>

公開中 おすすめ新作映画『ザ・ホエール』(2022/ダーレン・アロノフスキー監督)感想‣離婚後疎遠だった娘への無償の愛を紡ぐ最後の5日間

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
スポンサーリンク

『ザ・ホエール』のあらすじ概要

「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が、「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザーを主演に迎えた人間ドラマ。劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作に、死期の迫った肥満症の男が長年離れて暮らしていた娘との絆を取り戻そうとする姿を描く。

40代のチャーリーはボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避の為過食と引きこもり生活を続けたせいで健康を損なってしまいます。アランの妹で看護師のリズに身の回りの世話をしてもらいながら、オンライン文章講座の大学の講師として生計を立てていますが、心不全の症状が悪化しても病院へ行くことを拒否し続けていました。

自身の死期が近いことを悟った彼は、8年前に”恋人”アランと暮らすために家庭を捨ててから疎遠になっていた娘エリーとの絆を取り戻したいと願いますが、彼女は学校生活や家庭に多くの問題を抱え心が荒み切っていました。

本作では272キロの巨体の男チャーリーを演じたフレイザーが第95回アカデミー賞で主演男優賞を見事受賞しています。メイクアップ&ヘアスタイリング賞とあわせて2部門を受賞した。

2022年製作/117分/アメリカ
原題:The Whale

『ザ・ホエール』のスタッフとキャストについて

ダーレン・アロノフスキー監督・製作:ミッキー・ロークを主演に迎えた「レスラー」(08)でベネチア国際映画祭の金獅子賞を獲得しています。

おすすめ映画|『ノア 約束の舟』(2013/ ダーレン・アロノフスキー監督)ラッセル・クロウ主演「ノアの方舟伝説」を壮大なスケールで描くスペクタクル歴史ドラマ

ブレンダン・フレイザー(チャーリー):1999年、代表作となるスティーヴン・ソマーズ監督による大ヒットアクション・ホラーアドベンチャー『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の主演を演じる。

アパートの2階に独り暮らし。極度の過食を現在も繰り返し、もはや自力で立ちあがることもままならず、歩行器無しでは歩く事も出来ない身体となっています。

おすすめ映画|『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』(1998/スティーブン・ソマーズ監督)

セイディー・シンク(娘エリー):2017年には、高い評価を得たNetflixの人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」で、複雑な過去を持った怪しげな少女マックス役で人気となる。

娘が数年前に書いた読書感想文の題材であるメルビルの「白鯨」との連関が劇中何度も取り上げられ、重要な要素となっている(映画の題名にもなっている)

ホン・チャウ(リズ):1970年代後半にベトナムを逃れ、タイの難民キャンプに暮らしていたベトナム人の両親のもとに生まれる。その後ニューオーリンズで育ち、ボストン大学で映画学を専攻。役者の道を目指す。

タイ・シンプキンス(トーマス):アメリカ・ニューヨーク出身。2005年、スティーヴン・スピルバーグ監督の『宇宙戦争』で子役として映画デビュー。

キリスト教系の新興宗教布教活動の為、チャーリーの家を何度も訪問する。

おすすめ映画感想|『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』(2008/サム・メンデス監督)

『ザ・ホエール』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

僅か40代という若さで過食症により体重300㌔近い巨漢となり、もはや余命数日という危険な状態に追い込まれてしまいます。自業自得と言ってしまえばそれまでですが、チャーリーにはやむに已まれず、精神状態の悪化に追い込まれる深い原因がありました。そこまで彼が追い込まれなければならない原因は彼のボーイフレンドの死があった様です。しかしながら、”彼”との関係は全く詳細に踏み事無く、視聴者が勝手に想像力を巡らさざるを得ないストーリー展開となっています。

本作の主要テーマはチャーリーが8年前に捨てて家を出た後に残された実の娘エリーとの関係修復です。彼に捨てられた家族、元妻とエリーのふたりの生活は順調とは言えない状態であることが語られます。なにもかも既に手遅れなのですが、元家族に自分の貯めたお金だけでも残したいという望みは持っていました。子供に残すべきお金を一銭も使いたくない為に、頑なに病院行きを拒否してるようでした。娘への思いと、実際にやっている行動がチグハグ過ぎて、わたしにとってはチャーリーに同情を覚えるのがちょっと難しい作品ではありました…

主演ブレンダン・フレイザーは各界からその演技を絶賛され今回アカデミー賞主演男優賞を見事に獲得しています。彼にとっては大型映画の主演は実に12年ぶりだったそうです。映画やTVには出演し続けていたとはいうものの、久し振りの快挙に拍手喝采です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました