『ガーンジー島の読書会の秘密』のあらすじと概要
第2次世界大戦直後のイギリスの島を舞台に、ある作家が魅了された読書会をめぐるミステリー。
第2次世界大戦中、イギリスで唯一ナチスドイツに占領されたチャンネル諸島の1つであるガーンジー島。そこに暮らす人々の支えとなっていたのが、ナチスの目を盗み、島民たちが秘かに愉しんでいた島での読書会とその創設者であるエリザベス(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)という女性の存在だった。人と人の心を本がつないだ事実に強く興味を抱いた作家のジュリエットは、読書会に関する記事を書こうと島を訪ねるが、島にはエリザベスの姿はなかった。読書会のメンバーと交流をしていく中で、読書会の事を雑誌の記事にする事をあっさりと拒否されてしまいます。ジュリエットは彼らが重大な秘密を隠していることに気づいてしまう。
また、ジュリエットのガーンジー島へのたた旅は読書会の真相を探るばかりではなく、自分自身の発見の旅でもありました!
ジュリエット役を「シンデレラ」のリリー・ジェームズが演じるほか、ミキール・ハースマン、トム・コートネイらが顔をそろえる。監督は「フォー・ウェディング」「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のマイク・ニューウェル。
2018年製作/124分/フランス・イギリス合作
原題:The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society
『ガーンジー島の読書会の秘密』のスタッフとキャストについて
マイク・ニューウェル監督:イギリス・ハートフォードシャー 出身。1960年代にはイギリスのテレビ番組を多く手がけ、1977年に映画監督としてデビューした。1994年公開の『フォー・ウェディング』で英国アカデミー賞とセザール賞を受賞した。
リリー・ジェームズ(ジュリエット):1989年イギリス出身。イギリスの人気TVシリーズ「ダウントン・アビー」(12~15)を経て、ディズニーの実写版「シンデレラ」(15)で主演の座を勝ち取り、一躍注目を集める。大ヒットミュージカル映画「マンマ・ミーア:ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン!(原題)」(18)では、メリル・ストリープの若き日を演じる。
ミキール・ハースマン(ドーシー・アダムズ):1981年オランダ/アムステルフェーン出身。
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ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ〈エリザベス):1989年生まれ、イギリス/バークシャー出身。英人気ドラマ「ダウントン・アビー」(10~12)でグランサム伯爵家の三女シビル・クローリーを演じ広く知られるようになり、英コメディ映画「Albatross(原題)」(11)で長編映画デビューを果たす。
『ガーンジー島の読書会の秘密』の感想
【ネタバレ無し】
ガーンジー島という島の名前を初めて聞きました。場所はイギリス海峡のチャンネル諸島に位置し、イギリスの王室属領です。「イギリス女王をその君主としているが、連合王国には含まれない。そのため、内政に関してイギリス議会の支配を受けず、独自の議会と政府を持ち、海外領土や植民地と異なり高度の自治権を有している。 欧州連合にも加盟していない。したがって、イギリスの法律や税制、欧州連合の共通政策は適用されない」(ウィキペディア)人口65千人の小さな島というからびっくり仰天です。なお、同島はタックス・ヘイヴンないしオフショア金融センターとして知られています。
第二次世界大戦中ナチドイツに一時期占領されていた経緯があり、その当時の事件を解明するものと思っていたら大分雰囲気は異なり、最後の20分でストーリーは急転直下し、思いもよらぬ結末へ突入する感動映画となっていました。
ガーンジー島の豊かな自然美、島民の優しい心に触れる事で、主人公ジュリエットは本来の自分を取り戻していく様子が素直に分かる映画となっていました。
たった一冊の本が切っ掛けで島で養豚業を営む純朴な青年ドーシーたちと知り合い、その島で起った”悲劇”を垣間見る事になりますが、その事件は本作品の内容では重要な位置を占めているわけでは無いこと気付き少々驚きますが、ストーリーテラーとしては見事な筋書きに思わず唸りました。
読書会メンバーの人々には雑誌の記事には”読書会”の事は書かないと約束したものの、ジュリエットはどうしても書かずに居られない衝動に駆られ、原稿を書き上げ”読書会”に送付します。が、読書会のメンバーは出版することに合意したことで陽の目をいる事になったのだと思います。
この映画を見るまで、チャンネル諸島の島々がこれほど美しい景観である事は全く知りませんでした。野性的な海洋の風景もありますが、緑の多い牧歌的な草原の広がるシーンも度々作品中の映像で愉しむことが出来ます。
素晴らしい結末!本当に心温まる感動作でした。
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