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映画『チェ28歳の革命』(2008/スティーブン・ソダーバーグ監督)感想‣20世紀最大のカリスマをスクリーンに再現させた歴史ドラマ!

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Peter KraayvangerによるPixabayからの画像
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映画『チェ28歳の革命』のあらすじ概要

「トラフィック」でアカデミー賞監督賞&助演男優賞を受賞したスティーブン・ソダーバーグとベニチオ・デル・トロが、キューバ革命を率いた指導者エルネスト・チェ・ゲバラの生き様を2部作、総上映時間4時間25分で描く大作の第1部。

フルヘンシオ・バティスタによる独裁政権をフィデル・カストロと共に倒すキューバ革命までを描いた本編『チェ 28歳の革命』(The Argentine)と、ボリビアでの敗北と処刑までを描いた続編の『チェ 39歳 別れの手紙』(Guerrila)の二部作に分けられています。

1955年7月、貧しい人を救いたいと志し、南米を旅する若き医師ゲバラは、放浪中のメキシコで故国キューバの革命を計画するフィデル・カストロと出会い、彼に共感します。そして1956年、28歳の若さで革命に乗り出しゲリラ戦の指揮をとり、キューバの独裁軍事政権の打倒を果たします。

本作は、1964年5月。革命後のキューバの要人として、首都ハバナで女性インタビュアーの取材を受けるゲバラのシーンから開始され、過去の様々な場面を回想しながら、物語は進みます。

 

2008年製作/132分/スペイン・フランス・アメリカ合作
原題:Che: Part One

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映画『チェ28歳の革命』のスタッフとキャストについて

スティーブン・ソダーバーグ監督:1986年、ロックバンド「イエス」のコンサートフィルム「9012ライブ」を撮影し、高い評価を得て翌年に短編映画監督”Winston”を制作しています。26歳で初めて監督した長編映画『セックスと嘘とビデオテープ』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞し、センセーショナルなデビューを飾っています。

 

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ベニチオ・デル・トロ主演(チェ)・制作:プエルトリコのサン・ヘルマン出身。撮影は2007年5月から開始され、デル・トロは撮影に際し、25kgの減量をして、ゲバラになり切って臨んだという。

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映画『チェ28歳の革命』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り】

生涯を正義と理想の実現のために捧げ、39歳で死んだ伝説の革命家エルネスト・”チェ”・ゲバラを描く。28歳でフィデル・カストロとともにキューバ革命に身を投じて、勝利するまでの姿をドキュメンタータッチで描く歴史劇です。

本人はアルゼンチン人ですが、南米各地を転々と旅している間に社会主義に目覚め、革命にのめり込んでいったようです。目的は一切私利私欲ではなく、何度か経験した放浪旅行の過程で、チリの最下層の鉱山労働者やペルーのハンセン病患者らとの出会いなど、当時比較的裕福であった故国アルゼンチン以外の南米各地の状況、貧富の差、社会矛盾を実際に見聞・実感したことが彼の革命思想・行動を形作った原動力になったものと思われます。(別の映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』に放浪の経験の詳細が描かれています)

キューバでは政府の圧政に苦しんでいた一般市民から「反政府軍/チェ・ゲバラらの組織」は熱狂的に迎え入れられます。政府軍幹部の軍組織の権力に物を言わせる高圧的な統制とは異なり、人間味溢れる反政府軍の組織、統制力が際立っていました。

前半では山岳地帯を舞台にじわりじわりと政府軍に迫る反政府軍の行軍の様子が描かれます。同じく映画で見た中国共産党の”長征”(2年間に及ぶ12,000㌔超の徒歩による移動)を何となく想起させられました。(本編とはまったく関係無くて申し訳ありません…)

何故、チェがこれ程までに(今でも)、人気が高いのかはこの映画を見れば一目瞭然です。彼は、純粋に「貧しい人の為、国の未来の為に戦った」からということがわかります。

なお、ベニチオ・デル・トロは完全にチェになり切って演技をしていました。しかし、チェ本人の写真を見る限り、やはり男でもホレてしまいそうな好男子振りにはあっと驚き!大スターベニチオもちょっと及ばない印象を受けたのはわたしだけではない気がします。人気の理由はここにもあると思います…

 

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