『羊たちの沈黙』のあらすじと概要
FBIアカデミーの優秀な訓練生クラリスは連続誘拐殺人事件(犯人『バッファロー・ビル』)の捜査スタッフに組み込まれ、犯罪者として「ボルチモア精神異常犯罪者診療所」に収監されている狂気のレクター博士と面会する。それは、天才的な精神科医でありながら、自らの患者を次々と死に追いやったレクターこそ事件の謎を解く鍵になると見込んでのことでした。
レクターはクラリスに興味を示し、当初は協力を拒んでいたものの、やがてクラリスに自身の過去のトラウマに関わる個人情報を語らせることと引き換えに、事件解決の助言することを約束し、捜査の手がかりを与えることになります。ふたりが次第に心を通わせていく一方、新たな誘拐事件が起ってしまします。そうした中、レクターはまんまと脱獄を図ります。
ジョナサン・デミ監督の代表作となったサイコサスペンス。第64回アカデミー賞で主要5部門を受賞。アカデミー賞の主要5部門すべてを独占したのは『或る夜の出来事』、『カッコーの巣の上で』に次いで3作目、2021年現在でも4作目は未だ出ていません。
原題:The Silence of the Lambs
ロッテントマト批評家支持率:95%
『羊たちの沈黙』のスタッフとキャストについて
ジョナサン・デミ監督:1944年、ニューヨーク出身。監督作に「サムシング・ワイルド」(86)、「フィラデルフィア」(93)、「レイチェルの結婚」(08)、「幸せをつかむ歌」(15)など。
ジョディ・フォスター(FBI訓練生クラリス):1962年、米ロサンゼルス出身。映画界にとっての事件となったスコセッシ監督&デ・ニーロ主演の76年の「タクシードライバー」で少女の娼婦を好演し、いきなりアカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。
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アンソニー・ホプキンス(元精神科医レクター博士、猟奇殺人犯):2011年からは、マーベル・シネマティック・ユニバースの「マイティ・ソー」シリーズで、主人公ソーの父親であるオーディンを、シリーズ3作にわたって演じている。
出演作投稿記事➢
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『羊たちの沈黙』のネタバレ感想
【ネタバレ有り】
連続誘拐殺人犯の「バッファロー・ビル」は気持ち悪かったですね。蛾の飼育が趣味の様です。東南アジアから卵を輸入して、飼育している家もお化け屋敷で、しかも地下室に井戸があるという信じられない悪魔屋敷の様相でした。最後にキャロラインが無事救出された事は本当に良かった。
一方、主人公のレクター博士は凄い迫力でした。誰もが想像も出来ない方法で、厳重な監視の状況から見事に脱出を果たしました。天才的な能力を持ち、知性があり、教養もありながら、それを善の道に生かさず、猟奇的な殺人鬼と化してしまっているのも実に残念な気がしました。礼儀正しい人間に対しては礼儀正しく接するけれども、無礼な人間に対しては徹底的に無礼に対応する人間というのもかなり困りものです。この恐ろしい人物をアンソニー・ホプキンスは見事な演技力で演じていました。
クラリスはFBI捜査官という男中心の世界に飛び込み、至る所で痛くなる程奇異の目を向けられ続けました。それをものの見事に撥ね返し、最後に事件解決を果たしています。キャロライン救出に間に合って本当に良かったと思いました。最後は暗闇の中で、犯人は暗視レンズで姿を見る事が出来ていました。圧倒的に不利な状況で絶対絶命のピンチでしたが、大逆転勝利はお見事! 薄気味悪い事件でしたが、レクター博士からのヒント・助太刀があったこと、若々しいクラリスの大活躍があったお蔭で、映画観賞後に”爽快感”は残りました。
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