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イングランド出身社会派ケン・ローチ監督おすすめ映画10作品(年代順)

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左翼を任じ、一貫して労働者階級や第三世界からの移民たちの日常生活をリアリズムに沿った視点より描いている作品多数。作品のスタイルとしては、有名俳優を起用せず、若い才能を好む傾向が強く、俳優の自然な演技を引き出し、リアルな状況を作り出すことを重視。そのため、シーンは最初から順番に撮影し、時には即興演技に委ねたり、脚本製作時に結末を意図的に執筆しないこともあるという。

67年、「夜空に星のあるように」で映画監督デビューし、続く「ケス」(69)が絶賛される。その後20年ほど不遇の時代を過ごすが、90年代に入って再び脚光を浴び、英国の労働者階級や移民を描くことで評価を不動のものにしています。なお、84才とご高齢にも関わらず、使命感からか政治批判の鋭さは年々先鋭さを加えているから驚きです。

世界3大映画祭のなかではカンヌとの相性が良く、「天使の分け前」(13)で審査員賞、「麦の穂をゆらす風」(06),『家族を想う時」(19)で最高賞パルムドールを受賞しています。

気に入った10作品を選んでみました。

Hubert NgoによるPixabayからの画像

『やさしくキスをして』2004年

イギリスの伝統的社会と移民の間の問題を描出する。家族や世代、そして文化、宗教に関する様々な問題を背景に、周囲の反対にもめげずに、真実の愛を貫こうとする2人を観る者すべての胸に深い感動を刻み込む「傑作」!

レビュー|「やさしくキスをして」(2004)巨匠ケン・ローチ監督の”傷だらけの”ラブロマンス!?

『明日へのチケット』2005年

ローマ行きの特急列車に偶然乗り合わせた、人種も階級も職業も異なる人々が織り成す人生模様をパルムドール受賞3監督が描く3部作。オムニバス形式ではなく、3つのエピソードはそれぞれ独立した物語形式、終着駅ローマに到着するまでに完結するひとつの長編作品になっている。

明日へのチケット(2005)パルムドール受賞3監督合作映画 レビュー

『麦の穂をゆらす風』2006年

1920年代のアイルランド紛争を内面から描いた悲劇。英国による長年の支配から独立を求める声が出始めた1920年アイルランド。やがて勝利を収め、講和条約を締結させたアイルランドだったが、喜びも束の間その条約の内容を巡って、支持派と反対派の対立から同胞同志が戦う内戦へ今度は国内で新たな紛争が起きてしまう、更に兄弟の絆を割き悲劇的なラストを迎える。

レビュー|「麦の穂をゆらす風」2006年社会派ケン・ローチ監督がアイルランド紛争を描いた悲劇!

『この自由な世界で』2007年

もともと合法的な職業斡旋業をやっていたが、不法移民を働かせる方が儲けになることを知った主人公アンジーは、超えてはならない一線を超えてロンドンで不法移民の人材派遣業を始め、様々なトラブルに巻き込まれていく。自由市場と呼ばれる現代の競争社会や移民労働者問題を描き出す。自分らの幸福のために誰かを犠牲にすることも辞さないアンジーの姿に、自由という言葉の本当の意味を深く考えさせられる社会派映画の一作!

レビュー|「この自由な世界で」ケン・ローチ監督が描く現代の競争社会のありのままの姿!

『エリックを探して』2009年

サッカーの名プレイヤー・カントナの言葉に導かれ、他人と交わることによって、うだつの上がらない主人公の人生が少しずつ好転していくプロセスを面白く描ていく。主演のスティーヴ・イヴェッツやカントナの好演はもちろん、随所に挟み込まれるカントナ自身の名プレー・シーンにも大注目!

レビュー|「エリックを探して」(2009)エリック・カントナ本人出演のコメディードラマ。

『ルート・アイリッシュ』2010年

名匠ケン・ローチが、実在する危険地帯を題材にイラク戦争の実態を痛烈な批判を盛り込みながら映し出した2010年製作の社会派ドラマ

感想|『ルート・アイリッシュ』(2010/ケン・ローチ監督)実在する危険地帯を題材にイラク戦争の実態を描いた社会派ドラマ

『天使の分け前』2012年

スコットランド、グラスゴーを舞台に、恋人や家族、一般社会から見放されていた青年らが、社会奉仕活動を通じて、ウイスキー作りを絡め、信じられる仲間を得たことで前向きになっていく姿を、笑いや涙を交えて描くヒューマンドラマ。

感想|『天使の分け前』(2012/巨匠ケン・ローチ監督の最大のヒット作!)何とウィスキー作りめぐるコメディ映画

『ジミー、野を駆ける伝説』2014年

1930年代のアイルランドを舞台とし、庶民が理不尽な抑圧を受けていた時代に、自由で喜びに満ちた人生のすばらしさを説き、閉鎖的な村の人たちの心を解放していく実在の人物ジミーの生き様を描写

感想|『ジミー、野を駆ける伝説』(2014/ケン・ローチ監督)1930年代アイルランドを舞台に、実在の活動家ジミー・グラルトンの生きざまを描いたドラマ

『わたしは、ダニエル・ブレイク』2016年

イギリスの複雑な制度に振り回され、貧困という現実に直面しながらもお互いに助け合って生きる人びとの姿が描かれる。

わたしは、ダニエル・ブレイク  ケン・ローチ監督 映画レビュー

『家族を想う時』2019年

ケン・ローチ監督が訴える深刻過ぎる現実のイギリス社会問題を訴える告発映画となっている。日本でもほぼ同じ社会状況ではないのかと思うと背筋が寒くなる思いがします。カンヌ国際映画祭で2度目のパルム・ドールに輝いた傑作!

家族を想うとき 映画 ケン・ローチ監督作品 英労働者階級,現実社会の衝撃的な真実を描写 レビュー

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