>

映画『永遠の僕たち』(2010/ガス・バン・サント監督)感想‣死にとらわれた少年を主人公に描く奇妙で切ない純粋なラブストーリー

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
Bany_MMによるPixabayからの画像
スポンサーリンク

映画『永遠の僕たち』のあらすじ・概要

「ミルク」「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のガス・バン・サント監督が、死にとらわれた若者たちの愛と再生を描いた青春映画。

交通事故で両親を亡くし臨死体験をした少年イーノックは、それ以来、自分だけに見える死の世界から来た青年ヒロシを話し相手に生きてきました。そんなある日、イーノックは難病で余命3カ月を宣告された少女アナベルと出会い、ヒロシが見守る中、残された時間を過ごす2人は輝きを取り戻していきますが……。

主演は故デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパー。相手役のアナベルは「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカが務め、主人公のただ1人の友人ヒロシ役で加瀬亮が出演します。

2010年製作/90分/アメリカ
原題:Restless

映画『永遠の僕たち』のスタッフとキャストについて

ガス・バン・サント監督「ドラッグストア・カウボーイ」(89)、「マイ・プライベート・アイダホ」(91)で注目を集め、米インディペンデント界を代表する監督となる。「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(97)は、アカデミー賞で作品賞や監督賞をはじめ9部門にノミネートされています。

おすすめ映画|『グッド・ウイル・ハンティング/旅立ち』(1997/ガス・ヴァン・サント監督)

ヘンリー・ホッパー(少年イーノック):名優デニス・ホッパーの息子。本作「永遠の僕たち」(11)をデビューを飾る。作米メディアのインタビューでは、優等生であることを否定したり、CGを多用した大作映画を批判したりするなど、父親をほうふつさせる反骨精神の一端をうかがわせた。

ミア・ワシコウスカ(死病を抱えつつ生の眩しさを放つ少女アナベル):ティム・バートン監督作「アリス・イン・ワンダーランド」(10)のアリス役に抜てきされ、世界的なブレイクを果たしています。

スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督が数々の傑作を生み出してきた島が舞台、『ベルイマン島にて』(感想)天国の様な夏の島生活を体感

おすすめ映画|『奇跡の2000マイル』(2013/ジョン・カラン監督)ミア・ワシコウスカ主演、24才の女性が単独で2000マイルを歩き切る!

加瀬亮(イーノックにしか見えない特攻隊の幽霊ヒロシ):

おすすめ映画|『はじまりのみち』(2013/原恵一監督) 木下恵介監督の若き日の挫折と再生物語

おすすめ映画感想|『沈黙 サイレンス』(2017/マーティン・スコセッシ監督)遠藤周作原作の小説を映画化!

おすすめ劇場公開中映画|『MINAMATA ーミナマター』(2020/アンドリュー・レビタス監督)ユージン・スミスの1975年に発表した写真集「MINAMATA」の映画化

映画『永遠の僕たち』のネタバレ感想

(ネタバレあり)まるで死と隣り合わせで生活をしている様な若い男女の儚いラブストーリーです。観賞後には少し脱力感を感じてしまうところもあるかもしれません。二人の出会いの場所は見知らぬ(赤の他人!)故人のお葬式という設定にはさすがにびっくり仰天しました。こんな事を何度も繰り返している若者の存在は疑いたくなりますが…

アナベルは脳腫瘍を患い病院に入院していました。容体が安定したので退院し自宅に戻り療養しています。学校に通学することは困難な為、独り自宅で好きな鳥や昆虫など本を読んだり、自然観察をすることを趣味として暮していました。

一方、葬式で知り合ったイーノックは同じ年頃です。両親を交通事故で亡くし、それ以来学校生活にも馴染めずドロップアウトし、無目的な日々を送っていました。ただ、見知らぬ故人の葬式に参列することを繰り返し時間をつぶしていました。葬式業者に姿を何度も見られ不審に思われます。見咎められたところを、アナベルの機転で何とかその場を取り繕う事が出来ました。それ以来、二人は会話をする様になり直ぐに親しくなって行きます。

アナベルの余命が3ヶ月と知ったイーノックは、アナベルの残り少ない人生を充実したものにしたいと考え行動を開始します…

本編では日本の俳優加瀬亮が、一人も友だちのいないイーノックの唯一の友だちとして、そしてイーノックだけに見える幽霊ヒロシとして出演しています。しかも第二次世界大戦時のカミカゼ特攻隊員の格好をしています。イーノックは両親と共に自家用車に乗っているところで事故に遭い、その後3か月間昏睡の後蘇生しました。その後、ヒロシが見えるようになったという設定には正直びっくり仰天しました。なんと彼らは昔懐かしい「魚雷戦ゲーム」に興じていました…更に、ハロウィンの仮装では、まさかのイーノックが日本軍のカミカゼ特攻隊員のいで立ち、アナベルが和服姿!当然ある一部のファンにとっては感激のシーンなのかも知れませんが、これにはかなりの違和感を感じましたが…

「おすすめ映画」としての感想にはなっていなくて申し訳ありません。特筆すべきは、ミア・ワシコウスカが死を迎える切ない薄幸の女性ながらも、彼女の(死への)不安と(恋人との出会いの)喜びの入り混じった健気な眼差しや演技に目が釘つけになること間違いなしの一作です。また、イーノックの回生もラストで明るい兆しが見えてきた様に感じました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました