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おすすめ映画『渦 官能の悪夢』(2000/ドゥニ・ビルヌーブ監督)感想‣若くして成功した女性の転落と再生を描いた奇妙な人生悲喜劇!

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『渦 官能の悪夢』のネタバレ感想・見どころ

冒頭、いきなりグロテスクな深海魚の映像が現れびっくり仰天。なんとその魚が語り出す手法には驚かされました。魚との関連は主人公ビビアンが酔って車を運転した為に轢いてしまった男性が魚介類の加工工場で働いているという設定でした。何度も映し出される魚を捌く作業場内部の薄気味悪い描写が物語全体の雰囲気を盛り下げている様な気がしました。魚を捌くシーンの多く用いた”理由”がイマイチ理解出来ませんでしたが…

ストーリーは単純です。大女優の娘ビビアンがブティックの経営を任されています。最近の経営状況はあまりうまく芳しくありません。更に映画の冒頭では中絶手術を受けたばかりで、鬱状況が映し出されます。深酔いした挙句酔っ払い運転で事故を起こします。恐ろしくなって事故現場から逃げ出していしまいます。後の新聞で、被害者は自宅に戻った後亡くなったという記事を読みます。良心の呵責に苛まれ、すっかりふさぎ込んでしまいます。事故を起こした車を徹底的に洗車したり、最後には川か海に沈めていました。ところが、電車を待つプラットフォームの椅子で居合わせた他人に事故を起こし人を殺した事をひっそりと打ち明けていました。やる事が常軌を逸した事ばかりで、精神的に追い込まれていました…

彼女はせめてもの償いの為に、警察に自首する事無く遺体安置所を訪れています。しかし、そこで、偶然に被害者の息子エヴィアンと鉢合わせする事になります。息子は父親には友達付き合いをしている様な人はいない筈と訝しがりますが、彼女は近所付き合いがあったと説明していました。

やがて遺品整理を手伝っている内に、お互いの関心を持つようになっていきます。ノルウェーに返ろうとするエヴィアンを引き止め、関係を持つ事に…しかも彼が一人で乗るはずだったノルウェー行きの飛行機は墜落するというニュースを知りびっくり仰天。ビビアンとの運命的な出会いに驚きます。益々関係が深まる二人でしたが、ビビアン隠し切れず彼の父親の交通事故の犯人は自分であることを打ち明けていました…

ラストでは父親の望み通りノルウェーの海に遺灰を巻くシーンで終わります。

『渦 官能の悪夢』のあらすじと概要

ユニークな話法で描いた、現代社会を生きる孤独な女性の苦悩と再生の物語。監督・脚本はこれが長編第2作となる新鋭デニ・ヴィルヌーヴ。2001年ベルリン映画祭国際批評家連盟賞、カナダ・ジニー賞主要5部門、トロント映画祭最優秀カナダ映画賞、モントリオール映画祭最優秀カナダ映画賞ほか受賞。

中絶手術をしたばかりのビビアン(マリ・ジョゼ・クローズ)は、大女優の娘に生まれ、25歳の若さにしてブティックのオーナーとなります。しかし経営状態は思わしくなく、絶望を紛らわすために親友クレール(ステファニー・モーゲンスターン)から慰めを受け、クラブに繰り出し酒をあおります。そして深夜、彼女は酒に酔って車を運転、誤ってある男を轢いてしまいます。しかし彼女はパニックになりその場から去ってしまいます。

事件は発覚しませんでしたが、ビビアンは事故をひた隠しますが不安に苛まれ、男との刹那的な関係で気を紛らわそうとします。しかし、混乱は決して消えません。やがて彼女は、自分が殺した男が年老いた魚の卸売り業者だと知ることに…せめてもの償いをしようと男の死体が安置された場所に出掛けますが、そこで彼の息子であるエヴィアン(ジャン・ニコラス・ヴェロー)と運命的な出会いを果たします。まもなく二人は恋におち、共にノルウェーの海に死んだ男の遺灰を撒くのですが…

2000年製作/86分/カナダ
原題:Maelstrom

『渦 官能の悪夢』のスタッフとキャストについて

ドゥニ・ビルヌーブ監督・脚本:本作は長編映画2作目となる作品です。登場人物の顔のアップを多用している事が特徴的な映像。

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マリ・ジョゼ・クローズ(ビビアン):大女優の娘として生まれ、ブティックの経営に乗り出します。

ジャン・ニコラス・ヴェロー(エヴィアン):ビビアンが起こした交通事故により父親を亡くした息子、ノルウェイで潜水夫をしている。父親の亡骸を引き取りに来ますが、既に火葬されていた遺灰を引き取り、遺品整理をビビアンに協力を依頼する。

ステファニー・モーゲンスターン(クレール):ビビアンの親友。

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