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内蒙古草原ツアーでの夜明けの出来事 中国の思い出

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旅の随筆
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蒙古馬は思ったより小ぶりな馬でした。ジンギスカンもこの馬でヨーロッパ遠征!?
草原でモンゴル相撲 将来の朝青龍!?
夕暮れ時の蒙古パオ
フフホトに行っても何故か子供達に大人気でした! 日野のバスと一緒に

1987年秋、北京の西方に広がる内モンゴル自治区の呼和浩特(北京から500㌔の位置)まで旧ソ連製のプロペラ式小型飛行機で飛び、内蒙古草原ツアーに参加した時の思い出です。

呼和浩特(フフホト)からは日本製の日野の大型バスで内モンゴル高原の道をひたすら走り抜け、草原の中の蒙古パオ(モンゴル名:ゲル。遊牧民が使用する移動式住居)に泊まりました。乗ったバスは砂利道の続く道路で、余りに状況が悪くパンクを繰り返し、何度も路上で長い間停止しパンク修理をしていました。

この蒙古パオは想像以上にゆったりと広く、居住性は快適そのものでした。内部で動き回る事は非常に楽でした。食事、睡眠も普通の家屋とほぼ同じ居住空間が確保されていて、不自由なく過ごすことが出来ます。私と同行の日本人男2人、呼和浩特から草原ツアーに参加していた欧米人夫婦2名が同じパオに同宿していました。ただ、床下がヒツジの乾燥した糞が敷かれているとかいないとかという話は聞きました。余り臭いは気になりませんでした。

 

わたしも山登りが好きで良く山中でテント泊の経験があります。山のキャンプ用のテントとモンゴル族が家族と共に一生生活するテントでは快適性・居住性ともやはり雲泥の差があり、パオはまさしく人の住む「家」そのものでした。

 

旅行前に聞いていた内蒙古で客をもてなす儀式である、大碗のどんぶりになみなみと注がれた馬乳酒を3杯立て続けに飲み干すことは幸い強要されませんでした。また、勧められた酒は絶対に拒否してはいけない、たいへん礼儀に反すると、事前に厳重注意されていました。どこからのTV『絶対に笑ってはいけないXXX』を思い出しそうですが、実際は酒を飲むことを強要された記憶が無く、少し拍子抜けしたものです。

 

歓待の宴はありましたが、馬乳酒を飲むのは軽く1杯程度で良かったと思います。どんぶりの様な大きな盃になみなみと三杯も飲まされた記憶はありません。あるいは飲んだけれでも酔っぱらって忘れてしまったのか、今ではその記憶は定かではありません。

 

パオに囲まれた大広場で、モンゴル族の若者の踊り、歌、モンゴル相撲の実演等を見ました。なお、10月にモンゴル草原を訪問したので当然のことながら、草原の天空に輝く満天の星を多分見たのだと思いますが、不覚にも全く記憶に残っていないのが何とも不思議です。もし、もう一度訪れる機会があれば、草原の頭上に広がる「満天の星」の絶景をしっかり心に焼き付けたいと思っています。

 

私は、あくる日の早朝、まだみんなが寝静まっている間にパオを抜け出し、草原を散策しました。驚いた事にこんなに早い時間にもかかわらず、夜が明けたばかりの草原で早起きの羊の群れがもう草を食んでいました。あまり遠くに行くと、自分の泊まっているパオの位置が判らなくなり、迷子になると困るで常にパオの位置を確認しながら、散策を愉しみました。

 

読者のみなさんは「草原」というと当然真っ平らな草地が広がり、太陽の登る所と太陽が沈む大草原を想像するかもしれません。しかし、わたしの訪れた内蒙古の観光用の草原は北海道のじゃがいもやとうもろこし畑と同じく、緩やかな起伏があり、とても躍動感溢れる大草原でした。

 

パオのそばにもトイレは設営されていましたが、わたしは趣味の山上りの習慣から、開放感あふれるパオの外の大草原で用を足したいという大変不遜な考えがふと思い浮かびました。

 

日本の古き良き昔の登山では、「雉打ち」という隠語表現を使って、野外で大も小も用を足すことを表現します。現在では自然保護が叫ばれ、山のキャンプ地・登山道での勝って気ままな「雉打ち」は許されないらしいですが、、、

 

心ならずもこの習慣を踏襲して、モンゴル草原でも「雉打ち」に出かけました。自分のパオから300‐400㍍行った処にわずかな窪みを見つけ、「もうここまで離れれば人に見られないだろう」と思い、ズボンを下ろししゃがみこみ、暫くするとびっくり仰天しました。

 

全く予想だにしていませんでしたが、先程まで2、3㌔は遠方に見えていた羊の群れが、突如目と鼻の先に現れ、わたしを見詰めていました。わたしはズボンを下ろし、完全に無防備な状態でした。更に驚いた事には、羊の群れの中には羊飼いと思われる人影も混じっているではありませんか。朝焼けの中、目と鼻の先の距離で同じくこちらをじっと眺めている様子が覗えました。

 

実際は遠方にいた羊の群れが突如間近に迫ったのではなく、手前の窪地にいて、あたかも伏兵の様に姿を隠していた様な位置にいた別の羊の一群が、突如窪みから坂を這い上がり眼前に現れたのです。

 

それでもじっと我慢し羊が少し遠く通り過ぎた後、無事用を足す事ができました。恥ずかしい姿を羊と羊飼いに目撃されてしまいました。大草原での「雉打ち」は事前に、起伏に潜んでいて見えない羊の群れとの距離など的確な状況判断が必要であることが知る事が出来ました。

 

(※このような行動は余り他旅行者の方々にはお勧めしません。かなり顰蹙を買いそうですがお許しください)

 

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