『リミット・オブ・アサシン』のあらすじと概要
アカデミー助演男優賞の候補になった「6才のボクが、大人になるまで」、今年公開の映画「15年後のラブソング」などで持ち前の演技力を発揮したドラマ作品での活躍が目立つホークが、アクション映画に単独主演している。組織に裏切られ、愛する家族を殺され自らも命を落とした(!)凄腕の殺し屋が、24時間限りの命を与えられて復活し、南アフリカ、香港を舞台にすべてを奪った組織に復讐する姿を描きます。
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『リミット・オブ・アサシン』のスタッフとキャストについて
ブライアン・スムルツ監督:スタントマン出身で「X-MEN」シリーズなどで第2班監督を務めてきた
イーサン・ホーク (暗殺者トラヴィス役):殺し屋。組織の手により1年前に妻と子どもを亡くす。レッド・マウンテンの開発した技術により、蘇生を果たしたが、亡くなった息子の幻覚を見るようになる。
許晴 (インターポール リン捜査官役):中華人民共和国の少数民族であるトゥチャ(土家)族の女優。北京出身。1990年の映画『人生は琴の弦のように』で主演デビューを果たす。12才ほどのひとり息子を香港の自宅に残し任務についている。
『リミット・オブ・アサシン』のネタバレ感想
ネタバレ有り。
イーサン・ホークのSFアクションムービー。民間軍事会社の内部告発者を巡る事件に、トラビスは既に半ば引退した身である為に、元同僚からの協力要請の誘いにも中々応じようとはしない。しかしながら、日当100万ドルの報酬額を提示され、いとも簡単に参加を応諾してしまいます。一日一億円の仕事というのも命懸けだとは思いますが、金次第でやる気がメラメラと湧き起こる、「打算的」な所は、本来かなり笑えるところではないでしょうか?
密告者を保護するインターポールのリンは中国の少数民族土家族出身だそうです。土家族は湖南省、湖北省に主に住んでいます。少数民族とはいうものの総人口は800万人です。リン役の許晴の顔は一般の中国人と余り区別はつきません。それにしても少数民族出身者がハリウッド映画で活躍するのは珍しい例かも知れません。
本作品は中国側資本も入っていたようなので、香港を舞台にしたり、わざわざ中国人(土家族)を起用したりしています。インターポールの捜査官役ととしてはリンは少し頼りなかったかなと思えました。
本作映画の一番の驚きは映画の前半でトラビスが呆気なく殺されてしまう瞬間です。胸を撃ち抜かれてしまいますが、次の瞬間蘇生しているところは漫画チック。何とこの蘇生技術そのものが今回の巨悪の根源であるレッド・マウンテン社が開発した秘密兵器だった事はあとで分かっていきます。
ご丁寧にも蘇生時間も24時間という制限時間付きです。刻々迫る死期にぞくぞくさせられるはずですが、演じるイーサン・ホークにはそれほど緊張感を感じることはを出来ません。
処方された薬の影響で家族(息子)の幻覚ばかり目に入り、朦朧とするシーンに徐々に緊張感は打ち消されてしまいます。
映画ファン誰もが認めるようにラブロマンス映画にぴったりはまり役のイーサン・ホークですが、このようなアクションムービーの活躍ぶりにも目を見張るべきものがあるのは確かです。
ど派手なカーアクションなどは南アフリカのケープタウンの街並を走り抜けますが、これはめったに見られないシーンだと思います。高速道路を不通にして、脇道に逸れたところ、バラックの立ち並ぶスラム街でのシーンも圧巻です。
本作品のストーリーは単純明快で非常に分かりやすく、いいテンポの映画なのですが、正直至る所に突っ込みどころがあります。そんなところは、やはり映画の評価を少し下げてしまっている原因かもしれません。
最後に(余談ながら…)
かなり以前、ビジネス出張でヨハネスブルグまで行ったことがあります。当時はまだ、香港経由キャセイ・パシフィックの飛行機が南アフリカまで行っていない時代でした。なんと、BA便を乗り継ぎロンドン経由行きました。飛行時間は計24時間位掛かった様に覚えています。まだ、アパルトヘイトが施行されている古い時代でした。ヨハネスブルグの町の道路や公園には仕事をしていない黒人が多く屯す光景がなんとなく不気味に思えました。
24時間と大変な思いをして辿りついた南アフリカでしたが、時差が酷く、到着一日目は意識が朦朧として、且つ、初めて聞く南アフリカ”英語”で全く仕事にならなかった記憶があります。
着陸前の飛行機からヨハネスブルグの住宅街を見下ろすことが出来、当時の白人専用の住宅地だと思いますが、どの家にも青々として水を溜めたプールとテニスコートが見えました。
そんな想い出の南アフリカですが、現在の様子を映画で覘く限り、昔の懐かしさを残す光景は殆んど無い様な気がします。大変遠いので、個人旅行でもう一度訪問する機会はもう無いのかもしれません。
南アフリカを舞台とした映画は少ないので、本作品を見て懐かしい昔を少し思い出してしまいました。
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