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おすすめ映画感想『逃走迷路』(1942/アルフレッド・ヒッチコック監督)‣ヒッチコック作品ではお馴染みの巻き込まれ型のサスペンス劇

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『逃走迷路』のあらすじ概要

無実の罪を着せられた男が真相を突き止めるべく奔走する姿を描いたヒッチコック監督作。カリフォルニア・グレンデーㇽの軍需用航空機工場で大規模な火災が発生し、一人の男性従業員が命を落とします。被害者の同僚であるバリー・ケインは、事件現場でガソリン入りの消火器を持っていたことから容疑者とみなされ、濡れ衣で警察から追われる身となってしまいます。ケインは自分に消火器を手渡した男フライが真相を知っていると考え、彼の行方を追うのですが、フライはその工場の従業員ではあ無かった事がわかります……。

1942年製作/108分/アメリカ
原題:Saboteur(仏: sabotage サボタージュ=「破壊活動者」の意味)

『逃走迷路』のスタッフとキャストについて

アルフレッド・ヒッチコック監督:プロデューサーのセルズニックはヒッチコックらが執筆した本作品の脚本をユニバーサル・ピクチャーズと契約していたプロデューサーに売り、ヒッチコックは同社に貸し出されて監督すること形になりました。その立場上、ヒッチコックはキャスティングに口出しできず、自分が望まない俳優を会社から押し付けられたそうです。撮影は1941年12月から行われ、翌1942年春に完成して公開され商業的成功を収めています。

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ロバート・カミング(バリー・ケイン):日本ではアルフレッド・ヒッチコック監督作品『逃走迷路』(1942年)と『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)の2作品で知られています。万年青年イメージのルックスを活かしたコメディ映画への出演が多いとのこと。1954年に放送されたテレビドラマ『十二人の怒れる男(Twelve Angry Men)』(CBS)に出演しています。

プリシラ・レイン(パット):「彼奴は顔役だ!」(1939)でジェイムズ・キャグニー、ハンフリー・ボガートと共演

オットー・クルーガー(トビン):

『逃走迷路』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

戦時下の軍需工場を爆発させ犠牲者を出したり、カリフォリニア州の75%の電力を賄う程の巨大なダムの破壊を目論んだり、ブルックリンにあった造船所の進水式で新造船(アラスカ号)を沈没させたりと好き勝手な事をやっている不気味な組織の正体が余り良く分からず、本作品の理解がもやもやしたものになってしまいました。戦争反対の平和主義組織でもなさそうだし、社会を不安に陥れ混乱させ、国民が一致団結する事が内容に企んでいたのでしょうか? 国民が団結することで、逆に大きな不利益を得る事になる団体だったのかも知れません…

アレフレッド・ヒッチコック監督の説明でも引用させて頂きましたが「その立場上(監督は)キャスティングに口出しできず、自分が望まない俳優を会社から押し付けられた…(ウィキペディア情報)」という記載があり幾分ショックを受けました。大監督でも「自分の気に入らない役者」を使わなければならない立場になる事があることは大変意外でした。それでも、これだけの作品を作り上げる監督の度量の大きさ、演出力の素晴らしさに関心します。公開当時同作品は商業的に成功を納めたそうです。

本作の見どころは大きく2点あると思います。

バリー・ケインは殺人の嫌疑を掛けられてしまい、無実を晴らそうと逃走を図ります。しかし、逃走中に『正義感』に駆られ彼の事情も分からず、警察に引き渡そうとする”律義な”(若い娘でモデルのパット)人々に逃走を邪魔されそうになる一方、目が不自由であるにもかかわらずバリーの本性を”感性”のみで感じ取り、”悪人”ではないと判断し、逃走の手助けをしようとする人との出会いもあります。更に、旅のサーカスの一行と出会います。その中でも人物の多彩振りはまるで世の中の縮図を見ている様でした。警察に即につき出せ!悪人には見えない!誰かが○と言えば,とにかくそれに反対xを唱える人!等々、そんな中彼は警察に突き出される事も無く無事逃げきる事が出来ます。全てが疑って掛かる人ばかりではなく、理性を持ち自分できちんと判断してくれる人達もわずかながら存在する事に救われる事になります。

最初は敵愾心の塊だったパットも徐々に味方に付ける事にケインは成功した様です。

もう一つの見どころは、”サスペンス”の妙味!後半に入り、サスペンスの見せ場が続きます。映画を上映している劇場内でのピストルの乱射は映像と現実が倒錯して劇場内がパニックを起こす緊張感はさすがでした。ラストは有名な自由な女神の像からのまさかの転落シーンは冷や冷やドキドキでした。あの場所であのようなシーンが実際に撮影されたとは思われませんが、肝を冷やしました。また、パットが監禁された高層ビルの部屋から助けを求めた大きな”メモ書き”が地上の消防士!?に拾われ、意味が通じたシーンは感動的な場面でした。

まったくの余談ながら、監禁されている最中に見張り役の男が勝ってきた”アイスクリーム”代金を15(セント)きちんと支払っていました。一体これはどんな意味があるのでしょう?

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