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おすすめ映画|『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年/マーティン・スコセッシ監督)レオナルド・ディカプリオと同監督との初タッグの映画

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「ギャング・オブ・ニューヨーク」のあらすじと概要

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「タクシー・ドライバー」(76)、「レイジング・ブル」(80)など数々の名作を残してきたマーティン・スコセッシ監督。ニューヨーク出身、ニューヨーク大で映画を学んだ彼は、これまでもニューヨークを舞台にした作品が多い。本作品「ギャング・オブ・ニューヨーク」おすすめ映画|『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年/マーティン・スコセッシ監督)レオナルド・ディカプリオと同監督との初タッグの映画は、その彼が1860年代、ニューヨークの勃興期の混沌としたエネルギッシュな時代を描くもの。

監督のマーティン・スコセッシは「構想に30年を要した」と語っている程、どうしても撮りたかった映画だそうです。撮影はローマ郊外の大規模映画スタジオである「チネチッタ」に当時のニューヨークの町並みを完全再現して行われ、撮影期間270日、制作費約150億円と膨大な費用がつぎ込まれた大作となっています。

本作品は、第75回(2002年)アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞・撮影賞・編集賞・美術賞・衣装デザイン賞・歌曲賞・録音賞の10部門にノミネートされましたが、残念ながら何れも受賞には至っていない。(更に、本来の主演はレオナルド・ディカプリオとされていたが、主演男優賞にノミネートされたのは、なんとダニエル・デイ=ルイスでした)。

(あらすじ)

1861年、ニューヨーク。縄張り争いを繰り広げる移民同士の抗争により、目の前で父親を殺された少年のアムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)。自らも投獄された彼は、15年後、父を殺したギャング組織のボス、ビル(ダニエル・デイ=ルイス)への復讐を誓い、この地に帰ってきました。素性を隠し、ビルの組織に入り込んだアムステルダムは、才能を生かしうまく立ち回り、ビルの信頼を得ていく、そこで美しくも謎めいた女スリジェニー(キャメロン・ディアス)に巡り出会い、許されない恋に陥ります。

一方、父の仇を獲る復讐心を忘れず、そのチャンスを覗っていました。再び移民同士の抗争が再開するが、正にその当日、徴兵を免除されるのに必要な特別税を払う余裕の無い貧困層をはじめとする住民達が南北戦争を進める政府に反感を抱く中、遂に耐えかねた住民らによる大規模なニューヨーク徴兵暴動が勃発します。

暴徒が荒れ狂い、陸海軍が暴徒に無差別攻撃を浴びせる中、白人にょる黒人への暴行、貧困層による富裕層への攻撃、有色人種への迫害など折り重なる悲惨な事態が出現、文字通り地獄絵図の中、アムステルダムはビルと一対一の対決に臨むことになります。

「ギャング・オブ・ニューヨーク」のスタッフとキャストについて

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マーティン・スコセッシ監督:今後長くタッグを組むことになるディカプリオとは初めての取り組み作品。現在六作目となりタッグ作品に取り組んでいるそうです。米フランクリン・ルーズベルト大統領の自伝映画『ルーズベルト』!まだ先の話ですが、公開が待たれます。

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レオナルド・ディカプリオ(アムステルダム役):本作品中では主演ながら、ダニエル・デイ=ルイスの演技力に完全に飲み込まれてしまい、影が薄かったのか、アカデミー賞の主演男優賞の候補にノミネートされたのはダニエルだった!

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ダニエル・デイ=ルイス(ネイティブアメリカン首領ビル役):

一時期、俳優業を休業して靴屋になるためにイタリアで修行していたところを、マーティン・スコセッシ監督に口説かれて、2002年公開の本作品『ギャング・オブ・ニューヨーク』で俳優復帰したという。この作品でアカデミー主演男優賞にノミネートされた。(受賞はならず)なお、2007年公開の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』では第80回アカデミー賞主演男優賞(2度目)を始めとする多数の映画賞を受賞した。2012年公開の『リンカーン』(スティーブン・スピルバーグ監督)で、第85回アカデミー賞主演男優賞を受賞、史上初となる3度目の同賞受賞者となった程の演技力のある俳優のひとり。

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の投稿感想記事はこちら(個性的な主人公の壮絶な人生を演出):

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キャメロン・ディアス(女スリ師 ジェニー役):ディカプリオとのロマンスはあるものの、本作品の中でのシリアスな演技のインパクトは若干薄目。

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「ギャング・オブ・ニューヨーク」のネタバレ感想

Kai PilgerによるPixabayからの画像

冒頭シーンから恐ろしい縄張り争い勃発して、びっくり仰天しましたが、1800年代半ばのニューヨークが舞台だそうです。リンカーン大統領の南北戦争という時代背景です。かなり殺伐とした物騒な時代だった事が良く分かります。特にアイルランド飢饉の影響から毎日大量のアイルランド移民がニューヨークに押し掛けてきます。全く身寄りの無い移民は三食にありつけるという宣伝文句につられて、北軍兵士として南部にどんどん送られていきます。同時に棺桶に入れられた無数の遺体ニューヨークに送り返されてくるという惨状は目を覆うばかりの状況です。

碌に言葉も通じず(何度となく英語をしゃべれという会話がなされますが、当時のアイルランド人は英語を使っていないようでした)、字も書けないので、軍隊に登録する応募用紙への署名欄には「X印を書け」という指示を受けているシーンには絶句しました。

殺された父親の復讐劇の筈ですが、アムステルダム(ディカプリオ)は仇の懐に飛び込み、有能な働き振りを認められていきます。ボスの右腕としてのし上がっていきます。しかし、復讐を決して忘れず、その機会を虎視眈々と狙っていました。

キャメロン・ディアス演じる女スリ師との恋は付け足しのような気がします。一緒にサンフランシスコに逃げようという会話をします。その経路は南米チリのホーン岬を迂回するルートでした。大陸を横断してサンフランシスコまで陸路で行くのでもなく、また、パナマ運河を通過するルートも無い時代だったのでしょう。結局この計画は実行には移されていません。

18世紀中ごろのアメリカ・ニューヨークは極めて混沌とした世界で、秩序は辛うじて強いボスの存在により保たれている様でした。海外から新天地を目指して到着する移民、ヨーロッパから、アジアから大量に入ってきます。目を引いたのが中国人の多さです。京劇も盛んに演じられているシーンもあります。最後には『サル、チビ』などと白人に罵倒されているところは非常に情けない場面です。

『タイタニック』は中国でも大ヒットしており、ディカプリオの人気は中国でも相当高まっていたはずです。主題歌の「My Heart Will Go On」を中国人が英語で歌う場面を何度もカラオケ屋で見ました。本作品も期待を持って中国人の多くも鑑賞した筈ですが、その映画の中で中国人(東洋人)に対して『サル、チビ』はないです。

ラスト大規模な暴動が発生します。時代の混沌さは十分理解できますが、『レヴェナント』の様に映画全般で明確な復讐劇に徹していないところが、少し裏目に出ている様な気がしました。

最後に

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NY最悪のスラム街、通称「ファイブ・ポインツ Five Points」は現在も実在しています。私は一度しかNYを訪問したことがないので、詳しく知りませんでした。18世紀のNYもかなり複雑ですが、力をもっていたのはやはり『ギャング』で政治家とつるんだり、就職あっせん口は『消防士』だったそうです。映画内でも火事場で消火活動よりも、現場に忍び込んで命がけで金品を盗むことは合法的に認められていた様な描写があります。また、消防士同士が消火活動をせずに、ケンカを始める始末です。当時の混沌としたNY社会を忠実に描いた映像は大変貴重です。

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