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映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001/ウェス・アンダーソン監督)感想‣ウェス・アンダーソンの作品で初めて日本で公開された記念すべき作品

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映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のあらすじ概要

崩壊した天才ファミリーの再生をユニークな作風で描き、ウェス・アンダーソン監督が世界的に注目を集めるきかっけとなった異色コメディ。

ニューヨークで暮らすテネンバウム家の3人の子どもたちは、長男チャスはビジネス界で大稼ぎ、長女マーゴは劇作家、次男リッチーはテニス選手として、いずれも幼くして成功を収め、世間から天才児と持てはやされていた。しかし、父ロイヤルの過ちと裏切りにより家を出たことで一家は離散し、子どもたちは問題だらけの大人へと成長する。ある日、妻エセルが恋人から求婚されたことを知ったロイヤルは、彼女に自分の死期が近いことを告げ、一家は22年ぶりに一緒に暮らすことになるが……。

2001年製作/110分/アメリカ
原題:The Royal Tenenbaums

Kerstin RiemerによるPixabayからの画像

映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のスタッフとキャストについて

ウェス・アンダーソン監督・脚本・製作:前作「天才マックスの世界」に次いで、長編第3作。奇妙なのは撮影だ。どのシーンも無表情の俳優が真正面を見ているのを画面の真中に捉えただけの左右対象で奥行きも動きもない構図ばかりなのが特徴で、今後の作品にも多用されています。

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ジーン・ハックマン(ロイヤル・テネンバウム): 元法律学者。現在は破産している/ブロードウェイでの公演を観たロバート・ロッセン監督に見出され『リリス』で映画デビューします。

アンジェリカ・ヒューストン(エセル・テネンバウム): ロイヤルの妻。考古学者/1985年には父親が監督した『女と男の名誉』でアカデミー助演女優賞を受賞した

ベン・スティラー(チャス・テネンバウム): 長男。1年前に妻を飛行機事故で亡くしている。ふたりの子持/公私共にオーウェン・ウィルソンと仲が良く、スティラーが監督した『ズーランダー』やウィルソンが脚本を担当した本作『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、その他にも『ナイト ミュージアム』などの作品で共演している。

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グウィネス・パルトロー(マーゴ・テネンバウム): 長女。養女。/98年の映画「恋におちたシェイクスピア」で彼女はアカデミー賞の主演女優賞を獲得。感情の起伏を全く見せないポーカーフェイス。

ルーク・ウィルソン(リッチー・テネンバウム): 次男。元プロテニス選手/98年の映画「恋におちたシェイクスピア」で彼女はアカデミー賞の主演女優賞を獲得。感情の起伏を全く見せないポーカーフェイス。

オーウェン・ウィルソン(イーライ・キャッシュ):リッチーの幼なじみ。現在は人気作家。

映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り・要注意!】

支離滅裂な内容に唖然とさせられました。ウェス・アンダーソン監督の映画作りの特色が色濃く出ている作品だと感じました。とても美しく、心地の良いけれども何となく不思議な映像の連続…それもそのはず出演者はお互いに向き合う事無く、正面を向いて語り合っているシーンは他の映画では絶対あり得ない映像です。何故が引き込まれてしまう絵画の様な、漫画の様な映像の連続です。

不思議な事が数限りなく起こり、様々な工夫が仕掛けられています。わたしの気が付いたのはごく一部かもしれません。誰にでも分かる登場人物が着ている服はいつも同じ服…それも誰もが知っているラコステのカーディガン、アディダスの家族おそろい上下の赤いジャージ、ヒィラ(一時期大変なブームになりました)、テニスプレーヤービヨン・ボルグが愛用したヘアバンド、リストバンド…懐かしいアイテム満載。

父親ロイヤルは家族をほったらかしたまま出奔、これを切っ掛けに残された”天才”一家は衰退の一途を辿ります。ひょんなことから22年ぶりに家族の元に戻ったロイヤルは当然の様に家族から総スカンを喰います。(ネタバレ➢)事もあろうに父親は胃がんであり余命6週間と偽り、家族の同情に縋る芝居を打ちますが、バレてしまいます。しかも破産しており無一文で、住む家も無い。

しかし、なんだかよく分からない内に家族とのわだかまりも融け、最終的にロイヤルは正式離婚届提出に合意、妻エセルは付き合っていた恋人ヘンリーと目出度く再婚する事で本編は終わります。何となく騙された様なラストに正直呆気に取られてしまいました。

テキサス州ヒューストン生まれ育ったのウェス・アンダーソン監督は人一倍ニューヨークへの憧れが強かったと述べています。本作品について、監督は「ニューヨークでロケしたけど、現実のニューヨークじゃなくて、僕の心の中のニューヨークなんだ」と雑誌インタビューで述べています。しかし、その言葉を聞いても益々混迷は深まるばかりですが… わたし自身ウェス・アンダーソン監督の理解がまだまだ足りないのかもしれませんね…

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