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公開中映画『ボイリング・ポイント 沸騰』(感想)ロンドンの高級レストラン、一年で一番忙しい日の裏側をワンカットで全て見せる。

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映画『ボイリング・ポイント 沸騰』のあらすじ・概要

ロンドンの高級レストランを舞台に、オーナーシェフのスリリングなある一夜を、全編90分ワンショットで捉えた人間ドラマ。本作は紛れもなく、ワンカット編集なし、1発ぶっつけ本番という形式を採用した驚きの舞台裏のドラマとなっています。

一年で最もにぎわうクリスマス前の金曜日。ロンドンにある人気高級レストランのオーナーシェフのアンディは、妻子との別居や衛生管理検査で評価を一度に2ランクも下げられるなど、さまざまなトラブルに見舞われて疲れ切っていました。

そんな中、アンディは気を取り直して店をオープンさせますが、キャパオーバーの100名を超えるあまりの予約の多さにスタッフたちは一触即発状態となっていました。さらに、アンディのライバルシェフが有名なグルメ評論家を連れて何の連絡も無く突然来店し、脅迫まがいの取引を持ちかけてきますが……。

レストラン内を縦横無尽に激しく動き回るカメラワーク、俳優たちの即興演技がもたらす圧倒的な臨場感には、普段めったに入る事が出来ないレストランの厨房の凄まじさを垣間見る事が出来ます。

主人公アンディ役を「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」「アイリッシュマン」のスティーブン・グレアムが演じる。監督は新鋭フィリップ・バランティーニ。

2021年製作/95分/イギリス
原題:Boiling Point

映画『ボイリング・ポイント 沸騰』のスタッフとキャストについて

フィリップ・バランティーニ監督:1980年7月13日、イギリス・リバプール出身。

スティーブン・グレアム(オーナーシェフ・アンディ):揉め事を抱え酒びたり、最後には麻薬まで手を出す始末。マーティン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」(02)に出演し、以降はスコセッシ監督が制作総指揮を務めたTVドラマ「ボードウォーク・エンパイア」(10〜14)や同監督のNetflix映画「アイリッシュマン」(19)にも出演。

おすすめ映画|『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年/マーティン・スコセッシ監督)レオナルド・ディカプリオと同監督との初タッグの映画

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ビネット・ロビンソン(スーシェフのカリー):有能だがギャラに不満を持ち別の店舗に替わろうと考えている。しかしアンディの頼れる相棒で、混乱に陥った厨房を支える唯一の味方/主な映画出演作には、アイラ・サックス監督『ポルトガル、夏の終わり』(19)

アリス・フィーザム(支配人ベス):料理の質よりSNS映えが大事と考えている。オーナーの娘。

映画『ボイリング・ポイント 沸騰』のネタバレ感想

高級レストランのある一夜の舞台裏をドキュメンタリータッチで描く映画。鑑賞後の方々のレビューを見ていると実際のレストランの裏方というのはあんなものと納得している感想が多く驚きました。てんやわんやのてんてこ舞いの様子に正直びっくり仰天しました。以前TV放映されていた『料理の達人』という番組でも厨房のたいへんさが十分伝わってきました。しかしそれ以上に厨房で働く人ひとりひとりの人生感までを短時間の映像に盛り込んでいるところが出色だと思いました。

日本でも客席20席ほどのレストランでテーブルからキッチンの様子が見られる『オープンキッチン』スタイルのレストランもたまに利用しますが、そこでの調理風景は結構、てきぱきとしたスムーズな動きの中で、和やかな雰囲気でした。一方、本作品の厨房は冒頭からシェフは遅れて出勤してくるし、調理中しびりちびりとアルコールを飲み続けているという状態でした。どうやら下ごしらえの準備も十分間に合っていなかった様です。更に衛生管理局の検査があり、いきなり評価を2ランクも下げられてしまう失敗も犯しています。

90分ぶっ通しの大迫力映像に固唾を飲んで見守っていました。嘗て見たことも無い衝撃映像の連続で見応え十分でした。しかし、見終わった後は、かなりの”疲労感”を感じる事になるので、この映画を見るのは夏バテ気味の日は選ばない方が無難かも知れません。

なお、本作品の中で出て来るレストランの顧客は全員口を揃えて美味しいと大絶賛しているのですが、映画を見ている視聴者には料理の美味しさはまったく伝わってこない点はちょっと残念な気がしました。

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