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おすすめ映画感想【たかが世界の終わり】(2017/グザヴィエ・ドラン監督)死期が近い若手作家の苦悩と家族の葛藤と愛を描く人間ドラマ

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『たかが世界の終わり』のあらすじと概要

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「Mommy マミー」「わたしはロランス」などで高い評価を受けるカナダの若手監督グザビエ・ドランが、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」のマリオン・コティヤール、「アデル、ブルーは熱い色」のレア・セドゥー、「ハンニバル・ライジング」のギャスパー・ウリエルらフランス映画界を代表する実力派キャスト共演で撮りあげた人間ドラマ。その他主な出演作品の数々は次の項で取り上げています。

劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」を原作に、自分の死期が近いことを伝えるため12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と家族の葛藤や愛を描き、第69回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた。

若手作家のルイは自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ12年振りに帰ってくる。しかし家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまう……。

『たかが世界の終わり』のスタッフとキャストについて

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グザビエ・ドラン監督:19歳で完成させた監督デビュー作「マイ・マザー」(2009)が、第62回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品され、若者の視点賞などを受賞。続く「胸騒ぎの恋人」(10)、「わたしはロランス」(12)もカンヌ国際映画祭のある視点部門に出品され、前者で再び若者の視点賞を受賞、後者では主演女優のスザヌ・クレマンに最優秀女優賞をもたらし、カナダの俊英として脚光を浴びる。

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マリオン・コティヤール(兄アントワーヌの嫁カトリーヌ役):唯一この家族内では血のつながりのない女性。但し、ルイの気持ちは誰よりも一番理解してくれる存在、察しも良くルイが12年ぶりに実家に戻った理由も分かっているのではないか、思わせぶりなセリフを吐く。

リュック・ベッソン製作「TAXi」(98)で注目を浴び、ティム・バートン監督作「ビッグ・フィッシュ」(03)でアメリカに進出。伝記映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(07)でアカデミー主演女優賞など数多くの賞を受賞した。以降、「パブリック・エネミーズ」(09)や、クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」(10)、「ダークナイト ライジング」(12)などハリウッド映画でヒロインを務める

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レア・セドゥー(シュザンヌ役):幼い頃既にルイ兄とは別れてしまった為、印象は余りない。魅力的な大人の女性に成長しており、劇作家として成功している兄を尊敬している。

クエンティン・タランティーノ監督作「イングロリアス・バスターズ」(09)を皮切りに、「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」(11)などハリウッド大作に続々出演。女性同士の運命的な恋を描き、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した「アデル、ブルーは熱い色」(13)では主人公アデルの恋人役を演じ、「007 スペクター」でボンドガールに抜てきされ、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(20)にも出演した。

ギャスパー・ウリエル(ルイ役):成功している劇作家。12年前に故郷を後にして一度も実家に戻っていない。同性愛者として周囲に周知されている。はっきり明言はされていないが、エイズで余命が短い宣告を受けている。

「ハンニバル」シリーズ第4弾となる「ハンニバル・ライジング」(07)でレクター博士の青年期を演じ、国際的な注目を集めた。その後、フランスの天才デザイナーの生涯を描いた「SAINT LAURENT サンローラン」(14)で主演を務め、グザビエ・ドラン監督作 本作品「たかが世界の終わり」で仏セザール賞の最優秀男優賞を受賞した。

ヴァンサン・カッセル(アントワーヌ役):マチュー・カソビッツ監督の「憎しみ」(95)や「クリムゾン・リバー」(00)をはじめ、「ドーベルマン」(97)、「アレックス」(02)などで活躍する。04年に「オーシャンズ12」でハリウッドに進出し、続編「オーシャンズ13」(07)にも出演、「イースタン・プロミス」(07)や「ブラック・スワン」(10)など国外の作品でも引っ張りだこになる

ナタリー・パイ(ルイの母親役):フランソワ・トリュフォーやジャン=ルック・ゴダールといった名監督の作品に多く出演している。ハリウッド映画の中では『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)が最も有名。

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『たかが世界の終わり』のネタバレ感想

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病気となり余命宣告を受けた主人公(ルイ)が、12年ぶりに故郷に戻り家族から暖かい「歓迎」を受けます。しかし、結局帰郷した目的(余命宣告を受けた旨を告白)を達することが出来ずにまた、故郷を後にするというドラマ。こんな極めて単純なストーリーを100分間もの映画として形作られるものなのか?また、フランス映画界を代表するようなスターが勢ぞろいする豪華キャストで、一体どんな映画を作れるのかと、素人であれば深く考え込んでしまわざるを得なません・・・

ところが、同作品は冒頭より、グサヴィエ・ドランの世界にいきなり没入させられます。カメラの独特なアングル、強烈なアップ(画面の中はまるで出演者の顔しか映っていない)、陰影の強烈なコントラスト、くっきりしたグリーンの瞳を見つめている間にストーリーは展開されていきます。登場人物たちの顔の接写の連続で、どこで何が起こっているの、要領をあまりよく得ませんが、今や有名人となったルイが久し振りに帰郷して家族から大歓迎されている様子は理解できます。

その後、母親、妹、兄嫁、兄らと個別に色々会話がなされていきます。どうやら長兄のアントワーヌだけは終始一貫してルイの帰郷を喜んでいない反応をし続けます。兄の頑なな態度はルイが昔、故郷を脱出しなければならなかった理由、12年間も戻らなかった理由を十分表現しています。結局彼の言動も大きく影響し、弟ルイ自身、告白するチャンスを逸したまま、故郷を後にする事になります。

多くの映画批評では、『家族愛』を映画の中で見つめる事が出来ると語っていますが、長兄の態度には家族愛は全く感じられませんでした。また、母親は腫れ物に触れる様にルイを大事に、大事に扱います。もしかすると母親として死期が近い事を悟っているのどうか分かりませんが、何となく分かっている様な気がします。妹は小さな子供時代に別れており、成功した劇作家として尊敬の対象と映っているだけではないでしょうか。

どこにも心の安定を求める事が出来なかったルイが最終的には故郷にも心のよりどころを見つける事は出来なかったという結末を迎えてしまいます。

それにしても、見事な心理描写、セリフ、心の葛藤、個性溢れる感情表現などに圧倒されっぱなしの映画でした。カンヌ映画祭グランプリ獲得作品も納得出来る一作に間違いありません。

最後に

ドラン監督映画のテーマは愛、母親などがほとんどですが、いつか他のテーマの映画も撮って欲しいものです。

 

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