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錦秋の秘湯奥鬼怒『加仁湯』前泊、鬼怒沼トレッキング

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秘境とは言いうものの比較的容易に行くことが出来る鬼怒川温泉から40㌔の山間道路で約3時間(途中駐車場からの徒歩70分を入れて)で辿り着くことが出来ます。都会と全く異なる大自然の景色の変化に驚くばかりです。点在する寂しげな集落・温泉地も多いことに気付きます。また、カーブが多く、所々狭くなる部分もありますが、しっかり舗装された道路は快適そのもの。人気の奥鬼怒温泉郷(周辺に4軒ほど宿がひっそりと点在しています)の一軒宿「加仁湯」に前泊、草紅葉の鬼怒沼散策に出掛けてきました…

加仁湯へのアクセス

東京訪問から

【車利用の場合】全行程走行距離約200㌔(片道)

東北自動車道 → 宇都宮IC → 日光宇都宮道路 今市ICから鬼怒川温泉~川治ダムコース(国道121号線利用) → 女夫渕駐車場

【公共交通機関利用の場合】

東武浅草→鬼怒川温泉駅(東武鉄道)→ 女夫渕温泉行バス(日光市営バス)

更に、女夫渕駐車からは4㌔70分の徒歩、あるいは宿泊客は事前予約すれば宿のマイクロバス(片道役約30分)が利用可能。今回は歩く目的もあったので、徒歩で向かいました(登山靴、それなりの服装は整える必要があります)

女夫渕駐車周辺の秋色満開

土曜日午後3時頃の駐車場、70台駐車スペースはほぼ満杯の状況…

駐車場周辺で、早速サルの手段の出迎え 越冬に備えたっぷり餌を食べてまるまる肥えている。電信柱にしがみつくサル!

山の中の遊歩道を歩くか、それとも距離は多少増えますが、比較的平坦な「車道」を歩くか選択を迫られます。迷わず遊歩道にしました。帰りはマイクロバスに乗せて貰いました。車道は渓流を遥か眼下に眺める所謂、『高巻きルート』こちらも景観は抜群です

鬼怒川上流の渓谷美

同行してくれた友人です。良いペースで進みます

鬼怒川に架かる橋を渡る

赤い紅葉、黄色の紅葉と素晴らしい景観

女夫渕駐車場付近の急な登り以降、遊歩道は軽い起伏はありますが、ほぼ平坦の歩き易い道

加仁湯宿泊

秘境の一軒宿

宿に辿り着くまで車で国道121号(川治ダムコース)、道幅が時々狭くなり対向車との離合に苦労する箇所もあり、ようやくたどり着いた女夫渕駐車場。そこから更に遊歩道の歩きで漸く辿り着く事が出来る『加仁湯』です。

今回は平日金曜日に知人2名で訪問する事が出来ました。しかし、さすがに紅葉最盛期ということもありかなりの宿泊客が泊まっておりびっくり仰天。露天風呂・内風呂はそれ程混み合うという印象はなかったのですが、午後6:00の夕食会場はほぼ満席の大盛況…

人里離れたこの宿のどこにそれ程の魅力があるのでしょうか?その種明かしをしたいと思います…

ほぼ40年振りとなる再訪、以前の印象がほとんどなく新鮮な気持ちで投宿。

渓流沿いの角部屋、真夏ならば涼しい部屋だと思いますが、秋にはちょっと「寒い」位、勿論朝晩の冷え込みは厳しく既に暖房が完備されていました!

何と言っても、みやげ屋・温泉街などの一切無いな”秘境ムード”満点の一軒宿の雰囲気です。空気・水が新鮮で美味しい。

自慢の露天風呂

”秘境”には欠かす事が出来ない。温泉、それも乳白濁の大露天風呂。加仁湯には大きく分けてお風呂は3か所、露天風呂、内湯、ミニ露天風呂(浪漫の湯)それぞれ源泉が異なるので、色々入り比べを楽しむ事が出来ます。わたしは明日に鬼怒沼”ハイキング”を控えていたので、温泉に入り過ぎて筋肉が緩みはしないか多少心配しました。この点に関しては日頃の疲れも癒され温泉のプラス効果が十分堪能出来たと思います。

乳白色の硫黄泉こちらは混浴でした。しかし、微妙な感じの岩の仕切りがあるのが”謎”バスタオルまきのご婦人が入られていました…

硫黄臭はそれほど気になりません

夜間の露天風呂、煌々と輝く電灯があるので安心…40年前は灯りが少なく相当暗く、入浴されている方の男女の区別が付かなかった様な記憶があります。

内湯の温度と比較するとちょっと温(ぬる)めの為、長湯が出来てしまう・・・

良い湯加減(熱め)の内湯、こちらは洗い場に石鹸・シャンプーなども完備されています。露天風呂の源泉と明らかに異なる、白濁が薄い。時間と共に白濁度合いが増している様です。こちらはトレッキング終了時に戻って、午後2時頃入浴した時の湯船の色(ほぼ透明)

小さく間仕切りの有るミニ露天風呂4か所あり。『浪漫の湯』と名付けられている。しかしながら、その内の2つ湯船はかなり高温の為、入浴を断念!

人の目を気にせず”優雅に”温泉に入りたい人用!?

大広間での食事

山間深奥部の”秘湯”の宿なので、どちらかというと素朴な料理満載…

上写真は朝食、通常7:30より食事時間ですが、登山客用には特別に7:00に準備してもらいました。更に昼食用の梅おにぎり2個+佃煮入り弁当(600円)を準備頂きました…

加仁湯前泊から鬼怒沼へ往復のトレッキング

鬼怒沼(高層湿原)・鬼怒沼山ハイキング基地として最適です。所要時間も5,6時間とそこそこで早朝出発すれば午前中に戻る事も十分可能。登山者が一番多い時期はやはり10月のようです。これも納得。

加仁湯から鬼怒沼までのコースは「ハイキング」というにはちょっときついかなという印象を受けました。標高差1300㍍前後、登り2時間半程度ですが、結構登山開始早々にきつい上りが連続します。湿原が現れる手前は緩やかな登りになります。登山道はある程度整備されていますが、一部荒れた箇所も何か所かあるので、特に下山時(雨天)は注意をする必要があります。

加仁湯を8時に出発、鬼怒沼まで2時間半と予定していました。帰りのマイクロバスの出発が14:30と聞いていたので、Ⅰ時間前の帰着、ゆっくり風呂で汗を流せる時間内(13:30)に帰着を目指しました。

木製の橋の欄干の見事な苔

歩き始めはなだらか

前日加仁湯到着前に通り過ぎた「八丁の湯」

八丁の湯の宿泊棟 重厚な丸太をふんだんに使用した瀟洒な宿という雰囲気

巨木揃いの登山道、どこもかしこも手つかずの大自然が残ります…

日光沢温泉 玄関の前からが登山道が伸びています

登山道入口右手にある水飲み場、この水はとても美味しかった

コンクリート造りに改装する以前の加仁湯もこんな感じだった様な記憶が・・・赤い屋根に何となく郷愁を誘われます。

こんな大きな岩も大雨の後の激流でごろごろと爆音を立てながら転がる時があります…

痛い痛しい崖崩れの後も各所にあり

登山日当時は午前9時から小雨の天気予報でしたが、登山中は一切雨に降られる事はありませんでした。

高度を上げると紅葉が少なくなり、大量の落ち葉

苔生す大岩

登山道は整備されているものの、足場が崩れてしまっている箇所も多く非常に歩き難い。下山時にもひと苦労。

植生が変化し、紅葉は見られなくなりました

スギゴケ❓まん丸

突如開けた高層湿原 草紅葉!

一面の草紅葉

上空は雲動きが大変に激しく、青空をのぞかせる時もあれば、厚い雲に覆われる瞬間もあります

木道で湿原は保護されています

尾瀬燧がこんなに間近に!

尾瀬より標高は1000㍍も高い(2020㍍前後)

大小様々な池塘が点在

標高が高い為、登りにかいた汗が冷えて寒くなってきました…早々に下山開始!

最後に

実は、奥鬼怒の今年の紅葉時期を良く調べた上で、加仁湯に予約を入れたわけではありませんでした。今回同行頂いた知人の都合が良い日にちをたまたま選びました。幸いな事に”紅葉の最盛期”にドンぴしゃりと合わせる事が出来ました。また、加仁湯の方が言うには紅葉は一日違いでも赤さ、黄色さに違いが出るほど毎日変化しているとのことでした。

また、前日の天気予報では登山日は午前9:00から雨でしたが、朝恐る恐る窓から空を眺めると雲の流れも激しく、青空は少し出ている状態でした。出発間際にお会いした宿の人からは今日の天気は快復基調との心強い言葉を頂き出発しました。結果的に全く雨に降られることも無く、途中太陽の光も出て汗も相当かく事になり増した。日頃の行いが相当良いこともあり、雨に一切降られることなく無事宿まで戻る事が出来ました。なお、翌日の予報は雪マークにもドッキリされられました…【但し、山の天気は変わり易く、万全の準備をして登山に臨むことは肝要です】

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