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映画『ブレードランナー』(感想)1982通常版/リドリ―・スコット監督。暗く退廃的な近未来のビジュアルが衝撃的傑作SF

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『ブレードランナー』のあらすじと概要

carloyuenによるPixabayからの画像

現在SF映画の金字塔と称賛される「ブレードランナー」(通常版)を初見。劇場公開は1982年。

環境破壊により人類の大半は宇宙の植民地(オフワールド)に移住し、人間にそっくりな外見を持つ人造人間「レプリカント」は宇宙開拓の前線で過酷な奴隷労働や戦闘に従事しています。しかし、彼らには製造から数年経つと感情が芽生え、主人たる人間に反旗を翻す事件が発生していました。そのため、最新の「ネクサス6型」には、安全装置として4年の寿命年限が与えられましたが、脱走し人間社会に紛れ込もうとするレプリカントが後を絶たず、地球へ脱走した彼らは違法な存在と宣告されていました。そんな脱走レプリカント達を判別し見つけ出した上で「解任(抹殺)」する任務を負うのが、警察の専任捜査官「ブレードランナー」のデッカード(ハリソン・フォード)が追跡を開始することになります。

想定される時代は近未来の2019年のロサンゼルスが舞台となっていますが、街には日本語や中国語の文字や屋台が溢れ、猥雑な雰囲気の街の様子は1980年代の香港を彷彿とするものがあります。

『ブレードランナー』のスタッフとキャストについて

Andy LeungによるPixabayからの画像

リドリ―・スコット監督:もともと『ブレードランナー』は、リドリー監督自身の意図に忠実に編集されていていましたが、製作側が完成前にテスト試写をおこない、参加者にアンケートをとったところ、以下のような驚くべき意見が寄せられたという:

「映画に出てくる単語や用語が難しい。“レプリカント”って何? そもそも“ブレードランナー”って何なの?」

 「ラストが暗すぎる。デッカード(ハリソン・フォード)とレイチェル(ショーン・ヤング)は、あの後どうなったの?」

興行成績の成り行きを心配し、商業性を優先した製作側は、監督の意思に反して、編集に修正を加えたということです。「用語が難しい」という問題には、劇中にわかりやすいナレーションを入れることで対応し、そして「ラストが暗い」には、「ふたりは生き延びて仲良く暮らしました」とでも言いたげなハッピーエンド・シーン(本作品で青空が広がりました)を無理やり追加してしたと語られています。

後に、リドリ―・スコット監督の思いを叶えた形の「ディレクターズ・カット/最終版」なども公開されるなど、かなり複雑な経緯のあった映画となっています。

ハリソン・フォード(リック・デッカード/ブレードランナー):1942年生まれ、米国シカゴ出身。アイルランド人の父とロシア系ユダヤ人の母の間に生まれる。「スター・ウォーズ」(77)のハン・ソロ役で一躍スターの座を射止め、「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」(81)に始まる「インディ・ジョーンズ」シリーズでその人気は不動のものになった。82年の本作品「ブレードランナー」も名作SFとして根強い人気を誇る。

本作品では40年以上前の若いハリソン・フォードの演技を見る事ができます。

ルトガー・ハウアー(ロイ・バティー):オランダ・ユトレヒト出身。15歳から貨物船で働き、建設業に従事した後、海軍に入隊。退役後はアムステルダムの演劇学校で演技を学ぶ。

主人公のデッカードより強烈な存在感を放つロイですが、ラストではデッカードの命を救う優しい心を示します。

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ショーン・ヤング(レイチェル):米ケンタッキー州ルイスビル出身。「ブレードランナー」(82)以後その美貌を生かして「砂の惑星」(84)や「追いつめられて」(87)などで活躍する。

『ブレードランナー』のネタバレ感想

Dave Y KialoaによるPixabayからの画像

近未来のロサンゼルスが1980年代初頭の新宿歌舞伎町や香港九龍の喧噪を思わせる様な姿に描かれているところは本当にびっくり仰天した。まだ、香港の古い空港の啓徳空港が現役で使用されていた頃の猥雑ながらも非常に活気に満ちた香港の街に、所狭しと立ち並ぶ飲茶店、衣料店、ローレックスなどの時計屋・宝飾店が瞼に浮かんできました。

また、酸性雨の長雨がずっと降っている雰囲気は香港から少し北の湖南省長沙の冬期の雰囲気を彷彿とします。何と、11月から3月末まで雨季で、信じられませんが、どんよりとした薄暗い雲に覆われ、ほぼ毎日冷たい雨が降っています。

高度に発達した科学によって生み出された人間そっくりな「レプリカント」の人類への反逆が描かれています。将来の可能性としては十分あり得る事かも知れません。そのSF小説の中の世界・世界観そのものを映像に描出する才能はやはり天才です。

確かに公開当時の観客にとっては少々映画のイメージが暗過ぎるという反応はもっともな事と思われます。しかしながら、公開当時の不人気にもかかわらず、本作品は時間が経過すると共に多くの映画ファンを引きつけ続ける魅力に溢れている様です。

映画の中では、酸性雨が降り注ぎ、地球から人類の多くが脱出してしまった後の世界を想定していますが、私見ながら何となく核戦争後の世界を描いている様な恐怖を感じるのは私だけでしょうか?

 

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