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おすすめ映画台湾映画『一秒先の彼女』(2020/チェン・ユーシュン監督)感想‣人よりワンテンポ早い彼女の消えたバレンタインを巡る物語

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『一秒先の彼女』のあらすじと概要

Ke HugoによるPixabayからの画像

「熱帯魚」「ラブゴーゴー」で“台湾ニューシネマの異端児”として注目を集めたチェン・ユーシュン、しばらく台湾CM業界に活躍の場を移していたが、16年ぶりに「祝宴!シェフ」で映画製作に復帰。長編復帰3作目となる本作品「一秒先の彼女」=「My Missing Valentine(英題)」は、20年前から温めていた脚本を基に撮り上げた作品。監督・脚本を手がけている。2020年・第57回金馬奨(台湾アカデミー賞)で作品賞を含む最多5部門に輝いたファンタジックなラブストーリー。

郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋も冴えない日々を送っていた。そんなある日、彼女は街の公園で出会ったハンサムなダンス講師、少し調子の良すぎるウェンソンと、“七夕バレンタイン”にデートの約束をする。しかし彼女がふと目を覚ますと、既にバレンタインデーの翌日になっていた。シャオチーは失くした大切な1日の記憶を取り戻すべく奔走するが、見えて来たものは思いもつかぬ奇想天外な不思議な世界…

なお、台湾のバレンタインデーとは、旧暦7月7日、恋人たちの日、七夕情人節の事です。

恋愛映画の金字塔「エターナル・サンシャイン」「アバウト・タイム 愛おしい時間について」に並ぶ、“愛”と“時間”を巡る作品になっている。

と評されている。

エターナル・サンシャイン 2004年 米国映画 レビュー

感想|「アバウト・タイム 愛おしい時間について」(2013年 リチャード・カーティス監督作品)正しい超能力の使い方!

原題:消失的情人節

『一秒先の彼女』のスタッフとキャストについて

chen victorによるPixabayからの画像

チェン・ユーシュン監督:1962年生まれ、台北出身。テレビドラマのシリーズを長年のあいだ手がけたのち、95年の『熱帯魚(中国語版)』で長編監督として映画デビューした。

リー・ペイユー:1988年台北出身。台湾の最難関私立大である輔仁カトリック大学織品服裝学部服飾デザイン学科を卒業し、19歳で広告モデルとしてキャリアをスタートしている。世界各地を旅してダイビングにチャレンジし、その活躍によって第54回金鐘奨(台湾エミー賞)最優秀ライフスタイル番組司会者賞を受賞。同時に、俳優として多数の映画やTVドラマに出演している。また、挿入歌「Lost and Found」で歌声を披露し、金馬奨オリジナル楽曲賞にもノミネートされている。

何をするにも“ワンテンポ早い”シャオチー役、1拍のズレのせいか、独り身。30才。

リウ・グァンティン:1988年屏東出身。台湾で最も長い歴史を持つ国立芸術大学である国立台湾芸術大学演劇学部を卒業。最近は『お花畑から来た少年』(17)[Netflixで配信中]で、第53回金鐘奨(台湾エミー賞)最優秀助演男優賞を受賞。『ひとつの太陽』(19)[Netflixで配信中]で、第56回金馬奨(台湾アカデミー賞)最優秀助演男優賞を受賞と大活躍中。

何でも“ワンテンポ遅い”バス運転手グアタイ役。

『一秒先の彼女』のネタバレ感想

Ke HugoによるPixabayからの画像

チェン・ユーシュン監督や出演者の名前を聞いたのは初めてでした。30数年前住んでいた台北で映画はよく観ていましたが、当時人気のあったのは、やはりほとんどが香港映画でした。本作品で見る限り台北市内の街の様子などは変化が非常に大きく、いったいどこで撮影されたものかまったく見当が付きませんでした。しかしながら、シャオチ―の住んでいる、古アパートの状況を垣間見る限り、やっぱり昔の儘の台北の姿を少しだけ残されている事に少し安心しました。

郵便局員の制服も随分垢抜けているし、バスも新型(以前は運転が荒くよく急ブレーキは掛けていましたが)なので、びっくり仰天です。

郵便職員シャオチ―の顧客への対応の仕方などもどことなく、台湾らしい温かみが感じられました。

わたしは台北ではヤモリを見た経験はないのですが、壁虎ビーフー(ヤモリ)という言葉は台北で覚えたことを思い出しました。家を守るからヤモリと言うのは初耳!?

それと「豆花」。ここ数年、圧倒的な人気を見せている台湾グルメですが、その中でもタピオカに続く人気台湾スイーツとして注目を集めているのが「豆花トウファ」。豆乳で作られた絹ごし豆腐のような食感の”プリン”(蜜を掛けて食べる)です。映画の中ではこれにトッピングの『緑豆』を添えて、土産を買う約束をしながら、不思議な事に父親はその晩突如失踪してしまいます。こんな話も、何となく台湾ではあり得るのかなぁという気がしました。

さて、本題ですが、何ともファンタジックな摩訶不思議なストーリー展開に少しの間、全く頭が理解出来ず、思考停止した時間帯がありました。見て納得、嘉義周辺の海浜シーンと良い、ほのぼのとした温かみが伝わって来るストーリーに台湾ならではという感じを受けました。それにバスの運転手グアタイの人柄は余りにも好過ぎるのではないかと思いました。確かにこんな人も台湾にはいました。

グアタイはてっきりトラックに撥ねられ、もしや亡くなったもとのばかり思っていましたが、どっこい松葉杖を突いて生きていました。シャオチ―と運命的な再会が実現し、めでたしめでたし!

 

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