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映画感想|『マネーショート 華麗なる大逆転』(2015/アダム・マッケイ監督)原作はマイケル・ルイス著ノンフィクション「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」

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『マネーショート華麗なる大逆転』のあらすじと概要

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クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラッド・ピットという豪華キャストが共演し、リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人の男たちの実話をもとにした映画。

映画「マネーボール」の原作者マイケル・ルイスによるノンフィクション「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」を原作に、「アントマン」脚本などを手がけてきたアダム・マッケイが監督。

第88回アカデミー賞では作品賞、監督賞など主要部門を含む合計5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。

2004年から2006年にかけて、アメリカ合衆国では住宅価格が上昇し、住宅ローンの債権が高利回りの金融商品として脚光を浴びていた。多くの投資家たちがそうした金融商品を買いあさる中で、いち早くバブル崩壊の兆しを読み取った投資家もいた。本作はそんな彼らがどのようにしてサブプライム住宅ローン危機の中で巨額の利益を上げたのかを描き出している。

2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい、そこで彼は、サブプライムローンの価値が暴落した場合、巨額の保険金を手にできるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)契約を投資銀行と結び、出し抜こうと考えた。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込んでいく。

『マネーショート華麗なる大逆転』のスタッフとキャストについて

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アダム・マッケイ監督・脚本:最近の映画オリビア・ワイルド監督の『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー (Booksmart)』 (2019)では 製作総指揮を担当していた。他に、「アメリカ史上最強で最凶の副大統領」と呼ばれたディック・チェイニーを描き、主演はクリスチャン・ベールが務めた映画「バイス」などがある。

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クリスチャン・ベール:金融トレーダーマイケルを演じている。一見、風変わりな容貌のトレーダー、鋭い洞察力・分析力をもとに、世紀の賭けにでる 。

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ライアン・ゴスリング:銀行家ジャレド。本作品の中での出番はそれ程多くなかったのが残念でした。

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ブラッド・ピット:伝説の銀行家ベン。

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スティーヴ・カレル:ヘッジファンドマネージャーのマーク。

『マネーショート華麗なる大逆転』のネタバレ感想

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サブプライムローンと聞くと、既に相当昔のことの様に実感されますが、実際は10年ちょい前の金融破たんの大危機でした。映画を見る観客は実際金融破たんが起こった事を十分承知しているので、金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)らの行動が正しいことが分かっています。しかしながら、映画の中の実際、住宅バブルの中にいる人間にとっては、自分がバブルの中にいる事を意識する事は出来ないと思います。『赤信号みんなで渡れば怖くない』と同じ心理だったのだと思います。

ファンド会社のメンバーが実際にフロリダの住宅開発地の現状や住宅ローンの契約条件などの現地調査に訪れていますが、ほとんど収入の無い人にもローンを組んでいるということでした。破綻するのは誰が見ても明らかな詐欺行為だった実態が良く理解出来ます。

詐欺まがい(あるいは詐欺そのもの)の証券の販売を背景とするこのサブプライム・ローン問題により、全米では800万人が失業し、600万人が家を失ったというから大きな悲劇です。また、当然の事乍らその影響は日本を初め全世界に重大な影響を及ぼしました。

映画としては、面白いテーマに挑戦していますが、登場人物が多過ぎる上に、主要人物が個別にサブプライム・ローン問題に立ち向かう筋書きの為、クリスチャン・ベールとライアン・ゴスリング、ブラッド・ピットらがもっと多く絡むシーンを期待していましたが、余り多くなかったのが少し残念でした。

なお、映画の冒頭に女優のマーゴット・ロビーが本人役で出演し、“サブプライムローンがいかにクソか”をシャンパンを片手に、泡風呂に入浴しながら色気ムンムンで解説してくれているシーンが出現しびっくり映像がありました。さらに、さらには、世界的歌姫セレーナ・ゴメスも登場し、愛嬌たっぷりに金融業界の仕組みを解説してくれているのですが、彼女自身は映画の脚本を読んでもさっぱり意味が分からなかったと、インタビューに正直に答えていました。

ちなみに、原題: The Big Short(世紀の空売り)で邦題が少し分かりずらい感じがしました。

最後に

正直、もう少し分かり易い編集にならなかったものかという印象を持ちました。超豪華顔ぶれの主人公たちの同時並行的に進行される行動が総花的に描写されています。それぞれ登場人物に焦点を当ており、映画のストーリー同様な展開が、実際にあったのかもしれません。しかしながら、映画としてはもう少し焦点を絞り込んだ方がすっきりして、観客にも分かり易かったかもしれません。上述したとおり、主要人物間同士の辛みのシーンが希薄だった印象がありました。

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