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おすすめ映画『ボルベール 帰郷』(2006/ペドロ・アルモドバル監督)感想‣母から娘へ因縁のように継がれてゆく絶望と罪…

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『ボルベール 帰郷』のあらすじ概要

「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」のペドロ・アルモドバル監督が、故郷ラ・マンチャのたくましい女たちの生きざまを郷愁と共に描き出したヒューマン・ドラマ。本作品は、カンヌ映画祭で最優秀脚本賞と最優秀女優賞を受賞し、各映画賞を席巻しています。

なお、主演のペネロペ・クルスは本作のほかにも『ライブ・フレッシュ』『オール・アバウト・マイ・マザー』『抱擁のかけら』『アイム・ソー・エキサイテッド!』『ペイン・アンド・グローリー』と計6回に渡りアルモドバル監督とタッグを組んでいる程、相性がいい監督です。

10代のころ母親を火事で失ったライムンダ(ペネロペ・クルス)は失業中の夫パコと15歳の娘パウラを養い生活していました。伯母の訃報を聞き故郷のラ・マンチャを訪れた彼女は、火事で死んだはずの母親の姿を見たという町の噂を耳にします。そんな中、肉体関係を迫ってきた父親を、パウラが殺害してしまうトラブルが発生します。出演者のほとんどが女性で固められている作品で、男性の出演はごく一場面のみに限定されています。

06年のカンヌ国際映画祭では、主演のペネロペ・クルスほか6人の女優たち全員が最優秀女優賞に輝いています。

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『ボルベール 帰郷』のスタッフとキャストについて

ペドロ・アルモドバル監督:1949年スペイン出身。「オール・アバウト・マイ・マザー」(98)でアカデミー賞の外国語映画賞、「トーク・トゥ・ハー」(02)では脚本賞を受賞。世界的巨匠と呼ばれる映画監督のひとりとなる。

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ペネロペ・クルス(ライムンダ):1974年生まれ、スペイン・マドリッド出身。「ハモン・ハモン」(92)でスクリーンデビューを果たし、同年「ベルエポック」がアカデミー外国語映画賞を受賞。以降、スペインを代表する監督の作品に出演、特にペドロ・アルモドバル監督作「オール・アバウト・マイ・マザー」(99)は国外での評価も高く、この作品を機にアメリカやイギリス映画への出演が増えてくる。

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『ボルベール 帰郷』のネタバレ感想

(ネタバレ注意!)

主演ペネロペ・クルスの存在感が際立つ映画でした。姉妹と設定された姉役の女性とは似てるところが全くありません。母親との共通点を見つけるのも苦労します。それ程、本作品中のペネロペの美しさは際立っていました。

内容はかなり重く、非常に大きな衝撃的なテーマを取り扱っています。一方、ペネロペの放つ明るさ、大らかさのお蔭でストーリーはコメディー映画と勘違いされてしまいそうになる程随所に笑いのタネも散りばめられています。

ラ・マンチャ地方特有の”問題”とは思われませんが、ライムンダ家族三代に渡って繰り返される、出生の秘密に苦しまされている忌々しい”事件”をどの様に捉えるべきなのか?悩ましいテーマだと思います。 ライムンダの父親は女性の嫉妬心の為に火事で焼死し非業の死を遂げています。ライムンダの亭主パコも同じように、娘パウラに包丁で刺され”自業自得”の最期を遂げます。非道の行いに対しては、やはり、それなりの運命が待ち受けているという事を暗示したかったのだと思います。パコは死後冷蔵庫に放置され冷凍され、冷蔵庫ごと河川敷に埋められてしまうという凄まじさにはびっくり仰天です。(嗚呼恐ろしや!)

ラ・マンチャ地方で逞しく生きる女性たちの生き様を描いた映画だとは思いますが、やることなす事、かなり大胆不敵な面もあり、女性の恐ろしさを否が応でも垣間見せられる映画です。

一方、映画の画面の中で多用される情熱的な赤を中心とした鮮やかな色彩、これはラ・マンチャ地方の女性の心意気を象徴していますが、流れる血の赤そのものです。

以前、ペドロ・アルモドバル監督の映画「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」なども見ているのですが、まったくどういう映画だったかすっかり忘れてしまいました。本作との共通点も多いのかも知れません。機会があれば是非見直してみたくなりました。

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