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おすすめ映画感想『女は二度決断する』(2017/ファティ・アキン監督)‣実話から生まれたサスペンス、絶望のどん底で彼女が決意したこととは!?

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Karsten BergmannによるPixabayからの画像
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『女は二度決断する』のあらすじ概要

「愛より強く」「そして、私たちは愛に帰る」「ソウル・キッチン」でカンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭それぞれで受賞歴を誇るドイツの名匠ファティ・アキン監督が、ダイアン・クルーガーを主演に迎え、突然の悲劇で家族を奪われた主人公の女性が絶望の中で下す決断を描いたドラマ。

ハリウッドはもちろん、フランスなどヨーロッパ映画でも活躍し、英語、フランス語、ドイツ語を操るクルーガーが、ドイツ語を使った演技に初挑戦し、2017年・第70回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した。ドイツ、ハンブルグが舞台。

トルコ移民のヌーリと結婚したカティヤは男の子を授かり幸せな家庭を築いていましたが、ある日、白昼に起こった爆発事件に巻き込まれ、ヌーリと息子のロッコが犠牲になってしまいます。警察は当初、トルコ人同士の抗争を疑っていましたが、このことは11年間もネオナチを捜査対象としなかったドイツ警察の「戦後最大の失態」とまで言われました。やがて極右派・人種差別主義者のドイツ人によるテロであることが判明。愛する家族を奪われたカティヤは、憎しみと絶望を抱えてさまよいますが……。序盤では彼女の絶望と悲しみを、中盤では法廷劇として社会の不条理をこれでもかと見せつけた後、ファティ・アキン監督は誰にも気づかれることもない自然さと静かさの中、煉獄の復讐ドラマの中に観客は見事に放り込まれます…

2017年製作/106分/ドイツ
原題:Aus dem Nichts

『女は二度決断する』のスタッフとキャストについて

ファティ・アキン監督・製作・脚本:ドイツ・ハンブルクで、トルコからの移民の両親のもとに生まれる。

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ダイアン・クルーガー(カティヤ):撮影に入る前、テロや殺人事件の多くの犠牲者と対話し、役作りしたという。「とてつもない苦しみや悲しみや重みを引き受けなければならない」と挑んだ本作であったと語っています。母国語のドイツ語のほか、フランス語、英語を流暢に話すという。本作で第70回カンヌ国際映画祭の女優賞を受賞しています。

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デニス・モシット(カティヤの優秀な弁護士ダニーロ)

ヨハネス・クリシュ(ハーバーベック 爆破テロの容疑者の弁護士)

『女は二度決断する』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り】

ドイツなどヨーロッパ各地域での移民との軋轢が起こり大きな問題になっている事の一端を本作品で知る事が出来ました。

本作品は非常に美しい映像で、且つ素晴らしい豪邸を舞台に非常に美貌の主人公を中心に物語が展開されます。一方で遭遇する事件は血生臭い、目を背けたくなり事件で、テロ事件の被告らに対する裁判劇の結末もそんな馬鹿なという最終判決【推定無罪】にはさすがに驚かされました。

更に、度肝を抜かれた結末には開いた口が塞がらないとはこのことかと思いました。なお、本作は”事実”に基づいているストーリー展開であり、「真実は小説より奇なり」で想像を絶する事が起こり得るのでしょう。

===ネタバレ有り===

愛する夫と息子を殺され、明らかに爆破テロ犯人と思われる二人組は逮捕され、裁判に掛けられます。その一味の一人の女性は爆弾を仕掛けた自転車を夫の事務所の前に放置して逃げるところを、主人公カティヤ自身に見られています。しかし、カティヤは麻薬常用者であることから、被告側の弁護士がカティヤの証言には全く信憑性がないと主張されます。また、原告側は薬物テストを拒否しています。このことから被告は証拠不十分と見做され予期に反して無罪放免となり、釈放されます。

怒り心頭のカティヤは夫・子供の仇を自ら取る事を決心します。最初は、彼らの居場所を見つけ出し、彼らが利用したであろう、化学肥料+軽油+何十本もの釘で自家製の時限爆弾を作り彼らの住むトレーラーハウス底に仕掛けます。ここまでは大変気の強い筋金入りの女性(当然ながら男性でも)ならば、心を鬼にして、超法規的な手段としてやることも、あり得ることと考えます。

ところが、カティヤは「二度目の決断」で思い直して、爆弾を背中にしょい込み自爆テロと同じようにトレーラーハウスに押し入り彼らを巻き込み爆発炎上の最期を遂げています。なんとも悲惨な事件に驚きました。勿論、まだ、「上告」という手段は残されていたので、そこまで早まらる必要はなかったのではと考えてしまいました…

 

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