『ジャーヘッド』のあらすじ概要
「アメリカン・ビューティー」「ロード・トゥ・パーディション」のサム・メンデス監督が、一歩兵の手記を原作に“地上にいた兵士”の視点から見た湾岸戦争を描く話題作。
1990年に中東へと派兵されたアメリカ海兵隊員、アンソニー・スウォフォードの湾岸戦争体験記『ジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白』(2003年出版)を原作としています。
代々海兵隊員を輩出してきた家系に生まれ、自身も父と同じ道を歩むべく、1988年に18歳で海兵隊に志願した青年、アンソニー・スウォフォード。過酷な訓練を耐え抜き、第7海兵連隊第2大隊司令部中隊付きSTAの前哨狙撃兵として1990年の夏、湾岸戦争の為サウジアラビアへと派遣されます。
使命感に燃える若き海兵隊員たちとアンソニーだったが、派遣先で待っていたのは果てしない砂漠と訓練、そしてひたすら待機する日々でした。
2005年製作/123分/アメリカ
原題:Jarhead
ロッテントマト批評家支持率:61%
『ジャーヘッド』のスタッフとキャストについて
サム・メンデス監督:1999年公開の映画監督デビュー作『アメリカン・ビューティー』でアカデミー監督賞、ゴールデングローブ賞 監督賞を受賞しています。
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ジェイク・ギレンホール(アンソニー・スウォフォード) :1999年公開の『遠い空の向こうに』で映画初主演を果たし、批評家から高い評価を受ける。2001年公開の『ドニー・ダーコ』では主人公ドニーを演じ、インディペンデント・スピリット賞主演男優賞候補へ。以後、米国期待の若手俳優として注目を浴びた。
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ピーター・サースガード(アラン・トロイ) :俳優として注目されるきっかけとなった作品は『ニュースの天才』(2003年)。この映画で全米映画批評家協会賞の助演男優賞を受賞。以降、大作からの出演オファーが増える。
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ジェイミー・フォックス(上官役、サイクス三等曹長) :
クリス・クーパー(カジンスキー中佐):
『ジャーヘッド』のネタバレ感想・見どころ
ネタバレ有り
サム・メンデス監督作品ということで視聴しました。見る前の事前知識で戦争のドンパチの無い映画作品と聞いていましたが、確かに砲弾が着弾するかなり危険地帯にいる様子は覗えるものの、主人公スウォフォードは優秀な狙撃兵でありながら、一発も打つことなく無事終戦を迎えるという結末です。
しかし、イラク戦争に参戦した当時のアメリカの海兵隊の軍隊生活の様子が、相当リアルに描かれ興味津々で見る事が出来ます。その数30万だか50万人だか覚えていませんが、膨大な数の兵卒が当時のTWA(民間航空機)でサウジアラビア?に送り込まれている様子にはさすがに驚きました。兵員輸送用の軍用機に乗せられ、送られていませんでした。
砂漠での連日の過酷な訓練、穴掘りの方が、戦闘そのものよりも厳しい様に感じました。45度以上に達する酷暑の中で、毒ガス対策用の防毒マスクを被り、防毒服を身に着けアメフトに興じるシーンもありましたが、びっくり仰天!
兵舎では余暇活動の一環に映画観賞がありました。なんと『地獄の黙示録』が上映されていました。こちらの舞台はベトナムです。殺気立った海兵隊員から「殺せ〜」という大合唱が起こります。これには、さすがに戦場に派遣されている兵士の気持ちはこんなもんだろうと想像できますが、本当にもはや理性もへったくれも失った「狂気の集団」に化していました…(嗚呼恐ろしや!)
戦闘シーンこそありません。しかし、イラクの民間人(非戦闘員とおぼしき)が避難の途中攻撃を受け、多くの犠牲者が放置されているままの現場が映し出されます。これには堪らず、実戦経験の無い兵卒は戦争の惨状を目の当たりにして、惨さに呆気に取られていました。
本作の見どころは、ジェイク・ギレンホールのなり切り海兵隊員の姿です。入隊はしたものの厳し過ぎる訓練に後悔します。また、現地では入隊した部隊での手荒な”歓迎”ぶりには驚きました。数々の試練を乗り越え一人前の”海兵隊員”に成長して行く様子が描かれていきます。しかし、人間としての平常心を保つには厳し過ぎる現実を体験したように感じました…
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