『新しい人生のはじめかた』のあらすじと概要
アカデミー賞俳優のダスティン・ホフマン＆エマ・トンプソン共演による恋愛ドラマ。バツイチのCM作曲家ハーベイ（ホフマン）は娘の結婚式のため、ニューヨークから遠路はるばるロンドンに来ましたが、終始携帯電話による仕事の話ばかりで落ち着かず、周囲から浮いた存在に…娘からはバージンロードは義父と歩きたいと言われ彼と歩くことを断られてしまいます。更に、突然のトラブルで仕事はクビになるなど散々な目に遭います。そんな中、ハーベイはニューヨーク行きの飛行機に乗り遅れた為、空港のバーで一人で飲んでいた中年女性ケイト（トンプソン）と出会うことになります。
2008年製作／93分／アメリカ
原題：Last Chance Harvey
『新しい人生のはじめかた』のスタッフとキャストについて
ジョエル・ホプキンス監督・脚本：女優のエマ・トンプソンに出会い、彼女がブロードウェイの舞台でダスティン・ホフマンと共演しているのを見、二人の間の化学反応を生かした脚本を書き、年老いたが人生を楽しんでいる映画（本作）を作成することになります。
ダスティン・ホフマン（ハーヴェイ・シャイン）：CMの音楽を手掛けるクリエーター、バツイチで現在独身。娘の結婚式に出席する為ロンドンを訪問します。しかしながら、娘と家族からは余り歓迎されているっ雰囲気ではありません。一時はプロのジャズピアノを目指した程の腕があります。
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エマ・トンプソン（ケイト・ウォーカ）：空港関連の調査委員、母親と二人暮らし。母親からは四六時中携帯電話を受け辟易している。友人から新しい男性の紹介を受けるなどしているがしっくりした男性との出会いは余り無い。小説の書き方を学ぶカルチャースクールに通っている。
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『新しい人生のはじめかた』のネタバレ感想・見どころ
邦題の付け方で随分損をしている様に思いました。原題である『Last Chance Harvey』のニュアンスとはちょっと違う題名になってしまいました。
境遇はまったく違いますが、ふたりの中年男女が偶然に出会い愛が生まれていくストーリーです。決して危なっかしい恋愛ではなく、自然に描かれていく展開が素晴らしい映画だと感じました。主演のダスティン・ホフマン、エマ・トンプソン二人の演技は完璧でした。
ダスティン・ホフマン扮するハーヴェイは仕事熱心な音楽クリエーターです。離婚してしまいましたが、多分仕事に集中して、あまり家族のケアには熱心でなかったと想像されます。再婚した元妻と暮らしていた愛娘（ハーヴェイの実子）からは結婚式で一緒にバージンロードを歩く事を「拒否」という思いもしなかった言葉を聞いて意気消沈！ おまけに披露宴には出席できず、仕事に戻らなければならない突発的な急用が出来てしまいました…ところが悪い事は重なるもの、空港までの道路が大渋滞し、ニューヨーク便に乗り遅れてしまい万事休すとなります。さらに追い打ちを掛けるように重要なクライアントが若手の起用を主張した事から、本社の指示はもう仕事にも戻らなくてもいいと言われ、呆気なく「失職」！
これ程の悲劇の連続で普通の神経の持ち主は心臓麻痺でも起こしそう（何とハーヴェイは不整脈で薬を常用していた事が後々分かりますが…）です。何もかも失ってしまった彼には、立ち直りの為に何が残されているのか非常に気になるところでした。
一方、エマ・トンプソン演じるケイトは容姿端麗で教養も豊か、小説を書く為のカルチャースクールに通うという素晴らしい趣味を持っています。問題は一緒に暮す母親でした。四六時中ケイトの都合もまったく気にすることなく、携帯電話に電話をしまくっていました。寂しさを紛らわす為なのか…美貌のケイトが良い伴侶に今まで恵まれてこなかったのは、ただただ運命のいたずらなのかもしれません。以前恋人がいた様です。
すっぽかして欠席するはずだった娘の結婚式披露宴にケイトとハーヴェイは飛び入り参加します。この展開は実際はあり得そうにありません。出会った当日いきなり二人で出席し、弾けまくっているというのも無理矢理の感じは否めません（ここは目をつぶらざるを得ません）
ターゲット視聴者もダスティン・ホフマンとほぼ同年齢の方々が対象と思われます。そんな彼が仕事も捨て、祖国までも捨てる覚悟をして、ある女性と一緒にいる大きな決断をする映画です。決断の大きさにはびっくり仰天！！
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