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おすすめ映画『複製された男』(2013/ドゥニ・ビルヌーブ監督)感想‣瓜二つの“もうひとりの自分”と出会ってしまった大学講師は…

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『複製された男』のあらすじと概要

主演のジェイク・ギレンホールが1人2役を演じ、「灼熱の魂」「プリズナーズ」のドゥニ・ビルヌーブ監督のメガホンで、ポルトガル唯一のノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説を映画化した作品。自分と瓜二つの人物の存在を知ってしまったことから、アイデンティティーが失われていく男の姿を描いたミステリー。トロントの大学の歴史講師アダムは、同僚に勧められたDVDでなにげなく鑑賞した映画の中に自分とそっくりの端役の俳優を発見します。驚いたアダムは、取り憑かれたようにその俳優アンソニーの居場所を突き止め、気づかれないよう監視しますが、その後2人は対面し、顔、声、体格に加え生年月日も同じ、更には後天的にできた傷までもが同じ位置にあることを知ります。やがて2人はそれぞれの恋人と妻を巻き込み、想像を絶する運命をたどる事になります…

2013年製作/90分/カナダ・スペイン合作
原題:Enemy

『複製された男』のスタッフとキャストについて

ドゥニ・ビルヌーブ監督:アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた「灼熱の魂」(10)でカナダの俊英として国際的に注目を集める。13年には米国進出作「プリズナーズ」と「複製された男」の2本のスリラーを発表。

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ジェイク・ギレンホール(アダム・アンソニ―一人二役):容貌は瓜二つ乍ら、性格は正反対のふたりの男を演じています。

メラニー・ロラン(メアリ―):09年、クエンティン・タランティーノ監督作「イングロリアス・バスターズ」でナチス将校に復讐を企てる主人公に抜てきされ、一躍国際的な注目を集めた。

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サラ・ガドン(ヘレン):11年の「危険なメソッド」以降はデビッド・クローネンバーグ監督の常連となり、「コズモポリス」(12)や「マップ・トゥ・ザ・スターズ」(14)にも出演しています。

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『複製された男』のネタバレ感想・見どころ

本作を一度見ただけでは全く意味が分からず、ネット情報の「解説」を何本か読ませて頂き、漸く謎解きが少し出来たという難解な作品でした。よって、前知識、事前情報の入手は本作を理解する為には必須となると思います。

自由に閲覧する事が可能な第三者の映画解釈をここで、紹介してもあまり意味が無いので、私なりの感想を書きたいと思います。

そもそも誤解の大もとは邦題にあります。『複製された男』(原題は「Enemy=敵」)コピー人間、あるいはクローン人間ではないかと思わせています。そういったSF的な物語と展開するのかとも思いましたが、この推測は全く違っていました。

冒頭、怪しげな部屋でいやらしい目をした男性が集まって、妖艶な女性の踊りを眺めています。そして、大きな生きた蜘蛛をハイヒールで踏みつぶそうとしていました。これがどいう意味なのかは直ぐには分かりません。また、蜘蛛は作品の中でも何度か出てきますが、一番強烈なのは最後に妊娠6か月のヘレンが部屋の片隅で大きな蜘蛛に突如変身してしまうところです。蜘蛛は”自分の性的欲望を抑えつける抑圧の象徴としての母(もしくは妻)”だといいます。確かに言われて見ればそのようだという気がしますが…私は当然の事乍らヘレンはもともと蜘蛛で美しい女性に変身していたと解釈しましたが、これもまったく違っていました!?

アダムとアンソニ―は表面的容貌は瓜二つですが、内面的な性格は正反対となっています。驚くべき事にアンソニーは突如、アダムに対して一日だけお互いの妻・恋人を交換しようというむちゃくちゃな恐るべき提案をしています。バレずに上手く行ったかに思われましたが、指輪の跡でアンソニーはアダム本人ではない事がバレてしまいます。そしてその結末が恐ろしい結果を生みます。

映画のシーンにはあらゆる”ヒント”が散りばめられています。しかしながら、その解釈はどれも複雑で、その言葉、そのモノが何を意味するのか注意深く観察する必要があります。たとえば、アンソニーの妻ヘレンは妊娠6か月でした。また、彼は6か月間、俳優の事務所に顔を出していなかったという事なども分かって来ます。6か月間彼は何をしていたのか…

かなり凝りに凝った内容の映画で、解釈するには少々頭をフル回転させる必要がありそうです。(疲れそうなので、感じるままで良いのかも…)

ついでに、本作も「スタジオ24」が手掛けた映画となります。アカデミー賞受賞作、ノミネート作が目白押しのスタジオで非常に興味深い作品を立て続けに発表しています。

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