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映画『ノマドランド』(感想)行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を謳歌する生き方を描く

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『ノマドランド』のあらすじと概要

jplenioによるPixabayからの画像

「スリー・ビルボード」のオスカー女優フランシス・マクドーマンドが主演を務め、アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちの生き様を、大自然の映像美とともに描いたロードムービー。

ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド 漂流する高齢労働者たち」を原作に、「ザ・ライダー」で高く評価された中国・北京出身の新鋭クロエ・ジャオ女性監督がメガホンをとった。

2008年、アメリカの大手証券会社の破綻に端を発する未曾有の経済危機が全世界を襲った。その影響は現役世代だけではなく、リタイア世代にも容赦なく降りかかり、多くの高齢者が家を手放すことになった。家を失った彼/彼女らは自家用車で寝泊まりし、働く口を求めて全米各地を動き回っていたという状況が本作品の背景にあります。

ネバダ州の鉱山関連・企業城下町エンパイアで、臨時教員として働いていた60代の女性ファーンは、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家(社宅)を失ってしまう。キャンピングカーに最低限の家財道具を積み込んだ彼女は、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら、不安定な車上生活を重ねて、その過程でファーンは同じ境遇の人々と交流を深めていくのだった。

毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を謳歌し生きる彼女の旅は続いていく。

2020年・第77回ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞、第78回ゴールデングローブ賞でも作品賞や監督賞を受賞。現在第93回アカデミー賞で作品、監督、主演女優など6部門にノミネートされている。

本作品は批評家から稀に見る高評価を受けており、『特に主演マクドーマンドの演技はキャリアベスト』と絶賛されているという。

『ノマドランド』のスタッフとキャストについて

クロエ・ジャオ 監督・製作・脚本・編集を担当:1982年生まれ、北京出身。現代のアメリカインディアンの若者の生活を描いた長編第1作「Songs My Brothers Taught Me」(15)、同じく現代に生きるカウボーイを追った第2作「ザ・ライダー」(17)<未観賞>はともにカンヌ国際映画祭で上映され、高い評価を得る。

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フランシス・マクドーマンド(ファーン):1984年、米シカゴ出身。コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」で映画デビュー。この作品をきっかけにジョエル・コーエンと結婚し、コーエン兄弟作品に欠かせない存在となる。社会派サスペンス「ミシシッピー・バーニング」(88)でアカデミー助演女優賞に初ノミネートされ、コーエン兄弟の「ファーゴ」(96)でアカデミー主演女優賞を初受賞。「あの頃ペニー・レインと」(00)、「スタンドアップ」(05)でも同助演女優賞の候補に挙がった。

マクドーマンドは役作りのために実際に車上生活を送ると共に、本作品でも取り上げられている様なAmazonの物流拠点での梱包作業、赤カブの収穫工場、観光客向けのカフェで働き、国立公園のキャンプ指導員もこなしましたなど数々の日雇いの仕事に実際に従事したようです。

デビッド・ストラザーン(デイブ):1949年生まれ、サンフランシスコ出身。ジョン・セイルズの初監督作「セコーカス・セブン」(79)で映画デビュー。その後も同監督作に多数出演する。「欲望」(93)や「L.A.コンフィデンシャル」(97)でもバイプレイヤーとして活躍。

出演映画投稿記事:

映画感想|『ボーン・アルティメイタム』(2007/鬼才ポール・グリーングラス監督)

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『ノマドランド』のネタバレ感想

リーマンショックの影響でこれほど高齢の多くのかた方が、住む家を失い、正規雇用の職も失い、キャンピングカーを運転しながら、不安定な不定期季節労働的な仕事を探し、全米を巡り歩いていた事実を本作を見て初めて知る事が出来ました。

多くのノマド仲間と心の交流を通じて、(オートキャンプ場の様な一定の場所を巡回しているので、不定期的に良くすれ違い様でした)同じ境遇の者同士の僅かな一体感が芽生えていくことが感じられます。

わたしも、まったくの『遊び』で登山の前夜山麓のキャンプ場でテントで寝泊まりしたり、場合によっては車中泊などもすることはありますが、映画の様に生活の総てが「車上」にあることは想像も出来ません。

女性監督が撮った映画らしい素晴らしい情景のシーンの数々と音楽は癒し効果は抜群です。ストーリーは余り起伏が無く、淡々として車上生活の繰り返しですが、一瞬ハッとする感動の光景に巡り逢えるのは少ない愉しみの一つだと思います。

北京出身の女性監督クロエ・ジャオがこのような米国映画を撮ってしまうという事にもかなり衝撃を受けました。

 

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