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80年代 上海の正統派サウナ(垢すり) 懐かしい中国の思い出

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旅の随筆
Free-PhotosによるPixabayからの画像
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上海外滩
日中、買い物客でごった返す上海 南京东路  1987年当時中国一ナウいオシャレな街!·

この経験談に関しては少々投稿するべきかどうか悩みました。ひとつの笑い話として聞き流して頂ければと思います。

 

1987、8年わたしは、北京発の夜行列車にひとりで乗り、翌日昼過ぎ初めて上海駅に降り立ちました。途中、乗っていた列車の食堂車の中で食べた食事は、北京料理と明らかに味付けの異なる「上海料理」でした。それほど高級な料理を注文したわけではありませんが、わたしは北京料理の味の濃い味付けに慣れていたので、上海料理の繊細な薄味で、素材はかなり細かく食べやすい大きさに切られていました。何種類かの料理を、品良く小皿に取り分けられて提供される上海小皿料理(多分、家常菜=家庭料理だと思いましたが)は、非常に新鮮な印象を受けました。それらは北方の北京料理の様な、一品一品が大皿でどーんと出されるものと明らかに違いました。いきなり、上海の「風」に列車の中で触れる感じがしまた。まだ見ぬ上海への期待が少しだけ高まっていました。

 

上海到着後、ホテルにチェックインを済ませると、早速上海の繁華街へ繰り出しました。当時の上海随一の繁華街は活気ある南京東路です。あか抜けした明るい雰囲気は感じられましたが、まだなお、当時は発展途上の大きな都会という雰囲気でした。北京の王府井よりも人出が多いなと感じられました。

 

なお、現在では大発展を遂げ、中国経済をけん引している「浦東地区」はその時代は未開発の段階で、まだ全く利用もされていない荒涼とした、広い土地が広がるだけでした。人々の関心はなく、歴史舞台にまだ出て来ていませんでした。現在とは隔世の感があります。

 

最初の一夜は外灘からほど近い「海鸥饭店(かもめホテル)」に宿泊しました。

 

当時、上海旅行でも大変頼りになったガイドブックは「地球の歩き方 中国」です。この本を頼りに載っていた上海雑技団(サーカス)、上海動物園、更に正統派「上海サウナ」に行きました。

この上海サウナについてご紹介します。

 

受付が終わり、更衣室で着替えを済ませ、ロッカーの木札を腕に巻かれ、サンダルに履き替え、まず「サウナ室」に案内されました。案内係の男性は上海語しかしゃべらず、何を言っているかほとんど聞き取れませんでした。

 

日本のサウナと違い、個室サウナの室温はかなり低く目に抑えてあり、時間が経過してもあまり汗が出てきません。十分汗が出るまでしばらく入っていようとすると、ドアの小窓から係員の男性がちらちら何回もわたしの方を見ていました。最後にとうとう彼はしびれを切らせたらしく、出て来いと手招きをしている様子が見えました。

 

早く出てくるようにと頻りに急かされている様でしたが、わたしはそれにまったく気が付かず、係り員は少々イラついている様子でした。

 

サウナ室から出ていくと、今度は中央に「湯槽」らしきものがある、まだ他の客は誰もいない大きな浴室に通されました。案内役の係員は制服を着ていましたが、こちらは一糸纏わぬ姿で完全に無防備状態、なされるがままで、身振り手振りの指示に従うのみでした。日本のように、腰に巻くようなバスタオルなどはありませんでした。

 

そこの浴槽には、薄暗く余りよく見えませんでしたが、中途半端な15㌢ほどの深さのお湯が溜まっていました。湯量が余りに少ない浴槽におかしいなと感じつつ、その浴槽に座り込み、盥の行水のように腰まで浸かりました。腰あたりまでお湯にやっと浸る程度です。温度も低く、冷えたお湯でした。

 

そのうちに、係の男性が、『一体、お前はそこに入って何をしているだ』と訝しい顔をしていましたが、手招きして早く出ろと言っているようだったので、「浴槽」から上がり、何人か後から入って来た他の客がしている様に、「浴槽」のへりに腰かけました。そこへ今度は手ぬぐいを一本ぶら下げて、一糸纏わぬ全身素っ裸の男が来て,わたしの体のあかすりを始めました。

 

サウナ客であるわたしが素っ裸なのはわかりますが、垢すり担当のおっさんがどうして素っ裸なのよく理解できませんでした。

 

おっさんはまず、わたしの手を取り、わたしの手の甲を自分の太ももの上に置き、わたしの腕のあかすりから始めましました。次に私の背後に回り、全身の力で背中、脇の下などを入念に擦ります。すると、おっさんが態勢を変えるたびに、彼の「一物」が直接、わたしの体にわずかに触れる感触が気持ち悪くて堪りません。

 

気持ちが悪いので「パンツくらい履いたらどうか」と、北京語で言っても通じそうもないので、黙って我慢していました。

 

全身隈なく、力いっぱい擦られるので、物凄く痛いやら、一物がぶつかって物凄く気持ち悪いやら、大変困っていると、最後に、ご丁寧にも、わたしの全身から擦り出た垢を手の平に山盛りに拾い上げ、自慢げに見せてくれました。「こんなに出た」と言っているようでした。これには流石に苦笑を禁じ得ませんでした。そして、湯船の脇に私を立たせて、湯船の中のお湯を桶ですくい全身の汗と垢を流してくれました。

 

それで漸く判然としたのが、水深わずか15㌢の浴槽のお湯は他の客の汗と垢を流したり、寝拭いを絞ったりするの湯水の溜まり場だったのです。これに気づいた時は後の祭りでした。すでにこのお湯にどっぷりと体ごと浸かってしまっていたわたしは、体がきれいになったのか、反って汚れてしまったのか、気持ち悪いやら複雑な気持ちで店を後にしました。

 

これがわたしの古き良き正統派「上海サウナ」(垢すり)の初体験です。その時を最後に上海サウナにはもう二度と行く機会がありません。

 

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