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おすすめ映画|『パーフェクト・ケア』(2020/J・ブレイクソン監督)感想‣おそるべき法定後見人の実態が明らかに…ロザムンド・パイク主演

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pen_ashによるPixabayからの画像

『パーフェクト・ケア』のあらすじと概要

「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクが主演し、第78回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞したクライムサスペンスコメディ。

法定後見人のマーラの仕事は、認知症などを抱え判断力の衰えた高齢者を守る仕事をしています。多くの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラたちでしたが、実は裏で医師や介護施設と結託して高齢者たちから資産を搾り取るという、悪徳後見人だったのです。

また、”認知症になると本人のストレスが軽減され、寿命が伸びる傾向にあるため、劇中のマーラのように長期間に渡り委託料を受け取るビジネスモデルが成立、不動産を所有している場合は、固定資産税や管理費を理由に、本人の許諾無しに後見人が売却できるので、うま味はさらに多い”という指摘もあります。日本でも誤解やトラブルの発生が多いという「成年後見人制度」ちょっとその内容実態を垣間見るには、うってつけの映画かもしれません。

パートナーのフランとともに順調にビジネスを進めるマーラでしたが、新たに資産家の老女ジェニファーに狙いを定めたことから、歯車が狂い始めます。まったく身寄りのない孤独な老人だと思われたジェニファーの背後には、なぜか恐るべきロシアンマフィアの蔭があり、マーラは窮地に立たされることになります……

監督は「アリス・クリードの失踪」のJ・ブレイクソン。共演に「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジ、「ベイビー・ドライバー」のエイザ・ゴンザレス。

原題:I Care a Lot

『パーフェクト・ケア』のスタッフとキャストについて

J・ブレイクソン監督・脚本・製作:監督作品「アリス・クリードの失踪」では誘拐事件、脚本を手がけた「ディセント2」では洞窟の遭難、「フィフス・ウェイブ」では宇宙人襲来と、予想外の状況に放り出されたヒロインの戦いを描いてきた監督です。残念ながら本作品以外まで見ていません。非常に興味が湧いた監督です。

ロザムンド・パイク(マーラ):1979年生まれ、ロンドン出身。人気シリーズ第20作「007 ダイ・アナザー・デイ」(02)でボンドガールに抜てきされる。デビッド・フィンチャー監督作「ゴーン・ガール」(14)でアカデミー主演女優賞にノミネートされる。

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ピーター・ディンクレイジ(ローマン):米・ニュージャージー州出身。11年に放送が始まった「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズで“インプ(小鬼)”ことティリオン・ラニスター役でブレイク、11年のゴールデングローブ賞でTV部門のTVシリーズ・ミニシリーズ・TV映画助演男優賞を受賞している。

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エイザ・ゴンザレス(フラン):1990年、メキシコシティー出身。青春ガールズムービー「ジェム&ホログラムス」(15)を経て、「ベイビー・ドライバー」(17)で世界的な知名度を得た。

ダイアン・ウィースト(ジェニファー):ウッディ・アレン映画の常連。同監督作品のうち、「ハンナとその姉妹」(86)と「ブロードウェイと銃弾」(94)でアカデミー助演女優賞を2度受賞している。

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『パーフェクト・ケア』のネタバレ感想

映画批評集積サイトのRotten Tomatoesにある批評家の要約では「限界に近づきつつある資本主義を痛烈に風刺している…」とありました。確かに法定後見人・医師・介護施設の三者に結託されてしまうと、『老人』には自由は無くなり手も足も出ず、もうどうする事も出来ない状態に陥ります。三者の結託に裁判所のお墨付きが認められてしまうと、本当の親族すらもう手出し出来ない事になってしまいます。正に『資本主義の末期症状』と憂えるべき事態が明らかになります。

内容は恐るべきスリラーですが、ロザムンド・パイクの必死の演技でコメディー仕立てになっています。彼女の悪徳後見人の血も涙もない徹底した守銭奴ぶりにはまったく驚愕させられました…

ロザムンドの据わった演技は見応えがありました。悪党のロシアンマフィアの脅迫に一歩も引き下がりません。命の危険も顧みない強情さは、観ている観客の方がハラハラドキドキしています。「お前の母親もお前を殺した後に直ぐ殺しに行くぞ」と脅しますが、「勝手にどうぞ」と受け流します。これにはさすがの冷血マフィアもグーの音も出ません…

とうとう車ごと事故に見せかけ、川に落とされてしまいます。ところが、車の中で目を覚した途端、ガラスを蹴破って見事に川底の車から脱出します。スーパーマン顔負けのバイタリティーにはあきれるばかりでした。とうとう最後に冷酷非道のマフィアも折れて、「一緒に組んで後見人ビジネスで一儲けしようやぁ」と誘いを掛けて来ます(嘘の様な展開!)

後見人制度の『恐ろしさ』を暴露している映画ですが、痛快なロザムンドの大奮闘もあり、娯楽映画としても十分に愉しむことが出来る素晴らしい映画でした。

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