出身。1989年『ドライビング Miss デイジー』で80歳という最高齢でアカデミー主演女優賞を獲得しています。また、本作『フライド・グリーン・トマト』ではアカデミー助演女優賞にノミネートされるなど80代以降でも活躍しています。

メアリー・スチュアート・マスターソン(イジー・スレッドグッド):7歳の時に映画『ステップフォードの妻たち』でデビュー/ボーイッシュで少し風替わりな女性役、大好きだった兄を事故で失った為、すっかり心を閉ざしてしまいます。                               

 メアリー=ルイーズ・パーカー(ルース・ジェイミソン):サウスカロライナ州フォートジャクソン生まれ。02年、ブロードウェイで上演された「Proof」でトニー賞を受賞しています。

おすすめ映画感想|『レッド・スパロー』(2018/フランシス・ローレンス監督)ジェニファー・ローレンス主演

『フライド・グリーン・トマト』のネタバレ感想

ネタバレ有り。封鎖的な30年代の南部の田舎町で、因習に逆らい大胆に生きる女性像が描かれています。老女ニニーの語る話は快活に生きたイジ―の人生を語っていますが、その中での大事件、ルースの元夫フランクの失踪事件の真相が明らかになる部分が極め付けだと思います。本編の後半にその事件は一体何が起こったのか明らかになります。

(以下の部分はミステリー映画的な部分なのでで、本作品をご覧になっていない方は本作品を見てから以下を是非ご覧頂きたいと思います)

元夫フランクは”正当防衛”でイジ―の店で下働きをしている女性によってフライパンでの口頭部への一撃で殺されてしまいました。この事から、題名の「フライド・グリーン・トマト」の意味が重みを持って来ることになります。正に看板メニューの「フライド・グリーン・トマト」を毎日作っている頑丈なフライパンが凶器になっていました。更に驚くべき事に、この店のもう一つの人気メニューのポークステーキの代わりに”他の肉”が提供された思わせぶりなセリフもありました。ちょっと信じ難いし、非常に気持ちの悪い話です。その後、「バーベキューソース味が決めた手だ」などという会話がなされていました。(これは意味不明でした)さらに、追い打ちを掛けるように、殺人事件の疑いがある為に店に捜査にやって来た保安官はこの店のステーキをひとりで4皿も平らげるほどの大食漢! 極めつけは法廷で証言した「牧師」です。彼は聖書ではなく自分自身が持ち込んだ聖書と偽りメルビル作「白鯨」に手を置いて、『嘘の証言はしない』と宣誓し、大嘘を証言して、ジニーは無罪を勝ち獲っています。

ニニーの語る物語の真相を知り、エヴリンはあたかも「ホルモン剤」を何錠も飲んだように元気溌剌となり、表情も、考え方も、人生も一変しましまった様子に、びっくり仰天しました。正直感動したというよりは、とても驚きの”サスペンス”映画でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました