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上映中 新作『658km、陽子の旅』(2022/熊切和嘉監督)感想‣高速道のサービスエリアで置き去りにされてしまった陽子はどうする!?

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『658km、陽子の旅』のあらすじと概要

「#マンホール」「私の男」の熊切和嘉監督と「バベル」の菊地凛子が、2001年の「空の穴」以来22年ぶりにタッグを組んだロードムービー。「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM 2019」脚本部門で審査員特別賞を受賞した室井孝介の脚本を原案に、人生にもがき苦しむ女性の東北縦断の旅を描いています。

就職氷河期世代である42歳の独身女性・陽子は、人生を諦めてフリーターとして東京でなんとなく日々を過ごしてきました。そんなある日、かつて夢への挑戦を反対され20年以上疎遠になっていた田舎の父の訃報を受けた彼女は、従兄の茂やその家族とともに、東京から故郷の青森県弘前市まで車で向かうことになります。しかし、茂の家族は途中のサービスエリアで子どもが起こしたトラブルに気を取られ、陽子を置き去りにして行ってしまいます。明日正午が出棺予定時間となっていました。所持金もほとんどなくヒッチハイクで故郷を目指すことにした陽子は、道中で出会ったさまざまな人たちとの交流によって心を癒されていきます…

共演には竹原ピストル、黒沢あすか、風吹ジュン、オダギリジョーら実力派が多く顔をそろえています。

2022年製作/113分/G/日本

最近見た中国版ロードムービー感動作

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『658km、陽子の旅』のスタッフとキャストについて

熊切和嘉監督:1974年生まれ。北海道帯広市出身.

菊地凛子『バベル』(06)で米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、その後も『パシフィック・リム』シリーズ等ハリウッドをはじめ海外作品に数多く出演する日本を代表する国際派女優。本作で初めて日本映画の単独主演を演じています。引きこもり生活から外に出て、久しぶりに他人と関わることで長年の自分への後悔を露わにしてゆく繊細な難役を見事に表現しています

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竹原ピストル(叔父工藤茂:千葉県出身。2003年野狐禅としてメジャーデビュー。2009年からは一人きりでの表現活動を開始。2017年紅白歌合戦に初出場。

『658km、陽子の旅』のネタバレ感想・見どころ

一切の前知識無く新宿の映画館に飛び込んで観賞しました。公開されて1ヶ月以上経過していましたが、夏休み最後の土曜日ということもあり、そこそこ観客は多かったと思います。

菊地凛子扮する陽子がかなり暗い雰囲気で、且つはっきりと自己主張するのが不得意そうな女性だったので、最初は「なんだこの映画は?」という感じで感情移入が難しい映画と感じました。何故あんなに簡単に高速道路のSAで同乗者とはぐれてしまい、置いてけぼりを食らうのか不思議でした…正直この感情は本作鑑賞後まで続き、正直言って何か面白く無い映画を見てしまったなぁという気持ちでした。

そこで改めて、映画観賞後映画評論、映画紹介文を読み直してみました。結果としては、やはり解説をしっかり読んでから映画を見るべきだったと反省しています(後の祭り…)

陽子は、引きこもり、42才独身 フリーター コミュニケーション障害を持つとありました。就職氷河期世代で正社員として就職することも難しい時代を生きて来た女性ということが分かり少し納得しました。

24年疎遠にしていた東北に住む父親の突然の訃報 オダギリジョーが父親の幻し役で出演!       時々現れては消える赤い帽子を被った人物の存在が不気味乍ら、まったく分かりませんでした。オダギリジョーが彼女の亡くなった若かりし頃の父親の姿で現れていると知り納得しましたが…(ちょっと怖い)

父親の葬儀は明日の午後から行われる 時間の制約、所持金2000円余                冒頭部分叔父さん工藤茂の会話内容を聞きの逃した為、「明日の午後出棺式が行われる」段取りである事を知らずに映画を見続けた事になります…映画の中の彼女は何としても実家のある青森県弘前市まで制限時間の中で辿り着かなければなりませんでした…それを理解した上でも、やはり女性一人旅の夜間のヒッチハイクは大変危険だと思います。映画では別の若い女性ヒッチハイカーを登場させて、”安心感”を醸し出す演出が為されていました。しかしながら、その後謎のライターの車に乗せられ、最悪の゛事態”に遭遇してしまいます。とはいうものの”非”はやはり明らかに陽子自身にある事は間違いありません。

コミュニケーションに問題があり、長い間固い殻に閉じ籠っていた難しい女性が人との触れ合いで自立し始める役を好演し絶賛されている

東京から弘前までの一晩の長い旅の中で、様々な人と触れ合い、会話をする内に、自ら大きな声が出せるようにまで殻を脱いでいく様が綴られていきます…

上海国際映画祭グランプリ第25回上海国際映画祭のコンペティション部門で最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀脚本賞の最多3冠を獲得

映画ファンの一人として大変恥ずかしい話ですが、上海国際映画祭での受賞が大きく取り上げられています。しかし、この賞がどれほど素晴らしいものなのか、はっきり理解していません(勉強不足!!)

※陽子の素性、背景、状況(明日の正午が父の告別式)、オダギリジョーの人物像などを理解した上で、再観賞すれば、感情移入もばっちり出来て陽子を”応援”出来るかもしれません…

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