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映画『イージー★ライダー』(1969/デニス・ホッパー監督)感想‣· 自由と平和を求めてアメリカ横断の旅に出た2人の青年の姿を描いたロードムービーの傑作

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映画『イージー★ライダー』のあらすじ概要

反体制的な若者2人がコカイン密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めてハーレーダビッドソンでカリフォルニアからマルディグラ(謝肉祭)の行われるルイジアナ州ニューオーリンズを目指して放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いた作品。特にステッペンウルフによる主題歌「ワイルドでいこう!(BORN TO BE WILD)」が高い知名度を誇っています。

カトリック信者の農夫の家でランチをご馳走になったり、ヒッチハイクをしていたヒッピーを拾って彼らのコミューンへ立ち寄ったりと気ままな旅を続ける二人でした。しかし旅の途中、無許可で祭りのパレードに参加したことを咎められ、留置場に入れられてしまいます。そこで二人は偶然にも若い弁護士ハンセンと出会い、意気投合します。

そして、ハンセンの口利きで釈放された2人は、ハンセンと共にルイジアナ州ニューオーリンズに向けての旅を続けます。しかし「自由」を体現する彼らは行く先々で当時の米南部の沿道の排他的な人々の思わぬ拒絶に遭い、ついには殺伐としたアメリカの現実に直面することになります。

なお、同作は、第42回アカデミー賞の脚本賞にノミネートされ、98年にはアメリカ文化の遺産として保存に値する「文化的、歴史的、芸術的」に重要な作品としてアメリカ国立フィルム登録簿(National Film Registry)入りを果たしています。

1969年製作/94分/アメリカ
原題:Easy Rider

オートバイで同じように旅に出る二人の若者を描く作品としては、

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gigglinggalaxyによるPixabayからの画像

映画『イージー★ライダー』のスタッフとキャストについて

デニス・ホッパー監督・脚本・出演(ビリー):55年、ジェームズ・ディーン主演「理由なき反抗」「ジャイアンツ」に立て続けに出演しますが、ディーンの死後ハリウッドの監督たちと意見が合わなくなり、活動の場をニューヨークに移しています。本作品でアメリカン・ニューシネマの旗手として一躍脚光を浴びました。

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ピーター・フォンダ製作・脚本・出演(ワイアット/キャプテン・アメリカ):芸能一家に生まれ、清純で一本気な青年役のキャラクターで売り出すも、商業主義の作品に嫌悪感を抱く。さらに、自らが想い描く俳優像とは異なるエリート青年役が続いたことに疲弊し、次第にドラッグに耽溺するようになったという。1960年代後半、映画界に巻き起こったアメリカン・ニューシネマ(ニュー・ハリウッド)のブームに乗って、自らも映画製作会社を立ち上げ、低予算映画をいくつも量産していきます。そのうちの一つがインディーズ・ムービーのバイブルとも呼ばれ、カルト的な支持を得ることとなってゆく、1969年の本作品『イージー・ライダー』です。(出典:Wikipedia)

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ジャック・ニコルソン(若手弁護士、ジョージ・ハンセン):アルコール中毒の弁護士であるハンソン役を演じ、本来は別の役者が担当する予定であったこの役でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、一躍その名を知られるところとなったことから、本作品はニコルソンの出世作品となっています。

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David MarkによるPixabayからの画像

映画『イージー★ライダー』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り】

本作品公開後既に半世紀が過ぎています。わたしは70年代後半の学生時代、リバイバル上映された同作品を映画館で見た記憶があります。当時はどうして田舎の住民がヒッピー風のオートバイに乗る若者を、外見から判断して嫌悪感を示し、あれ程毛嫌いするのか十分理解出来ず、不思議に思いました。映画を改めて見て、60、70年代のいわゆる「ヒッピー」に対する極一部の市民(白人至上主義者ら)の考え方がようやく理解出来ました。非常に偏見に満ちた、手荒い非人道的な行動は決して許されるものではありません。

映画の中では、「自由に対する嫌悪感…」などと語られていました。自由でいることは悪い事?というのが常識であったのかもしれません。恐ろしい時代があったものです。

出演者全員が若いのは当然ながら、なかでも本作が出世作となったジャック・ニコルソンのアル中若手弁護士役が印象に残りました。顔立ちは現在の(太々しい貫禄のある・失礼!)尊顔からは想像も出来ない様なスッキリとして”好青年”振り(アル中役ながら)、そんな中にも後の大俳優となる鋭い眼差しなどを見出す事が出来ます。わたしが見たのは恐らく40年以上も前だったと思いますが、ニコルソンがきついウイスキーをラッパ飲みして、堪らず右腕の脇を何度も”キュッキュ”と固く締める動作はフラッシュバックして蘇った、懐かしいシーンでした。

 

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