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おすすめ映画|『リチャード・ジュエル』(2019/クリント・イーストウッド監督)英雄が一瞬にして容疑者に!

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リチャード・ジュエルのあらすじと概要

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警備員のリチャード・ジュエルは、公園のベンチの下に、不審なバッグが置かれているのを見つける。周囲にいた捜査官に連絡し詳細を確認すると、中身は殺傷能力の高いパイプ爆弾だった。そのとき公園は、コンサートを見に来た数1000人の一般客で超満員、リチャード達は観客らを爆弾から避難させる為に命懸で誘導した。

リチャードはどこにでもいる、いたって普通の男性だ。母親と2人暮らしで、正義感が強く、警官などの“法執行官”への強いあこがれを持ち、自分の使命は人々を助けることだと信じている。

96年7月27日、アトランタのオリンピック公園でのコンサートを警備していたリチャードは、爆弾を見つけ、大勢の命を救った。英雄視される一方で、FBIは彼を事件の容疑者と断定し、強引な捜査を始めていた。さらに、漏洩した情報を地元メディアが実名報道したことから、これは多くの多くの観客からは大いに批判を浴びる大問題であるが、地元メディアが色仕掛けでFBI捜査官から事実が固まっていない情報を新聞に発表してしまったことが原因となって、リチャードはヒーローから一転、事実無根の“世界の敵”にされてしまうのだ。

このFBIは徹底的な捜査を継続して犯行の物的証拠や言質、証言を取ろうとするが全く取れない、地元メディアは徹底的に貶めた犯人像を描き続け、日に日にエスカレートしていく。

一方、口は悪いが信念は曲げない弁護士ワトソン・ブライアント。リチャードとの出会いは、86年にまでさかのぼる。2人はリチャードが働く事務所で知り合い、「チョコレート」と正義感をきっかけに親しくなり、友情を育んでいた。それから10年が経ち、テレビでリチャードの活躍を知ったワトソンは、「よくやった」と目を細める。

しかし彼からの助けを求める電話を受け、ワトソンは彼の無実を確信し、弁護を担当することになる。2人の友情とワトソンの正義感はいつまでもまったく揺るぐことがない。彼らは図らずもFBIやメディアの抱える問題点を明らかにしながら、やがて感動的な結末へと突き進すむ。怒りと興奮の実話に基づくストーリー。131分。

同じく冤罪を取り扱った最近の映画は 黒い司法 0%からの奇跡 マイケル・B・ジョーダン主演映画レビューがあります。

また、冤罪ではありませんが、法の下での男女平等の権利獲得の為に戦った女性弁護士の実話の映画、

映画「ビリーブ 未来への大逆転」(DVD)を見てみたなどがあります。

リチャード・ジュエルのネタバレ感想

ストーリーとテーマについて

誤認逮捕、FBIによる犯人ねつ造がメディアやSNSによって拡散されてしまう恐ろしさは1990年代当時よりも現在の方がそのリスクは大きくなっていると思う。FBIの捜査は余りに稚拙であり、証拠も全くない人物をただ単に『事件は第一発見者を疑え』という迷信を鵜呑みに信じて、リチャードを疑い、嘗てのリチャードの上司出会った大学(学校)の校長のリチャードに対する人物評(問題を起こしがちで余り信頼できる人物ではないという個人的な意見)を鵜呑みにしてしまっている事が事件の発端、さらに上述したが、地元メディアのやり手記者が色仕掛けでFBI捜査情報を聞き出し、裏付けもまったくないまま朝刊の一面で大々的に報道してしまうという大きなミスを犯す。これは全く許されない事だと思う。

さらにすべてのメディアが昨日まで英雄視していた人物を、一夜にして掌返しで「真犯人」呼ばわりする変わり身の早さにも多くの観客は腹を立てずにはいられない。余りにも無責任過ぎる。恐ろしいのが、これらの問題は現在ではいつ誰にでも同じ問題が起こらないとも限らず、明日は我が身に起こり得る問題と警鐘を鳴らしている。

演出や脚本について

現在のSNS、メディア万能の時代のリスクを懸念して本編を監督しているのが、今年90歳を迎えるクリント・イーストウッド監督というのだから、その砥ぎ澄まれた時代感覚には恐れ入る。監督は常に新しく作られる作品こそが「最高傑作」と述べているらしいが、その野心に驚かされる。

役作りについては、登場人物のモデルとなった実在のリチャードとリチャード役のポール・ウォルター・ハウザーが凄く似ていて、実際の母親も違いが分からない程のそっくり度だったらしい。心優しい一方、尊敬を集めたいという下心が透けるリチャードの内面や言動を、絶妙なコントロールで表現しきっているせいか、観客からは「リチャード、もっとやり返せ,言い返せよ!」という声援が聞こえてきそうだったが、そこに感極まった、弁護士ワトソンが怒りをぶちまける。「バカどもを打ち負かそう」と気炎をあげるシーンがとても印象的だった。

 

キャラクター&キャストについて

監督:クリント・イーストウッド 1930年5月31日サンフランシスコ生まれ、89歳というから驚き、1年に1作品のペースで映画を撮り続けているし、どれもが傑作。監督としても『許されざる者』(92)『ミリオンダラー・ベイビー』(04)でアカデミー作品賞とアカデミー監督賞を2度受賞、前回の『運び屋』(18)も良かった。是非次回作も期待しています。

リチャード役ポール・ウォルター・ハウザー:1986年ミシガン州生まれ、2010年以降、プロの俳優として多くのテレビドラマに出演するが、名を上げたのは2017年の映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で演じた実在の人物ショーン・エッカート役と2018年の『ブラック・クランズマン』という評価の高い作品に印象的な脇役で出演して役者としての評価と知名度を上げる。

アイ、トーニャはこちらマーゴット・ロビー主演「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」あらすじネタバレ感想!

ワトソン弁護士役サム・ロックウェル:1968年米カリフォルニア州出身、大ヒット作「グリーンマイル」(99)や「チャーリーズ・エンジェル」(00)で重要な役どころを演じ、ジョージ・クルーニー初監督作「コンフェッション」(02)ではベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)を受賞。その後も「マッチスティック・メン」(03)、「フロスト×ニクソン」(08)、「アイアンマン2」(10)といったメジャー作品から、「月に囚われた男」(09)といったインディペンデント作品まで幅広く活躍。マーティン・マクドナー監督とは「セブン・サイコパス」(12)に続き「スリー・ビルボード」(17)でもタッグを組み、後者でアカデミー賞をはじめ、ゴールデングローブ賞や全米俳優組合賞などの助演男優賞を受賞。

リチャードの母親には『ビリーブ 未来への大逆転』のキャシー・ベーツが出演。

映画「ビリーブ 未来への大逆転」(DVD)を見てみた上段に既に紹介済ですが)

まとめ

監督89歳にして、40作目の監督作品というからびっくり仰天! しかも作品すべてが個性的でマンネリ感はまったくない、その創作意欲はどこからほとばしり出てくるのだろう。わたしは90歳まで映画館に自分の足で行くことが出来るかどうかが心配なのにこの年で映画を作っているというのは凄過ぎる。

見応えのある作品を続々と世に送り出している。おすすめ度 ★★★★★

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