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スイス 世界遺産ユングフラウヨッホ 思い出のスキー

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旅の随筆
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レマン湖湖畔 この日は生憎の雨模様
ベルンの旧市街
ベルンの街のシンボル ”熊”
登山鉄道
スキーヤーが続々と降車してきます
大迫力のアイガー
スイスならではの大迫力
クライネシャイデック駅
絶句する大迫力
車窓よりまじかに見る大絶壁 雪と氷と岩稜
トンネルの中は一部停車駅内で歩行可能
アレッチ氷河

1980年代、ヨーロッパに行くチャンスがありました。当時、香港で格安航空券が入手できるという噂を頼りに、香港・九龍にある、その筋では名前の知れ渡っていた「重慶大廈(チョンキンマンション)」(旅行代理店・簡易宿泊施設など密集する建物)に買いに行きました。※現在も存在するのか不詳。

香港・ヨーロッパ主要都市往復航空券 エコノミ―クラスで最安値はインド航空の5万円、シンガポール航空9万円を提示され、安いインド航空にしようかと迷っているとマレーシア航空7万円という提示がありました。いずれも一か月有効で、最終期限までにヨーロッパの都市を出発すれば良いという条件でした。

最終的に、マレーシア航空の航空券を買い、香港を出発しました。個人旅行でかみさんと二人ずれの気儘な旅行でした。たいへん頼りなったガイドブック『地球の歩き方 ヨーロッパ』を持参しました。

ヨーロッパ4週間の総ての旅行談をまとめるつもりはありません。旅行メモなどこまめにつけるタイプではないので、詳細までは思い出す事が出来ないのですが、3月、スイスで過ごした数日の中のちょっとした失敗談を是非聞いてください。

ドイツ・バイエルン州ヒュッセンにあるイノシェヴァンシュタイン城訪問の後、鉄道で次の目的地スイスに入りました。

ヨーロッパはどこを見ても美しく、おとぎの世界を旅している雰囲気が漂っていました。とりわけスイスは、美しい箱庭の様な田園、赤い屋根の続く旧市街などの風景に圧倒されました。

一泊目はベルン。宿泊はすべて「B&B」という、今で言う「民泊」施設を利用していたので、ベルンでも同じような宿を探して泊まりました。B&Bはブレックファーストとベッド付きという意味です。大抵シャワーも完備されており快適でした。事前予約など一切せず、当日午後電話して部屋の空きがあるか確認し、空きがあれば宿泊可能でした。

夕食はついていないので、外のレストランを利用します。この夜は、とても雰囲気の良いレストランで、本場のチーズフォンデュを注文しました。ところが、入ったお店のチーズの味が口に合わなかったのか、或は本場のチーズの味はこんなものなのか良く分かりませんが、残念ながら、期待していたような美味しさ、ではありませんでした。

二日目、待望のユングフラウヨッホ(標高は3466m)を目指しました。アイガー、メンヒと並び三山が美しく肩を並べる麓に、インターラーケン、グリンデルワルトなどの山岳リゾートが点在している地域です。

登山電車やケーブルを利用して、アルプスの絶景ポイントまで簡単に上がることができます。しかもアイガーの山塊を刳り抜き進む山岳鉄道は突如開けた岸壁の窓から絶景の「アレッチ氷河」を見下ろすことができます。

標高3454mのユングフラウヨッホ駅は、ヨーロッパで最も標高が高い鉄道駅として知られていました。

登山口となる町インターラーケンを出発し、途中グリンデルワルトで別の登山電車に乗り換え、クライネ・シャイデックに到着。クライネ・シャイデックでさらに別の登山電車に乗り換えてユングフラウヨッホに向かいました。初めて行くとかなりややこしそうですが、何とかなりました。ヨーロッパなので表示板などは完璧に整備されており、ここでも「地球の歩き方」が大変頼りになりました。

クライネ・シャイデックを出た電車は、すぐに一つ目の駅アイガーグレッチャー駅に到着、そこから先はアイガーの山中をくり抜くトンネルに入る為、車窓からの景観は消えますが、ユングフラウヨッホに到着するまで暫くの辛抱です。ユングフラウヨッホまで途中アイスメーアの駅で数分間の停車があり、巨大な窓から世界一と思われる壮大な絶景を楽しむことができました。

スイス旅行では当初、スキーを滑るつもりは全くなかったのですが、レンタルスキー・ウェアの看板を見て、急遽滑る事を思い立ちました。 ところが、かみさんは一応スキーの経験はあるとはいうものの、ほぼ初心者である事が、スキー板をつけた後に分かりました。雪上でよちよち歩きのかみさんに、初めは、つきあって一緒に滑っていました。その内、「一度滑って、どんなゲレンデなのか全体を見て来る」と言い残し、ひとりほったらかしにして、滑り降りてしまいました。これが失敗でした。

わたしは大学四年間北海道で過ごしたので、自己流ながらスキーに多少自信がありました。しかし、スイスのスキー場のスケールの大きさ、アイガー、ユングフラウなどの絶壁などの景観のただならぬ雰囲気にすっかり呑み込まれてしまい、想像を絶する巨大なゲレンデを、どれくらいスピードがついているか上の空で滑り下りました。時間の経過すら忘れてしまいました。最終的に登山鉄道駅(グリンデルワルト?)まで滑り下りてしまいました。大急ぎで電車に乗り、上の出発地点の駅まで戻ろうとしました。

ところが、登山鉄道の上り列車は、山頂付近が吹雪の為、運転休止と告げられました。思いも寄らぬ事態に言葉を失い、頭の中が真っ白になりました。駅の職員に「連れの一人が上の駅付近に残っているので、連れ戻しに上りたい」と乗車させる様に頼みましたが、電車はまったく動かず、らちが開きません。

まさか、この雪の中を、スキー初心者のかみさん1人で滑り下りようとしているのではないか、という考えも一瞬、頭を過りました。どうしたらよいのか? 呆然として、途方に暮れていました。

すると、クライネ・シャイデック駅から「レストランに日本人と思われる女性が、座っている」との連絡が入りました。「駅や商店の従業員が下山する最終電車がある。その電車で一緒に降りて来る様に手配する」という連絡も受けました。

ほっとしました。しかし、本当にかみさんがその電車に乗っているのか、ひと目見るまで、まったく安心できません。無事、駅に到着し電車から降りて来る姿を見た時は、本当にほっとしました。

今回学んだ教訓は、3000㍍を越える雪の世界、ましてや海外なのだから、何が起こるか分かりません。個人行動は絶対に慎んだ方が良いと思います。一歩間違えば、雪山で遭難という大惨事になっていたかもしれません。

こんなアクシデントも、のど元過ぎれば熱さを忘れるではありませんが、心の動揺も収まり、何日かスイスで過ごしたあと、次の目的地ローマ、フィレンツェを目指し旅を続けました。

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