
おすすめの歴史小説『塞王の盾』(今村翔吾著 集英社)直木賞受賞作 感想‣戦国時代の城壁造りの石工の棟梁が舞台の歴史ドラマ…
近江の国・大津城を舞台に、城郭の石垣職人“穴太衆”と鉄砲・大砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極の戦国小説。主人公匡介(きょうすけ)は幼い頃、越前一乗谷の落城によって家族を失うことになります。運良く命を救われた石工集団の親方から石工としての才能を見込まれ、技能を仕込まれていきます。彼は「絶対に破られない石垣」を作れば、世から戦を無くせると考えていました。一方、戦で父を喪った鉄砲職人の彦九郎(げんくろう)は「どんな城も落とす砲」で人を殺し、その恐怖を天下に知らしめれば、戦をする者はいなくなると考えていました。秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次に琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任されることになります。攻め手の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼しました。大軍4万に囲まれ、3000人で守る絶体絶命の大津城を舞台に、信念をかけた職人同士の対決が火花を散らすことになります。