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娘が住んだマカオ2019 – カジノは出口の無い迷宮、娘の部屋は冷蔵庫のアイスが消えるシェアハウス

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旅の随筆
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私は湖南省長沙に、長期出張を含めて足掛け5年駐在しました。

はっきり言うと、料理がもの凄く美味しい広東省の隣にもかかわらず、長沙の料理は辛過ぎて広東料理に比べて美味しくありません。すべての料理に真っ赤になるほど唐辛子を入れるのが作法。洗練された広東料理に慣れた舌には、美味しい料理に飢える毎日だったのです。

だから娘がマカオの企業に就職しマカオに住むことになった時は、口実ができました。毎月長沙からマカオに通いました。美味しいポルトガル料理を、この時とばかり食べまくったのです。

カジノホテルの不夜城 – 税関を無事通り過ぎれば無料バスは誰でも直ぐに乗れる

湖南省長沙からマカオに通うルートは、現在ではマカオまでの直行便(便数が限られるが1時間25分と便利)もあると聞きましたが、当時利用したのは金曜日の夜、長沙→珠海までは飛行機を利用、空港の傍にあるホテルに宿泊、早朝バスで通関口岸(拱北)に向かうというルートです。無事通関を過ぎ、目の前に待ち構えるカジノホテル行きの無料シャトルバスに飛び乗ることになります。カジノ客の様な顔をして乗れば、タダで乗せてくれます。マカオでの定宿はカジノホテルではなく、そこから徒歩圏内にある、かつ娘の住むタイパのマンションに近接する、「グランドビューホテル」でした。娘の住む家はシェアハウスでオーナーの高校生の娘、マカオ在住のワーキングウーマンら2-3人と共同生活をしている為、娘の部屋に男性が泊まることは難しかったのです。

ポルトガルへ返還後、10数年ぶりのマカオは別世界でした。それでも、ポルトガル語表記の標識が減ったと感じる以外は、中国や香港とも違う独特の異国情緒は相変わらず色濃く残されていました。また、娘の住むタイパはマカオの中でも庶民的な佇まいが残る街でした。一方、日本の食品を取り扱うスーパーもあり便利でしたが、品数は少なく値段はかなり高めでした。

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娘と食い倒れ – ギャラクシーのイタリアンは一皿が巨大

長沙で辛い料理に飽きていたので、娘とポルトガル料理を注文しまくりました。

おすすめの主なポルトガル料理:

1.サルディーニャス・ブリタス(イワシの素揚げ)小ぶりのイワシに軽く塩・胡椒→小麦粉をまぶしてカリッと揚げた料理、レモン⁺醤油⁺酢をかける。中国には全くない料理です。なんとなく懐かしい庶民的な味ににっこり。

2.バカリュー・コロッケ(塩抜きしたタラ⁺マッシュポテト⁺玉ねぎ⁺パセリを揚げたもの)バカリューは塩漬けのタラで、400年前の大航海時代からポルトガルの船乗りによって食べられていたと聞くと、一味も二味も美味しく感じます。ポルトガル本国では365日分のバカリューを使ったレシピがあるという国民食、これを聞いてびっくり仰天。これも中国には無い代物、日本のコロッケの元?

3.ミニチ(家庭の味NO.1 牛豚のひき肉⁺サイの目ジャガイモ⁺卵を炒めたもの)醤油とウスターソースで味付けした和風ポルトガル料理。

4.アフリカンチキン(鶏もも肉を丸ごと ピリピリソース⁺ココナッツミルク⁺ピーナッツバター⁺スパイスでソースをたっぷりかけて食べる)元ポルトガルの植民地モザンビーク料理が元ネタらしい。大航海時代に連れ戻されるような風味、時代と場所を一瞬忘れます。

5.カニとコメの炊き込みご飯(ポルトガル風シーフードライスのカニ版)カニ出汁で炊いたトマトライスにカニの身がコロコロ入っている)カニは時価の店が多いので、値段を確認してから注文した方が良い。コメ料理も多いです。中華のカニチャーハンとは全くの別物。

また、日本人向けに写真入り、日本語入りメニューをわざわざ準備している大変親切なレストランも多数ありますが、わたしが推奨するのは飾らないこじんまりした、昔ながらの伝統を伝えるあまり目立たないお店かな…でも、そんな店に入っても隣の席から時々日本語が聞こえてくることがあります。知る人は知るお店…

更に、本格的なイタリアン、フレンチも味わうことが出来ます。

カジノホテル、ギャラクシーのイタリアンレストランは一皿一皿が大きく、日本と違い、アメリカンサイズです。皿数を注文し過ぎ、ウェイトレスは新しい料理を隣のテーブルに置いていきました。しかも味は本格的、豪華過ぎるレストランの割に値段は比較的リーズナブルで安心です。娘も私もすぐに満腹になりました。

店名 「GAGA Italian」(ガ イタリアン)」一階で大きなガラス張り、ディオール、GUCCHIの店を見た後にも気軽に入れます。

ギャラクシー内の有名なエッグタルトの店も探し回ってようやく買えました。熱々の出来立てで、慌てて食べて火傷しそうになるほど熱い。外はサクサク、中はとろーり。しかし、正直なところ、あまりに熱すぎて美味しさを感じるゆとりがなかった。ホテルメイドの少し高級感の溢れるエッグタルトでしたが…

カジノは入口は分かりやすいが、出口が無い迷宮

カジノは面白い。入口は大きくものすごく分かりやすい。キラキラして「いらっしゃい」と呼んでいます。

ところがカジノ内のショップで買い物を済ませ、いざ帰ろうとすると、出口がどこか分からない。表示板もほとんどない。店員に聞いてもあっちと指さすだけの不親切さでした。

いったん入った客は金をすべて落とすまで帰らせないという悪だくみ、まるでわざと出口を分からなく迷宮にいるようでした。田舎もんで道が分からない自分の無知を棚に上げ、他人のせいにする典型的な症状)娘とそろそろ帰ろうと思ってから、結局優に1時間(他の店も立ち寄りして物色含む)ぐるぐると迷ってから、ようやく無事に出られひとまず安堵。

カジノに行ってカジノをやらないなっておかしいと思われますが、賭け事をしなくても十分楽しむことが出来ます。家族連れも多いし、リゾートに来ているような感覚で楽しんでいる人もたくさんいました。

台湾出身の娘の同僚が教えてくれた隠れ家

別の日は、娘の台湾出身の女友だちも食事に来てくれました。観光客がめったに行かない、地元の裏通りにある隠れ家レストランに連れて行ってくれました。マカオらしい家庭料理が美味しく、雰囲気抜群、屋上に上り星空を眺めながら食事が出来るところも、いかにも”南国”マカオのロマンチックな風情を漂わせていました。

毎月マカオに通ったら、変な噂が社内で立った

長沙で毎月マカオに通っているのが、同僚や先輩に知れると、根も葉もない噂が広まって困惑した。

「マカオにいるのは娘ではなく、怪しい女性ではないか」
「カジノ狂いになったのではないか」

違う、娘に会いに行って、美味いものを食べに行っているだけだ、と説明しても、毎月足しげく通っていると信じてもらえません。駐在員社会の狭さというか、何をやっているか気になる様でした。

拱北口岸と、冷蔵庫のアイス

1999年と同じ、拱北口岸に殺到する庶民の姿は変わっていませんでした。野菜や衣料品をバッグに詰め込み山ほど抱えて通関する人々の群れ。マカオの家賃の高騰を嫌い、昼はマカオで仕事、夜は珠海の自宅に帰る国境超え生活をしている多数いるとのこと。カジノの不夜城の隣の、生活感溢れる風景も未だ健在。

娘は大きなマンションを、オーナーの娘や勤め人女性とシェア。風呂、トイレ、キッチン共有で、冷蔵庫に買い置きしたアイスクリームをオーナーの娘に食べられるという悩みを抱えていました。

不夜城と、冷蔵庫のアイス。噂話も含めて、これが私の知る2016年のマカオでした。

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